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【株と為替 今週のねらい目】香港問題で米中関係のまたしても悪化?(12月2日~6日)

   またしても、米中関係が怪しくなってきた。トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名したことを受けて、米中貿易協議への悪影響が懸念されている。中国政府は声明で「重大な内政干渉」と反発しているものの、米中とも過激な対応は出ていない。

   一方、米国内では、米主要経済指標の改善を受けて景気底入れが意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ打ち止め観測が広がってきた。市場への影響を、慎重な見極める必要がありそうだ。

   2019年も、あとわずか。街はクリスマス商戦に突入する。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • どうなる香港! どうなる米中貿易協議?
    どうなる香港! どうなる米中貿易協議?
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東京株式市場 米中貿易協議に警戒感広がる

日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万3600円

   2019年11月29日(金)終値 2万3293円91銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、底固い動きのなか、狭いレンジでの動きが続きそうだ。

   前週は米中貿易協議の第1弾合意への期待感を背景に、3週間ぶりに反発した。ただ、トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名したことで、米中貿易協議への警戒感も芽生え、上値の重い展開となった。

   今週の日経平均株価は、大きな売り材料も見当たらないことから、底固い動きが続きそうだ。ただ、米中貿易協議に対する警戒感があり、上値の重い展開が予想される。トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」へ署名したことへの大きな影響は出ていないものの、米中間は再び緊張が高まっているため注意が必要だ。

   経済指標では、6日に発表予定の11月米国雇用統計が注目される。米国はこれからクリスマス商戦を迎えつつあり、今後の注目材料となりそうだ。

東京外国為替市場 米中緊張、ドルの上値抑える

ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円00銭

   2019年11月29日(金)終値 1ドル=109円51銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの底固い動きが続きそうだ。

   前週のドル円相場は、ドルが強含みで推移した。トランプ米大統領の「香港人権・民主主義法」への署名はドルの上値を抑える材料となったが、7~9月期GDP(国内総生産)改定値や10月の米国耐久財受注などの経済指標が市場予想を上回ったことで、ドル買い材料となった。

   今週のドル円相場は、ドルの底固い動きが続きそうだ。米国の好調な経済指標がドルの下値を支えており、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測を否定する方向に働いている。半面、米中関係の緊張感は再び高まっており、ドルの上値を抑えている。

   材料面では、今週末6日には注目の11月米国雇用統計が発表される。米国の景気動向を占う上で注目される。

   経済指標は、国内では2日に7~9月期法人企業統計、3日に11月のマネタリーベース、6日に10月の毎月勤労統計調査と家計調査、景気動向指数などが予定されている。

   米国では、2日に11月のISM製造業景況指数、4日に11月のADP雇用統計、5日に10月の貿易収支、6日に11月の雇用統計などが予定されている。

(鷲尾香一)