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「600+100×3」の答え、わかります? 電卓を「使いこなす」と仕事が変わる!

   「電卓」は、計算機の一種で電子式卓上計算機の略です。名前のとおり、電子回路によって計算を行い、卓上で使用できるサイズのものを指します。1960年代に登場した電卓は重量が20~30キログラムもある大型が主流でしたが、液晶に置き換えることで急速にコンパクト化していきます。

   現在は、ソフトウェアがパソコンや携帯電話に搭載されていて、卓上かつ「専用」ではなくなっています。そんな「電卓」ですが、税理士の脇田弥輝(わきたみき)さんは、電卓を使いこなせば「仕事の効率がアップして人生が変わる!」と言います。

   今回は、電卓の使い方についてうかがいました。

「世界一やさしい電卓の教科書」脇田弥輝著(ソーテック社)
  • じつは「スゴイ」! 電卓の機能を使いこなせ!!
    じつは「スゴイ」! 電卓の機能を使いこなせ!!
  • じつは「スゴイ」! 電卓の機能を使いこなせ!!

スマホの電卓は注意が必要です!

   スマホの電卓だと、×(かける)、÷(割る)が優先されます。つまり、算数の計算と同じです。電卓の場合は、前から順番に計算されるので、×や÷が優先されることはありません。では、次の例題を解いてみましょう。

◆ 例題A:600+100×3
電卓の場合
600+100=700
700×3=2100

スマホの場合:
100×3=300 
600+300=900

   スマホの場合は「900」ですが、電卓では「2100」になります。「100×3」が優先されてしまうためです。算数のように四則演算なのです。では、次のケースを見てみましょう。

◆ 例題B:100×2+200×3

   この場合も、電卓だと前から順番に計算されるので、答えは「1200」になります。しかし、スマホの場合は、「100×2」と「200×3」が個別に計算されるため、「800」と表示されます。スマホの計算機が四則演算で難しい計算ができないことを知らない人も多いのではないでしょうか。

<レストランの会計ではどうやって使う>
電卓がうまく使いこなせれば、日常生活でも簡単に計算することができます。たとえば、仕事納めのあと、部下を近所のイタリアンレストランに連れて行きました。あなたは部下にご馳走しようと考えています。オーダーは次のとおりです。また、全員が200円の割引チケットを持っていました。

・ペストカーレ @850円 4名
・アラビアーター @900円 3名
・ボスカイオーラ @880円 2名

   メニューの合計額から割引券の金額を引くには、次のような操作が必要です。この場合、それぞれのメニューの金額を計算して合計し、そこから人数分の割引額を引きますが、次のように叩くと一度に求めることができます。

・850×4M+ ←ペストカーレの合計3400円
・900×3M+ ←アラビアーターの合計2700円
・880×2M+ ←ボスカイオーラの合計1760円
・4+3+2×200M- ←割引合計1800円を引いた総額6060円が表示。

   参考までに、これはスマホの電卓機能では使用できない場合があります。レストランの会計時に12ケタの電卓で計算していたら、「この人はただものではない!」と注目されるかもしれません。

電卓の機能を知ることで得られるメリット

   脇田さんは、仕事で電卓を使う機会が多い人にとって、知っていて便利な機能がたくさんあること。電卓を使用する試験(簿記検定、税理士試験、公認会計士試験など)に挑戦する場合にも、同様に得られるメリットがあると言います。

「思い返せば今から約15年前、私が税理士試験の簿記論の勉強をはじめるにあたり電卓を手に入れたときには、四則演算(+、-、×、÷)以外の機能は知りませんでした。それまで使用していた電卓にも『M+』『M-』『GT』などのボタンはありましたが、その機能を使ったことがありませんでした」

   脇田さんは、当初はどんな機能なのか知ろうとも思っていなかったようです。機能を知ったときに「電卓ひとつでこんなことができる」と大変驚いたと言います。じつは、筆者も「M+」「M-」「GT」などのボタンを使ったことがありません。

   これを知っているのと知らないのとでは問題を解く速さや、仕事のスピードに雲泥の差が出ます。あなたは、電卓の機能を使いこなせていますか? この機会に振り返ってみてはいかがでしょうか。(尾藤克之)