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これは無視できないぞ! 仮想通貨のようで仮想通貨でない?「ステーブルコイン」(ひろぴー)

   作家の竹田恒泰氏が代表を務めるエクスコインと外貨両替所のエクスチェンジャーズが、ステーブルコインであるxcoin (エクスコイン)を発行すると、2019年12月11日に発表しました。

   エクスチェンジャーズの外貨両替所で取り扱う156種類の法定通貨のそれぞれに対応した仮想通貨を発行し、専用アプリを使って決済や送金、外貨両替などに利用できるといいます。

参考リンク:「日本発のステーブルコインを発行 作家の竹田氏が代表

   そもそも、「ステーブルコイン」ってなに? という人も多いことでしょう。今回は、そんなステーブルコインについてお話していきます。

  • ドル、円……。「ステーブルコイン」ってなんだ!
    ドル、円……。「ステーブルコイン」ってなんだ!
  • ドル、円……。「ステーブルコイン」ってなんだ!

価格変動がなく一定の価値を保つ「ステーブルコイン」

   「ステーブルコイン」とは、主に法定通貨を価値の裏付けとする仮想通貨です。多くのステーブルコインは、米ドルや日本円などの法定通貨や金などに紐づけられていることが多く、ペッグ(他の通貨と価値が連動する)通貨とも呼ばれています。

   「ステーブル」には、「安定した」という意味があり、価格変動がビットコインなどの仮想通貨と比較して安定しています。

   これは価値の裏付けがあるため、それ以上にも以下にもなりづらいということが要因です。

   ちなみに、米フェイスブックが運営する仮想通貨「リブラ」もステーブルコインで、法定通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円)と国債を担保とするとされています。

   ステーブルコインのメリットを見てみましょう。仮想通貨の魅力でもあり、課題でもあるのが、価格変動がダイナミックであることです。価格が上昇している時はいいですが、下落すると資産価値が落ちてしまいます。もし、仮想通貨で送金している途中であれば、もうどうすることもできません。

   しかし、ステーブルコインであれば、為替市場などの既存の金融市場で評価されている法定通貨などを担保としているため、価格の安定性があるわけです。

   価格変動による大きな利益が得られない一方で、通貨としての「決済」、「保管」、「送金」を安心して行うことができるのです。

「テザー」の時価総額は4000億円超!

   代表的なステーブルコインに、米ドルを担保とする「テザー(USDT)」があります。このテザーの時価総額は4000億円以上もあり、仮想通貨の時価総額においてリップル(XRP)に次ぐ第4位に位置しています。

   テザーは仮想通貨の下落時には、避難通貨の役割を担っています。そのため、BTC/USDTなどのテザー建ての通貨ペアの取引が人気であり、売買代金はビットコインを抜いて仮想通貨でトップとなっています。

   そんなテザーの人気を受けて、ステーブルコインは続々と誕生しています。特に米ドルを担保としたモノが多く、米国規制当局の承認を受けている「ジェミニドル(Gemini Dollar)」や「パクソス(Paxos)」などもあります。

   またロシアでは、中央銀行がステーブルコインについてテストしており、大手仮想通貨取引所のバイナンスは英ポンドを裏付けとする「バイナンスGBP」を提供 しています。

   日本円を担保としたステーブルコインも発行の準備がされており、GMOインターネットは昨年12月23日に、「GYEN(GMO Japanese YEN)」を2020年上半期に提供開始予定であると発表しています。

   おそらく2年前はテザーだけだったと思われるステーブルコインですが、続々と誕生しており、2020年1月時点で仮想通貨の時価総額50位以内に4つのステーブルコインが入るほど成長しています(参照元:CMC)。

   キャッシュレスが進む現代において、法定通貨のデジタル化も十分に考えられ、そこにステーブルコインが関わってくる可能性は十分にあるでしょう。外貨預金の口座を持たなくても外貨を持っていたり、簡単に両替ができたりするなどの可能性を秘めたています。

   私たちの今後の生活を大きく変える可能性もあり、仮想通貨投資に興味がない人でも、ステーブルコインを使う未来がやって来るかもしれません。(ひろぴー)