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【株と為替 今週のねらい目】中国発「新型肺炎」の感染拡大に冷える投資家心理(1月27日~31日)

   中国株式市場が春節で休場(香港市場は2020年1月28日、上海市場は30日まで)のなか、新型コロナウイルスによる肺炎が猛威を振るっている。中国での感染者は1900人、死者も50人を超えた。日本をはじめ、アジアや欧米、オーストラリアへと広がっている。春節の中国人観光客の来日を期待していた観光業や百貨店などは打撃。こうした新型肺炎の感染拡大が、投資家心理の重荷になっている。

   また、米連邦公開市場委員会(FOMC)が28~29日に開催。利上げには引き続き慎重姿勢を堅持するとみられ、リスク選好的なドル買い・円売りは広がりにくいとみられる。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 中国発、新型肺炎が世界に広がっている……(写真はイメージ)
    中国発、新型肺炎が世界に広がっている……(写真はイメージ)
  • 中国発、新型肺炎が世界に広がっている……(写真はイメージ)

東京株式市場 企業決算の本格化で個別銘柄物色の動き

日経平均株価予想レンジ:2万3500円~2万4000円

   2020年1月24日(金)終値 2万3827円18銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、下値固めの展開か。

   前週の日経平均株価は、中国で発生した新型コロナウイルスによる新型肺炎の拡大を嫌気し、3週間ぶりに下落した。為替相場が1ドル=109円前半まで円高に振れたことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、下値固めの展開か。2万4000円台をキープしていた日経平均株価は、中国の新型肺炎の感染拡大が投資家心理にネガティブな影響を与え、2万4000円を割り込んだ。

   新型肺炎の感染拡大に歯止めがかからず、投資家心理の回復は難しく、下値を固められるかが焦点となりそうだ。企業の決算発表は本格化し始めるため、個別銘柄を物色する動きになると見られる。

   28日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)では、米国の金融政策の変更はないとみられる。

東京外国為替市場 米国の経済指標、上向けば「ドル買い」に!

ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円00銭

   2020年1月24日(金)終値 1ドル=109円27銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値固めの展開か。

   前週のドル円相場は、中国で発した新型コロナウイルスによる新型肺炎の拡大により、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル安・円高の動きが続いた。

   今週のドル円相場は、新型肺炎の感染拡大を受け、引き続きリスク回避の円買いが優勢となりそうで、ドルの下値の固められるかが焦点となりそうだ。

   28日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)で、米国の金融政策の変更はないと予想されることから、ドル買いの材料にはなりにくい。ただ、米国の経済指標が市場予想を上回る結果となれば、ドル買いの支援材料となる可能性があり、注意が必要だ。

   経済指標は、国内では29日に1月の消費動向調査、1月20日、21日の金融政策決定会合の「主な意見」、31日に12月の失業率・有効求人倍率や鉱工業生産などが予定されている。

   海外は、米国で27日に12月の新築住宅販売件数、28日にFOMC(29日まで)、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長、1月のCB消費者信頼感指数、30日に2019年10~12月期GDP(国内総生産)速報値、31日には12月の個人所得・個人支出などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)