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【株と為替 今週のねらい目】新型コロナウイルスへの警戒感一段と強まる そのとき株価は!?(2月17日~21日)

   連日報じられている中国発の新型コロナウイルスの感染拡大は、その勢いが止まらない。日本国内でも死者が出たほか、一部では感染経路が特定できずにいる状況になっており、人々の不安もまた広がっている。

   そうしたなか、国内では2019年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値や1月の貿易統計などが発表される。1月の訪日外国人客数も気になるところ。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 新型コロナウイルス、感染拡大が止まらない……(画像は、国立感染症研究所提供)
    新型コロナウイルス、感染拡大が止まらない……(画像は、国立感染症研究所提供)
  • 新型コロナウイルス、感染拡大が止まらない……(画像は、国立感染症研究所提供)

東京株式市場 企業決算のピーク過ぎ、買い材料乏しい

日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万4000円

   2020年2月14日(金)終値 2万3678円59銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い中でのもみ合いが予想される。

   前週の日経平均株価は、反落した。中国国家衛生健康委員会が「11日の中国本土での新たなコロナウイルス感染者数は、1月30日以来の低水準になった」と発表したことで、日経平均株価が状況する局面もあったが、中国が新型肺炎の認定基準を変更したことで感染者数が大幅に増加。結局は、新型肺炎拡大に対する警戒感が、相場の押し下げ要因となった。

   今週の日経平均株価は引き続き、新型肺炎拡大に対する警戒感から上値が重い中で、もみ合いとなりそうだ。

   パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は下院の議会証言で「新型コロナウイルスによる世界経済への影響を注視している」と述べるなど、新型肺炎は世界経済への懸念材料となっている。国内でも、中国・武漢市への渡航歴のない人の感染が見つかり、人から人への感染が発生、新型肺炎に対する警戒感は一段と強まっている。

   企業決算がピークを過ぎたことで、買い材料に乏しいなか、2019年10~12月GDP(国内総生産)速報など、経済指標が注目される。

東京外国為替市場 米利下げ圧力が強まるかも......

ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~110円50銭

   2020年2月14日(金)終値 1ドル=109円74銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は引き続き、ドルの上値が重い展開が続きそうだ。

   前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となった。中国国家衛生健康委員会が「11日の中国本土での新たなコロナウイルス感染者数は、1月30日以来の低水準になった」と発表したことで、リスク回避のドル売りが後退する局面はあったものの、一向に感染者数の増加に歯止めがかからないことから、再びリスク回避のドル売りが強まった。

   今週のドル円相場は、新型肺炎の拡大が鈍化しない限り、引き続きドルの上値が重い展開が続きそうだ。米国株式市場は堅調な相場展開となっているが、新型肺炎拡大に対する警戒感が弱まらなければ、リスク回避のドル売りは続くだろう。米国の経済指標には注意が必要だ。

   今のところ米国の金融政策変更の可能性は低いが、経済指標が悪化すれば、利下げ圧力が強まる可能性がある。

   経済指標は、国内では17日に10~12月期GDP速報値、19日に12月の機械受注と1月の貿易統計、1月の訪日外国人客数、20日に2月の月例経済報告、21日に1月全国消費者物価指数などが予定されている。

   海外では、17日は米国市場が休場。18日に2月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数、19日に1月の米国生産者物価と米国住宅着工件数、1月28、29日開催の米国FOMC(連邦市場公開委員会)議事録、20日に1月米国景気先行総合指数、21日に1月米国中古住宅販売件数などが予定されている。

(鷲尾香一)