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【株と為替 今週のねらい目】新型コロナウイルス、猛威収まらず 円は「安全資産」でなくなった(2月25日~28日)

   新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響が懸念されるなか、米疾病対策センター(CDC)が日本への旅行者に渡航注意情報を、2020年2月19日に出すなど、外国人旅行客の減少による観光業や小売業への打撃はなおも続きそうだ。

   国内感染者や死者の増加が止まりそうにないことで、景気や企業の業績に対する警戒感も増している。市場の地合いが悪化するなか、どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 新型コロナウイルス、感染拡大でつらい……
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東京株式市場 中国の2月製造業PMIには要注意!

日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万3500円

   2020年2月21日(金)終値 2万3479円15銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、下値を模索する展開か。

   前週の日経平均株価は、2週連続の下落となった。新型コロナウイルスの感染拡大による新型肺炎で死亡者が増加していることで、リスク回避の売りが優勢となった。加えて、2019年10~12月期GDP(国内総生産)速報値が、前期比年率6.3%減となったことも嫌気された。

   また、米アップルが新型肺炎の影響から1~3月期の売上高予想が未達になると発表したことで、米国株が下落したことも影響した。

   今週の日経平均株価は、下値模索の展開となりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大にまったく歯止めがかかっていないことで、投資家心理が冷え込んでいる。加えて、2019年10~12月期GDPが市場予想を下回ったことで、急速に景気や企業業績の先行きに対する警戒感が高まっている。経済指標の結果次第では、一段の下げ相場を演出することになりそうだ。特に、29日に発表される中国の2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)には注意が必要だろう。

東京外国為替市場 リスク回避の円売りが優勢に

ドル・円予想レンジ:1ドル=110円50銭~113円50銭

   2020年2月21日(金)終値 1ドル=111円57銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが上昇基調を継続しそうだ。

   前週のドル円相場は、急速なドル買い・円売りによって大幅なドル高・円安となった。ドルは一時1ドル=112円台まで上昇した。国内での新型コロナウイルスの感染拡大や、2019年10~12月期GDP(国内総生産)が市場予想を下回ったことにより、「リスク回避の円売り」が優勢になっている。

   今週のドル円相場は、ドルの上値を試す展開となり、上昇基調が続くと見られる。国内での新型コロナウイルス感染の拡大により、国内経済への影響が懸念されており、これまで「安全資産」だった円は「リスク資産」となっている。

   このため、リスク回避の円売りが優勢となりそうだ。黒田東彦日銀総裁が「新型肺炎の影響が日本経済に大きく波及すれば、金融政策を考えなければいけない」との認識を示したことで、日米金利差の拡大が意識されるようになり、一段のドル買い・円売り材料となっている。

   経済指標は、国内では25日に2019年12月の景気動向指数、28日に1月の失業率と有効求人倍率、1月の鉱工業生産などが予定されている。

   海外では、25日に2月の米国CB消費者信頼感指数、26日に1月米国新築住宅販売件数、27日に10~12月期米国GDP改定値、1月の米国耐久財受注、28日に1月米国個人所得・個人支出、29日に2月の中国製造業PMIなどが予定されている。

(鷲尾香一)