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「才能」って、なんだ! 仕事に必要なものなのか、やっているうちに備わるものなのか?(入澤あきこ)

   「才能」について、考えさせられた――。視聴率10%を超す人気ドラマ「トップナイフ ―天才外科医の条件―」を見て、仕事をこなすうえで必要なものなのか、と......。

   「トップナイフ」は、外科医の中でもひと握りの「手術の天才」が集う脳神経外科を舞台に、最高の医師=トップナイフたちの抱える秘密や苦悩を描いたヒューマンドラマ。常に完璧を求められ、手術はすべて成功して当たり前という脳神経外科で、脳動脈瘤のスペシャリストとして活躍する主人公の深山瑤子を天海祐希さんが演じています。

  • 脳神経外科の手術に失敗は許されない(写真はイメージ)
    脳神経外科の手術に失敗は許されない(写真はイメージ)
  • 脳神経外科の手術に失敗は許されない(写真はイメージ)

努力しなければ、能力は育たない

   ドラマでは、音楽の才能で人気者となった患者と音楽の才能がなくて命を絶とうとした患者の対比、脳外科医の才能に悩む医師、西郡琢磨(永山絢斗さん)と「世界のクロイワ」と呼ばれる天才脳外科医の黒岩健吾(椎名桔平さん)との対比が描かれていました。

「あの人は才能があるからできるんだ」
「私は才能がないからできないんだ」

   才能をめぐる悩みは、ふだんの仕事の中でもよく耳にしますが、才能って何でしょうか?

   「才能」という言葉を辞書で調べてみると、

「物事をうまくなしとげるすぐれた能力。技術・学問・芸能などについての素質や能力」

と書かれています。

「能力とは、物事を成し遂げることのできる力。」「素質とは、持って生まれた性質。将来あるものになるのに必要な能力や性質。」

   辞書を読むと、「才能=生まれ持った物」では不十分な認識なんですね。能力は、成し遂げることの「できる力」と書いてあるので、努力しなければ、そもそも能力も育たない。能力を高めた状態が、「才能」ということのようです。

   そして、

「天才とは生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人。生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人。」

   そう、ありました。

「才能がないから......」そんな言い訳する資格、ありますか?

   天才と言えば、私はイチローを思い浮かべます。しかし、イチローは「僕は天才ではありません。なぜかというと自分が、どうしてヒットを打てるかを説明できるからです。」と言っているんですね。

   イチローと言えば、毎日のルーティーンを守り続けて、ストイックに野球に取り組んでいるイメージでしたが、それは自分の能力を磨ききって野球に向き合う姿勢だったんです。そこまでやり切ることが、おそらく「才能がある」と言える状態なのでしょう。

   私の高校時代の数学の先生は「数学をやりきったからこそ才能がないとわかった」と言っていました。やりきった人だからこそ言える重みのある言葉だと思います。最初から「才能がないから......」と諦めていた私は、そもそも能力を磨く努力を放棄していたわけですから、スタートラインにも立てていなかった。そればかりか、「才能」を言い訳にする資格はまったくなかったのです。(笑)

   「トップナイフ」で、西郡先生が才能のあるなしに苦悩する姿は、脳外科医を極めているからこそ感じる壁ということのようです。実際、勉強熱心で陰で努力しているからこそ、一般的なドクターなら諦める手術も成功させているのです。

   一方で、黒岩先生を前には才能のなさを突きつけられるのですが......。

   4月が近づいてきて、新しいことを始めたい季節です。春から、進学、進級、就職、転職、新しいチャレンジをする方は多いと思います。また、新人教育をする方も多いのではないでしょうか。

   物事を始めて早々に「才能がないから......」と言って諦めるのは、早計。まずは西郡先生のように努力して、取り組む能力をじっくり育てていくことから始めたいですね。(入澤あきこ)

脳動脈瘤のスペシャリスト、深山瑤子を天海祐希さんが好演(画像は、日本テレビ「トップナイフ ―天才外科医の条件―」のホームページ)
脳動脈瘤のスペシャリスト、深山瑤子を天海祐希さんが好演(画像は、日本テレビ「トップナイフ ―天才外科医の条件―」のホームページ)

◆ 土曜ドラマ「トップナイフ ―天才脳外科医の条件―」 ◆
日本テレビ系。毎週土曜日22時から。主演は天海祐希。数々の医療ドラマの脚本を手がけてきた林宏司に、「女王の教室」(日本テレビ系)などで天海祐希とタッグを組んできた大塚恭司の演出という最強ヒットメーカーによる作品。椎名桔平、広瀬アリス、永山絢斗、三浦友和らの実力派俳優が共演する。2020年1月11日の第1回が13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。