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【株と為替 今週のねらい目】猛威ふるう新型コロナウイルス、株価2万1000円の攻防へ(3月2日~6日)

   新型コロナウイルスの感染拡大が、世界同時株安を引き起こしている。2020年2月28日、東京株式市場の日経平均株価は終値で2万1142円96銭と、心理的な節目となる2万1000円に迫った。リスク資産を整理する動きが加速している。

   米国でも、景気の拡大期待が急速に縮小。米連邦準備制度理事会(FRB)による3月の利下げ観測が浮上。ますます、ドル売りが進みそう。米国株式も軟調な地合いが続く。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

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東京株式市場 一段の円高進行で株価2万円割れも

日経平均株価予想レンジ:2万1500円~1万9500円

   2020年2月28日(金)終値 2万1142円96銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、2万1000円台を維持できるか、が焦点となりそうだ。2万1000円を割り込むようだと、2万円割れを試す局面もありそうだ。

   前週の日経平均株価は、3週連続の下落となり、下げ幅は2200円を超えた。新型コロナウイルスによる感染拡大に歯止めがかからず、世界経済への悪影響が強く意識され、リスク回避の売りが相次いだ。

   外国為替相場が大きく円高に動き、1ドル=108円台へとドルが下落したことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、下値を模索する展開が続きそうだ。2万1000円を割り込むようだと、2万円割れを試す可能性が出てくる。外国為替相場で一段の円高が進行したり、国内での新型コロナウイルスの感染者数が大きく増加したりするようだと、日経平均株価の下げに拍車がかかる可能性がある。

   ただ、日経平均株価はこれまでの下げ幅が2300円を超え、短期的にはリバウンドが期待できよう。重要経済指標の発表が相次ぐため、結果次第では像場が振れる可能性もある。また、3日にはIOC(国際オリンピック委員会)理事会が開催される。東京五輪・パラリンピックの延期や中止といった話が出れば、日経平均株価は大きく下落するだろう。

東京外国為替市場 ドル下落、どこまで......

ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~109円00銭

   2020年2月28日(金)終値 1ドル=108円07銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値を模索する動きとなりそうだ。

   前週のドル円相場は、新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気し、世界経済への悪影響が懸念され、リスク回避のドル売りにより、ドルが大幅に下落した。ドル円相場は1ドル=108円へと急激なドル安・円高となった。

   今週のドル円相場は、引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への悪影響を懸念した動きから、リスク回避のドル売りにより、ドルの下値を模索する展開となりそうだ。

   ただ、新型コロナウイルスの米国内での感染拡大や米国景気への悪影響を懸念し、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が強まっており、ドルの下支え材料となりそうだ。

   また、日本の国内景気の悪化懸念や、3日のIOC理事会での東京五輪・パラリンピック開催延期や中止の検討は円売り材料となるため、ドルの支援材料となるだろう。米国の経済指標の発表には注目する必要がありそうだ。

   経済指標は、国内では2日に2019年10~12月期法人企業統計、3日に2月のマネタリーベース、2月消費動向調査、6日に1月の家計調査、1月景気動向指数などが予定されている。

   海外では、2日に2月の米国ISM製造業景況指数、1月の米国建設支出、4日に2月の米国ADP雇用統計、ベージュブック(米地区連銀景況報告)、6日に1月の米国貿易収支、2月米国雇用統計、7日には2月の中国貿易収支などが予定されている。

   なお、3日にはIOC理事会が、5日にはOPEC(石油輸出国機構)臨時総会が開催される予定。

(鷲尾香一)