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【襲来!コロナウイルス】「どうやって生きろというの!」銀座クラブママと新宿ホストが怒りの署名運動 利用自粛するなら補償して!

「どうやって生きていったらいいのですか」――。

   新型コロナウイルス拡大を受けて、政府は2020年4月7日に緊急事態宣言を発令するが、自粛のやり玉に上がっている夜の接待業の代表格、銀座・六本木の高級クラブのママや歌舞伎町の巨大ホストクラブのホストたちが、営業補償を求めて署名運動を始めている。

   バーやクラブ、キャバレー、ホストクラブなどでつくる一般社団法人・日本水商売協会(甲賀香織・代表理事)が4月初めからインターネット上で署名サイト「新型コロナウイルス感染症による接待を伴うナイトクラブの自粛による営業補償をお願いする陳情書」を公開した。

  • テレビ出演で窮状を訴えた銀座「クラブ ル・ジャルダン」の望月明美ママ(日本水商売協会の署名サイトより)
    テレビ出演で窮状を訴えた銀座「クラブ ル・ジャルダン」の望月明美ママ(日本水商売協会の署名サイトより)
  • テレビ出演で窮状を訴えた銀座「クラブ ル・ジャルダン」の望月明美ママ(日本水商売協会の署名サイトより)

「筆談ホステス」の斉藤りえさんも発起人に

   発起人に名を連ねているのは銀座や六本木、歌舞伎町の合計14の店舗や事業者グループ。銀座では、「クラブNanae」の唐沢菜々江ママ、「クラブ昴」の高田律子ママ、「クラブ ル・ジャルダン」の望月明美ママ、「CLUB AMOUR」の河西泉緒ママら、そうそうたる顔ぶれ。六本木では1960年代から「キンコンカ」「ピロポ」「セリーネ」「花かん」など高級会員制クラブを順次開店してきた「瀬里奈グループ」、歌舞伎町では38店舗ものホストクラブを展開する「groupdandy」(グループ・ダンディ)などだ。

   そのほか、江東区の三次ゆりか区会議員、銀座クラブの「筆談ホステス」として知られ、本やドラマにもなった斉藤りえ・元北区議会議員も名を連ねている。

   署名サイトによると、

「新型コロナ感染の災禍に対しては、事の重要性に鑑み、対処すべき事態であることは理解をしております。しかしながら、小池都知事が我々接待を伴う飲食店を名指しで都民の利用の自粛を要請したことは、当業界の存亡や従業員の生活に直結する重大な事態であります」

と訴えた。

「セーフティネットでは風営法管轄店だけが差別されている」

誰もいない銀座並木通り(日本水商売協会の署名サイトより)
誰もいない銀座並木通り(日本水商売協会の署名サイトより)

   実際、かなりの客数が減少し、休業に追い込まれた店も多い。

「本来、自粛要請は、憲法第29条3項(編集部注・財産権の保障)に鑑み、補償とセットでなされるべきものです。欧米のケースでは緊急事態宣言発動の前段階で売り上げが激減する業界には手厚い補償を約束したうえで、市民に店舗利用の自粛を要請しています」

と欧米に例を引き合いに出している。

   ところが日本では、経済産業省の新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者向け「セーフティネット保証5号」では、風営法の許可を受けるキャバレーやクラブは事実上除外されており、申請をしてもほとんど通らない状態だという。そして、「風営法管轄だけが差別されています。一般企業、一般市民と同じ処遇を!」として、「休業をしている間の店舗家賃の補償」「最低限の人件費の補償」「無担保無利子融資の斡旋」の3つを求めている。

   4月7日正午現在、4693人が賛同している。

   (福田和郎)