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【株と為替 今週のねらい目】ドル売り進む? 新型コロナの発生源めぐり、米中対立再び(5月11日~15日)

   「ステイホーム週間」が終わった日本では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が2020年5月31日まで「緊急事態宣言」を延長。一方、欧米では外出自粛などの制限が緩和され、経済活動をゆるりと再開した。経済活動の正常化への期待が、今の株式相場を下支えしている。

   ただ、米国の新型コロナの感染による死者数はペースが緩やかになったとはいえ、楽観はできない経済活動の再開に慎重な州も少なくない。そうしたなか、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、米中が対立。両国の貿易摩擦への懸念が再燃しており、緊張感が高まっている。ドル売りが進む可能性がある。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米中対立再び!
    米中対立再び!
  • 米中対立再び!

東京株式市場 あるか!? 緊急事態宣言の早期解除

日経平均株価予想レンジ:1万9500円~2万500円

   2020年5月8日(金)終値 2万179円09銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値を試す展開か。

   前週の日経平均株価は、堅調に推移して2万円台を回復した。原油価格の反発や新型コロナウイルス治療薬として「レムデシビル」の認可、欧米での経済活動の一部再開などが相場の上げ材料になったほか、4月の中国貿易統計の改善も好感された。

   今週の日経平均株価は、上値を試す展開となりそうだ。直近高値となる4月30日の2万365円を上抜けるようだと2万500円程度まで上昇する可能性がありそうだ。

   欧米での経済活動再開の動きが相場の下支え要因となっている。政府は5月31日まで緊急事態宣言を延長したが、14日までに状況を分析のうえ、解除を前倒しする可能性もあるとしていることから、もし緊急事態宣言の解除が早まるようであれば、相場の上昇要因となりそうだ。

   ただ、今週は主要経済指標の発表が多いため、結果には注意が必要だろう。

東京外国為替市場 ドル上値重く......

ドル・円予想レンジ:1ドル=106円00銭~107円50銭

   2020年5月8日(金)終値 1ドル=106円65銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値圏でのもみ合いか。

   前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となった。4月の米国雇用統計で失業率は第2次世界大戦後では最高となる14.7%まで上昇。非農業部門雇用者数は過去最大の減少となるなど、米国の経済指標が軒並み悪化したことが嫌気された。

   今週のドル円相場は、引き続きドルの上値は重く、下値圏でのもみ合いとなりそうだ。米国での一部経済活動の再開がドルの下支えとなっている半面、実体経済の回復は遅れており、失業者数の増加が嫌気されている。

   加えて、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、米中の対立が強まっており、貿易問題へ発展する懸念が強まっていることがリスク回避のドル売りにつながっている。

   経済指標は、国内では12日に3月の景気動向指数、13日に4月の景気ウォッチャー調査、3月の貿易収支、14日に4月の工作機械受注などが予定されている。

   なお14日に、政府が現時点の新型コロナウイルスの感染状況を分析し、緊急事態宣言の解除に向けた判断を行う。

   海外では、12日に中国の4月消費者物価指数、米国の4月消費者物価指数、13日に米国の4月卸売物価指数、15日には中国の4月の工業生産と小売売上高、米国の4月の小売売上高と鉱工業生産、設備稼働率などが予定されている。

(鷲尾香一)