J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

早大が着々と利益積み上げ、波に乗れた慶大が1万円「復活」 明大は割り込む【FX大学対抗戦 第4週】

   新型コロナウイルスの感染拡大の焦点が「第2波」に移りつつあるなか、日米欧は「自粛ムード」を解き、じわりと経済を動かしはじめた。その一方、米中が新型コロナの発生源をめぐり対立。米中貿易摩擦に飛び火しそうな気配になりつつある。

   そうしたなか、今週(2020年5月11日週)にジャンプアップしたのは慶応義塾大学。1万円割れから「復活」した。逆に躓いたのが明治大学。果敢にニュージーランド(NZ)ドルに挑むも損切りを余儀なくされる。授業が始まった早稲田大学は、取引の精度アップに注力。堅実に利益を積み上げた。専修大学は、取引を見送った。

  • 慶大が大幅プラスで1万円を回復
    慶大が大幅プラスで1万円を回復
  • 慶大が大幅プラスで1万円を回復

ポンド円の値幅に感謝!(早稲田大学)

   授業が本格的に始まり、今までよりはチャートを見る時間が少なくなった。その分、一回の取引の精度を上げなくてはと緊張する1週間であった。

   今まで経済指標を見て取引してきたが、今週はテクニカル分析だけで取引した。結論から言うと、英ポンド円で146円の利益、取引通貨量は200枚だった。

   今週のポンド円は1ポンド=130~133円で推移した。30分足で見た時、5月7日に形成した二番底の値を14日に更新。下降トレンドに入っていくことを予想すると同時に一時的には移動平均線との乖離を埋めるために上昇すると思い、1ポンド=130.6円で買いエントリーをし、131.2円で決済した。

   決済のタイミングは、下図の水平ラインからの判断である。

   とても見づらいが、の白く囲んだ部分でそれぞれ買い、売った。そのタイミングで買ったのは、真ん中の水平線で売りに入った人たちが一番下の水平線あたりで利益を確定。つまり、買いに入ると思ったからである。自分の売りのタイミングも、真ん中のラインがレジスタンスライン(上値抵抗線。相場がその水準よりも上昇しないと思われる水準のこと)となると思ったからである。

   ちょっと複雑で自分の予想が合っている自信はまったくなく、ポンド円の値動きの激しさに救われた感じがあるが、結果的に今回は勝てたので、こういった感じで実践を積んで行きたいと思う。

   今週、もう一つ注目していた通貨は米ドル円である。週明けから爆上げした米ドル円であったが、1米ドル=108円は超えずという感じだった。自分は108.0円に達した時の動きで買いか売りかを判断しようかと思ったが、結局更新せず、派手に下がるわけでもない相場だったので、引き続き来週もしっかり目をつけていこうと思う。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
英ポンド円取引では、トレンドラインを引いて分析どおりに取引され、値動きもそのとおりになりました。今までよりもチャートを見られなくなったと言いますが、取引すればするほど、わずかながらスプレッドという取引コストが必要です。取引機会を、ここぞというタイミングだけにしぼったほうが総じていいパフォーマンスとなるため、しぼって正解だと思いますよ。
さて、米ドル円はトランプ大統領が「今は強いドルを持つのに素晴らしい時期」とこれまでのドル安誘導とも取れる発言から一転しました。誰もが驚くこの発言ですが、背景には経済指標の大幅な悪化なのか、それとも米中の対立なのか?
今後のドル高継続を探るため、トランプ大統領の発言から目が離せません。

前週からの損益 プラス146円
5月16日現在   1万338円

前週に引き続き大失策、最悪のNZドル円取引!(明治大学)

《ニュージーランド中央銀行政策金利発表》

   5月のニュージーランドの政策金利の発表は下準備なしで、便乗する形で挑んでしまいました。市場予想は据え置きで、結果も据え置きのなか、大きく値を下げたので「いつか戻るだろう」という安易な考えで「なんとなく」、2000NZD(ニュージーランドドル)を買いました。

   しかし、ニュージーランド中央銀行は声明で、「将来的にはマイナス金利も選択肢の一つ」と、さらなる利下げを示唆していたことから、簡単には下げ止まらず損切りとなりました。

   あきらめが悪い私は、いずれ値戻りすると思い、こまめにチャートを見ていました。すると20時30分に上昇を始めたので、少ない数量ではありますが順張りでエントリーしてみました。近頃は損切りが早い癖があったので、あえてチャートを見すぎないことを意識しました。一たん下げそうな局面があり、含み損を抱えつつも握り続けて、7銭程度を抜いて利益を確定しました。

《損益》
・米ドル円を、1米ドル=107.3953円(1000通貨)で買い。107.3991円で売却。3円のプラス。
米消費者物価指数で便乗しようと思ったが、思った通りに動かずほぼ同値で撤退。
・ニュージーランドドル円を、1NZドル=64.8455円(2000通貨)で買い。64.6563円で売る。378円のマイナス。
ニュージーランドドルが、ふだんよりボラティリティが大きいのに、2000通貨も投入してしまった。しかも「何となく」。最悪の取引。
・カナダドル円を、1加ドル=76.2592円(500通貨)で買い。76.2092円で売り、25円のマイナス。
方向感は悪くなかったが、逆指値が近すぎて損切りされていた。もったいない。
・ニュージーランドドル円を、1NZドル=64.6397円(500通貨)で買い。64.7145円で売り、プラス37円。

《 まとめ 》
   最大の失敗後のトレードでしたが、何かFXのコツをつかんだ気がしています。本来FXは年間に数えるほどしかチャンスがない代わりに、そのレバレッジ力のおかげで割のいい投資対象であると考えていました。
   しかし、大学対抗戦では毎週取引が必要です。そのため、値動きのある指標にタイミングを合わせてスキャルピングばかりしていたのですが、これ以降は実効レバレッジを下げてチャートを見すぎずに決済までの時間を延ばしていこうと思います。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
RBNZ(ニュージーランド準備銀行)のオア総裁は、「現時点では量的緩和が最善の金融政策。金融機関はマイナス金利の準備ができていない」と発言しました。ここ数か月間ではなくとも、新型コロナウイルスの第2波や、不況が長引けば導入する可能性も考えられます。新型コロナウイルスの感染者数はピークアウトし、市場の焦点は今後の経済活動の再開や先行き見通しに移っているのではないでしょうか。
さて、今回のような何が出てくるか、わからないような金融政策発表でのトレードは難易度が高くなります。事前予想から、中銀総裁がどういった発言を行った場合に上昇・下落シナリオとなるか準備しておくといいでしょう。FX会社やストラテジストがレポートを出してくれているため、当日の朝に目を通すだけでも十分効果がありますよ。

前週からの損益 マイナス346円
5月15日現在     9680円

イイ感じでうまく波に乗れた!(慶応義塾大学)

5月11日(月)

   2週間前から持っている米ドル円は、現在いい感じに上げてきているが1米ドル=107.20円付近で前回V字戻しを食らっているため、不安は残る。シナリオと違う、もしくは考えを変更したときに途中で抜ける予定だ。

(図1)5月11日19時ごろの米ドル円15分足
(図1)5月11日19時ごろの米ドル円15分足

   夜中1時ごろにチャートを確認してみると、上げていたので下図2の赤ライン1米ドル=107.92円に決済指値と売り指値を置いて寝ることにした。

(図2)5月12日午前1時ごろのドル円15分足
(図2)5月12日午前1時ごろのドル円15分足

5月12日(火)

   朝起きて確認したところ、1米ドル=107.75円あたりで反落していたので、指値には届いていなかった......。そこでまた線引きを多少見直してから、指値を一度消して様子を見ることにした。1米ドル=107.00円あたりまで戻ってくるなら、一度決済してしまおうと思う。上にまた伸びるようなら、1米ドル=108.40円あたりで利益を確定したい。

5月13日(水)

   夕方ごろ、利益確定ラインを消して、様子を見ることにした。損切りは変わらず同じところを意識している。その後、前々週に1米ドル=106.693円から持っていたポジションは1米ドル=107.032円で決済した。プラス343円。

   なぜ、目標としていた位置まで来なかったかを考え、次に生かしていきたい。

   このまま落ちると思い、1米ドル=106.980円で売り、106.945円で決済した。また落ちていく角度的に一度反発すると思い1米ドル=106.911円で買い、107.030円で決済した。合わせて、154円のプラス。

   夜寝る前に引いていたトレンドライン(相場変動の傾向をわかりやすくするためにチャート上に引いた補助線)に反発していたのを確認して1米ドル=106.942円で買いポジションを持った。利益確定の指値を107.250円に置き、損切りは106.800円あたりを見ている。

5月14日(木)

   上値が重たく上がりそうになかったため、夕方ごろ1米ドル=106.847円で損切り。マイナス93.2円。

   その後、ポンド円の分析を行っていたが、方向性を確定させるのが難しく何回か損切りを挟んだ(合わせて、マイナス255円)ので、おとなしくドル円を監視し続けることにした。

   夜中に引いていたトレンドラインにタッチしてきており、昨夜とは違い形が綺麗だったので、ここで反発したら1米ドル=107.250円付近まで行くという自信が強く持てた。

   朝方の4時ごろまで起きており、ちょうど目標としていた値まで来ていたので1ドル=107.259円で利益を確定した。359円のプラス。

(図3)5月15日午前4時ごろのドル円15分足
(図3)5月15日午前4時ごろのドル円15分足
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
短期売買とスイングトレードを使い分けながら、うまくトレードできているように思えます。少し先の値動きの予測を立てて、短期売買を行うため、ダラダラとポジションを持ち続けることなく、メリハリのある取引ができているようですね。
さて、米ドル円はトランプ大統領の強いドルを望むという発言で上昇しましたが、直近の高値で上げ渋り、引けにかけては売られる展開となりました。ファンダメンタルズ的には読みづらいですが、比較的きれいな値動きとなっているため伊佐さんのように、トレンドラインを引いて短期売買を行うトレーダーにとっては有利ではないでしょうか。

前週からの損益 プラス601円
5月15日現在   1万196円

取引は見送りました(専修大学)

   体調がすぐれず、今週は取引を見送りました。

前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
5月15日現在       1万3785円