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【株と為替 今週のねらい目】米国経済VSコロナ「感染第2波」綱引きで株価の上値重く(7月6日~10日)

   米国経済の早期回復へ期待感が、膨らんではしぼんでいる。その原因は、米国内で複数の州に広がる新型コロナウイルスの「感染第2波」への警戒感だ。

   米国では6月の雇用統計などの経済指標がいずれも好調に推移しているのに、新型コロナの「感染第2波」に加えて、中国政府の香港統治をめぐる米中対立の深刻化などの悪材料が足を引っ張る。それにより、ドル円取引では売買が交錯。ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は上昇傾向にはあるものの、まるで梅雨空のようにスッキリしない。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 「スッキリしない」 買い材料と売り材料が交錯
    「スッキリしない」 買い材料と売り材料が交錯
  • 「スッキリしない」 買い材料と売り材料が交錯

東京株式市場 東京のコロナ感染者100人超えで株価は?

日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万1500円

   2020年7月3日(金)終値 2万2306円48銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、2万2000円台でもみ合いか。

   前週の日経平均株価は、週初に500円を超える下げとなったが、その後はもみあい相場が続く、3週間ぶりの反落となった。東京都内で新型コロナウイルスの感染者が2か月ぶりに100人を超えるなど、感染拡大が相場の上値を抑えた。

   今週の日経平均株価は、2万2000円台のもみ合いとなりそうだ。米国の6月の雇用統計が市場予想を上回り、その他の経済指標も改善が見られていることで米国株が上昇している。

   加えて、英国、米国での新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいることも、市場参加者に好感されている。

   ただ、米国では新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新するなど、市場の警戒感は強まっている。日本でも都内の感染者数が増加傾向にあり、感染の再拡大への警戒感は強い。加えて、7月中旬にかけて決算が集中するETF(上場投資信託)の売りが増加するとの見方もあり、日経平均株価の上値は重そうだ。

東京外国為替市場 ドルが一方向に動きづらい展開

ドル・円予想レンジ:1ドル=106円00銭~108円00銭

   2020年6月5日(金)終値 1ドル=107円50銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、1ドル=107円台でのもみ合いか。

   前週のドル円相場は、一時1ドル=108円前半までドルが買われる局面もあったが、その後は1ドル=107円前半でのもみ合いが続いた。米国の経済指標が改善している一方で、米国での新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新するなど、好材料と悪材料が交錯した。

   今週のドル円相場は、1ドル=107円台でのもみ合いとなりそうだ。米国の経済回復と新型コロナウイルス感染拡大という強弱材料の綱引きとなっており、ドルが一方向に動きづらい展開となりそうだ。

   ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を導入するとの思惑は後退していることから、ドルのリスク回避売りにつながることはないだろう。

   経済指標は、国内では7日に5月の家計調査と毎月勤労統計調査、5月の景気動向指数、日銀「生活意識に関するアンケート調査」の結果公表、8日に5月の国際収支、6月景気ウォッチャー調査、9日に5月の機械受注、6月工作機械受注、日銀支店長会議で黒田総裁挨拶、7月地域経済報告(さくらレポート)などが予定されている。

   海外では、6日に6月の米国ISM非製造業景況指数、9日には6月の中国消費者物価と中国生産者物価、10日に6月の米国卸売物価などが予定されている。

(鷲尾香一)