J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

【尾藤克之のオススメ】わたしたちのカラダは「油」でできている? スプーン1杯で人生を変えたい方に朗報

   消費者庁は2020年2月25日、機能性表示食品として受理した累計数が2500品を突破したことを明らかにしました。事業者数は690社を超え、食品メーカーや異業種からの参入も活発です。

   その中でも、注目なのが「オメガ3オイル」。サバなどの青魚から摂取できるため、サバ缶は品薄状態です。しかし、その効能についてはあまり知られていません。

   今回は「いのちを長持ちさせるひとさじの油」を紹介します。著者は、オメガ3オイル啓蒙家の大塚聡子(オメガさと子)さん。監修は守口徹さん(麻布大学生命・環境科学部教授)。守口さんは、オメガ脂肪酸の有用性を広めるべく20年以上にわたって研究する第一人者です。オメガ3オイルのメリットについて、うかがいます。

「いのちを長持ちさせるひとさじの油」(大塚聡子/オメガさと子著)アスコム
  • 注目の「オメガ3オイル」は青魚から摂取できる
    注目の「オメガ3オイル」は青魚から摂取できる
  • 注目の「オメガ3オイル」は青魚から摂取できる

「なんか調子が悪い」のはあなたのカラダが「悪い油バランス」だから

いろいろな健康法を試しているけど、なかなか調子がよくならない。
最近、物忘れも多くなってきた。

   こうしたことを、「老化だから仕方がない」とあきらめていませんか。認知症、うつ、高血圧、糖尿病、動脈 硬化、脳梗塞、がん、ドライアイ、アレルギー、更年期障害。健康に気をつかっているのに、なぜ、これらの病気になってしまうのでしょうか。

   その理由は、あなたの身体が「悪い油バランス」になっているからかもしれないと、大塚聡子さんは言います。

「ここでいう『油』とは、あなたの身体を構成している脂質 (脂)のことを指します。』『身体が悪い油バランスになっている』とは、正確には『身体を構成する油脂のパランスが悪くなっている』ということです。私たちが摂取する「あぶら」には大きく2種類があります。植物からとれるものを『油』、動物からとれるものを『脂』といい、これらをまとめて 』『油脂』と呼びます」

と、大塚さん。

「摂取した『油脂』は、『脂質』とも呼ばれ、たんぱく質や炭水化物と並ぶ、私たちの身体に必須の三大栄養素の一つです。どんなに『身体にいいもの』を食べても、あなたの身体が『悪い油バランス』になっていたら、効果は薄くなってしまいます。どんなに『健康にいい運動』をしても、あなたの身体が『悪い油バランス』になっていたら、不調はなかなか改善しません。そしてどんどん老化が進んでしまいます」

   そう、説明します。

   じつは、37兆個ある人間の細胞を含む膜は、ほとんどが油でできています。脳に至っては、水分を除いた全重量の65%が油です。私たちを形づくる油のバランスが悪い状態のまま放置されていると、命にかかわる重大な病気になってしまうことさえあるのです。

20年前から激変している油の「常識」

   米国農務省(USDA)と米国保健福祉省(DHHS)が公表した「2015~2020米国民向け食事ガイドライン」を見てみましょう。1992年に発表された内容と比べて、油の常識がガラリと変わっていることがわかります。

「かつて油は『控えるべき食品』カテゴリーのトップでした。20年前のガイダンスでも、そのトップにすべての油がまとめて入っていました。ところが、現在では、動物性油脂は『控えた方がよい』カテゴリーであることに変わりないものの、『油は単なるエネルギー源というだけでなく、身体の構造や機能に必要な栄養素であり、種類を選び、良質なものを積極的に取る』というのが新常識になりつつあります」

と、大塚さんは言う。

「オメガオイルは3タイプに分かれます。『DHA』『EPA』『α-リノレン酸』を多く含む→オメガ3オイル、『リノール酸』を多く含む→オメガ6オイル、『オレイン酸』を多く含む→オメガ9オイル。このように3つの脂肪酸を混合しており、どの脂肪酸を多く含むかによって3タイプに分類されます」(大塚さん)

   オメガ6オイルを過剰摂取すると、アトピーや花粉症などのアレルギーを誘発するほか、がんや心疾患のリスクを高めるという報告もあります。加工食品や、外食、コンビ二食品、お菓子の多くにオメガ6オイルが使用されています。また、製造過程で高熱処理を施されるサラダ油や何度も使い回す揚げ油には、悪名高きトランス脂肪酸が含まれています。

   日本では、マーガリンは法規制対象外ですが、カナダなどでは、トランス脂肪酸は人体に害を与えることから、マーガリンへの添加は禁止されています。日本ではマリファナは遺法ですが、カナダでは合法です。大麻で逮捕され、マーガリンを食べる国。それが日本の実情といえるでしょう。

   日本では、トランス脂肪酸の害について報道されることはありません。世界保健機関(WHO)が世界から根絶しようとしているのに不思議です。

カラダにいい油は「飲むサプリ」

   取り入れるべきは「3のオメガオイル」だと、大塚さんは解説します。

   魚の油(EPA、DHA)をはじめ、エゴマ油、亜麻仁油、サチャインチオイル、チアシードオイルなどがあります。EPAやDHAはサバやイワシなどの青魚、マグロなどに多く含まれます。 血管や脳を健康に保ち動脈硬化予防の効果もあります。この機会にオメガ3オイルがもたらす効能や正しい使用方法について理解しておきましょう。

   カラダにいい油は「飲むサプリ」です。毎日スプーン1杯で、脳の機能を活性化、免疫機能の向上、血中コレステロール、中性脂肪の減少につながります。(尾藤克之)