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【株と為替 今週のねらい目】米国、コロナ「感染第2波」懸念拡大で強まるドル売り圧力!?(7月13日~17日)

   東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が連日200人を超え、過去最多を記録。政府も東京都も「お願い」レベルの自粛要請は変わらないが、不安はじんわり広がりつつある。加えて、新たに経済活動の足を引っ張りそうなのが、九州や岐阜県、長野県などの豪雨被害。しばらく荒れた天気が続きそうなことや、コロナ禍の影響で人の移動が制限されていることで、復旧には時間がかかりそう。

   一方、米国でも感染拡大に歯止めがかからず、警戒感は強い。今のところ、ロックダウン(都市封鎖)などの経済制限措置は発動されていないが、感染が広がり続ければ、何らかの措置がとられる可能性があるかもしれない。そうなれば、米国株の急落も......。目が離せない。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 新型コロナ「感染第2波が懸念される(国立感染症研究所提供)」
    新型コロナ「感染第2波が懸念される(国立感染症研究所提供)」
  • 新型コロナ「感染第2波が懸念される(国立感染症研究所提供)」

東京株式市場 2万2000円割れ、あるかも......

日経平均株価予想レンジ:2万2000円~2万2500円

   2020年7月10日(金)終値 2万2290円81銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質ななか、上値の重い展開か。

   前週の日経平均株価は、小幅ながら週間ベースで続落した。東京都の1日当たりの新型コロナウイルス感染者数が過去最多となったことや、米国での感染拡大に歯止めがかからないことに加え、為替が1ドル=106円台に円高が進行したことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、神経質ななか、上値の重い展開が予想される。2万2000円割れを試す動きが出てくる可能性もありそうだ。東京都を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることが懸念材料となっている。さらに、九州を中心とした豪雨被害による経済への悪影響を懸念する声もある。

   なお、7月14、15日に日銀の金融政策決定会合が開催されるが、金融政策は据え置きが予想されている。

東京外国為替市場 ドルの上値、引き続き重く

ドル・円予想レンジ:1ドル=106円00銭~108円00銭

   2020年7月10日(金)終値 1ドル=106円89銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続き上値の重い展開か。

   前週のドル円相場は、ドルが弱含みの展開となり、1ドル=106円台に下落した。米国内での新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感から、リスク回避のドル売りが強まった。

   今週のドル円相場は、引き続き上値の重い展開が予想される。米国内における新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からないことがドルの上値を抑えそうだ。ただ、今週は米国の経済指標が相次いで発表される予定で、これらが市場予想を上回るようであれば、ドルの買い材料となる可能性もあり、神経質な展開となりそうだ。

   経済指標は、国内では13日に5月の第三次産業活動指数、14日に日本銀行の金融政策決定会合、15日に日銀の黒田東彦総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」、6月の訪日外客数などが予定されている。

   海外では、13日に6月の米国財政収支、14日に6月の米国消費者物価、6月の中国貿易収支、15日に7月の米ニューヨーク連銀の製造業景気指数、6月の米国鉱工業生産、米地区連銀景況報告(ベージュブック)、16日に中国の4~6月期GDP(国内総生産)、6月の中国の工業生産と小売売上高、ECB(欧州中央銀行)定例理事会、6月の米国小売売上高、17日に6月の米国住宅着工件数などが予定されている。

   なお、18日にはG20財務相・中央銀行総裁会議がビデオ会議で開催(19日まで)される予定。

(鷲尾香一)