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【馬医金満のマネー通信】「新しい生活様式」にらみメニュー改定したサイゼリヤの効率経営

   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   今回は、サイゼリヤの「超徹底」効率経営を見てみました。

   サイゼリヤは2020年7月1日から、メニューを改定すると発表しました。接触機会を減らす、「新しい生活様式」を想定したもので、これまでは「ミラノ風ドリア」299円、「シーフードパエリア」599円など、末尾99円の価格が多かったのですが、これらはそれぞれ300円、600円(価格は、いずれも税込)となります。

  • サイゼリヤの価格設定が末尾「99円」から「00円」に!(写真はイメージ)
    サイゼリヤの価格設定が末尾「99円」から「00円」に!(写真はイメージ)
  • サイゼリヤの価格設定が末尾「99円」から「00円」に!(写真はイメージ)

四角いレタスで生産性アップ!

   サイゼリヤは、税込価格の末尾を「00円」、または「50円」に統一し、端数がない価格設定とすることで1円、5円、10円硬貨の使用を減らします。これにより、取り扱い硬貨の80%削減を目指すと発表しています。

   それに加えて、導入が遅れていたキャッシュレス決済も、8月から順次展開していくとしています。

   サイゼリヤの価格競争力が維持できている要因は、徹底した効率化、システム化にあるといわれています。その一つが、商品の原料となる野菜の生産過程のシステム化です。サイゼリヤは、福島県に100万坪の自社農場を所有しており、収穫した直後の野菜を4度の環境で保管し、休眠させた状態で輸送するコールドチェーンシステムを構築。鮮度が保たれたままでの加工、各店舗への配送を可能にしています。

   また、数千種類もの野菜を実際に栽培し、自社の提供する商品に合った品種の選定を徹底しています。高い生産性を求めて、四角いレタスを開発するなどの品種改良にまで着手しているといいます。

包丁使わず、少人数で調理

   店舗での調理にも、多くの工夫が凝らされています。サイゼリヤでは、工場で可能な限りの加工を済ませた食材が各店舗に入ってくるため、各店舗では包丁を使うことなく、少ない人数での調理が可能となっています。

   また、メニュー数を抑え、広告費をかけないなどの努力も大幅なコストダウンにつながっています。

   さらに、サイゼリヤには全チェーン店の業務状況を細かく把握し、生産性の向上を図るための専門部署が社内に設けられています。

   具体例として、店舗の清掃を掃除機からフロアモップに切り替えたところ、清掃時間が1時間から30分に短縮したという象徴的な取り組みがあります。

   衛生面や調理過程におけるさまざまな条件が数値化されて管理されているため、現場の従業員にも論理的な思考が求められています。

   では、また! (馬医金満)