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【株と為替 今週のねらい目】コロナ禍ばかりでない、強まる警戒感 懸念は米中対立の先鋭化(8月11日~14日)

   国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が東京都から全国各地に拡大するなか、「お盆」の帰省やレジャーの自粛が呼びかけられ、また東京都内などでは再び飲食店などの営業時間の短縮を余儀なくされており、景況感に対する警戒感が強まっている。猛暑による熱中症予防に伴う外出自粛もある。

   加えて、懸念されるのが米中対立。10日は東京外国為替市場が休場(山の日)で商いが薄かったものの、米中対立の先鋭化が警戒されて1ドル=105円後半から半ばまで下落する場面も。ドルが軟調だ。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米中対立、先鋭化が懸念される
    米中対立、先鋭化が懸念される
  • 米中対立、先鋭化が懸念される

東京株式市場 4~6月期の企業決算の発表が本格化

日経平均株価予想レンジ:2万1500円~2万2600円

   2020年8月7日(金)終値 2万2329円94銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、ボックス圏でもみ合いか。

   前週の日経平均株価は、反発した。6営業日連続の下げで、下げ幅が1100円を超えていたことから自律反発の動きがあり、一時は2万2500円を超える水準まで上昇したものの、戻り売りの圧力は強く、上値の重さを確認した。

   今週の日経平均株価は、ボックス圏でのもみ合いが予想される。日経平均株価は2万2000円割れの水準からは買いが入り、下値の堅さも見られたが、2万2500円に近づけば戻り売りの圧力が強まり、上値は重い。

   新型コロナウイルスが東京都にとどまらず、全国的に感染が拡大していることで、市場の警戒感も強まっている。4~6月期の企業決算発表が本格化することから、個別銘柄を物色する動きが強まりそうだ。

東京外国為替市場 米国経済の先行きに募る不安感

ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=104円50銭~107円00銭

   2020年8月7日(金)終値 1ドル=105円91銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続きドルの上値が重い展開になりそうだ。

   前週のドル円相場は、底堅い動きだった。米経済指標が市場予想を上回ったことから、ドル買い・円売りの動きが見られ、一時は1ドル=106円台にドルが上昇する局面も見られたが、米国経済の先行きに対する不透明感は強く、ドルの上値は重かった。

   今週のドル円相場は、引き続きドルの上値が重い展開が予想される。7月の米国雇用統計が市場予想を上回るなど、米国の経済指標には市場予想を上回るものもあるが、新型コロウイルスの感染拡大が続いており、トランプ政権と米民主党指導部との新型コロナウイルスの追加経済対策をめぐる話し合いが物別れに終わるなど、米国経済の先行きに対する不安感は強く、ドルの上値は抑えられそうだ。

   経済指標は、国内では11日に7月の景気ウォッチャー調査、2020年上半期(1~6月期)と6月の国際収支、12日に7月の工作機械受注などが予定されている。

   海外では、12日に米国の7月の消費者物価、14日に米国の7月の小売売上高と鉱工業生産、設備稼働率。中国の7月の小売売上高と工業生産などが予定されている。

(鷲尾香一)