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【株と為替 今週のねらい目】突き抜けない日経平均株価、「2万3000円」が利益確定ラインか(8月24日~28日)

   東京株式市場の日経平均株価が好調だ。2020年8月に入って、上げ幅は2週間で1500円を超えてきた。背景には、好調な米国株式市場がある。新型コロナウイルスに対するワクチン開発の進展が下支えしている。

   とはいえ、米国経済は不安定で金融市場の方向感はつかみにくい。米中対立は先鋭化しているし、新型コロナウイルスの流行が長期化しそうなこともあり、連邦準備制度理事会(FRB)が追加の金融緩和策を検討するとの見方が広がりつつある。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 日経平均株価は「2万3000円」を超えられるか!?
    日経平均株価は「2万3000円」を超えられるか!?
  • 日経平均株価は「2万3000円」を超えられるか!?

東京株式市場 注目されるパウエルFRB議長の講演

日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万3500円

   2020年8月21日(金)終値 2万2920円30銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、底堅い動きか。

   前週の日経平均株価は、3週間ぶりの下落となった。手掛かり材料難で東証1部市場の売買代金が連日2兆円を割り込むなど薄商いの中で、外国為替相場が一時1ドル=106円台半ばまで円高が進んだことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、引き続き薄商いのなか、2万3000円に近づくと利益確定売りが出てくることから、上値は重いながらも、底堅い動きとなりそうだ。

   米中間の対立は、貿易協定の第1段階の合意をめぐる高官レベルでの会合が延期されるなど、依然、不透明な状況だが、実務者レベル会合が近く開催されるとの見通しも出ており、進展が期待されている。大きな進展が見られるようであれば、日経平均株価の買い材料となりそうだ。

   また、27日からの米カンザスシティ地区連銀主催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演に大きな注目が集まっている。

東京外国為替市場 FRB、追加金融緩和を検討か?

ドル・円予想レンジ:1ドル=104円50銭~107円00銭

   2020年8月21日(金)終値 1ドル=105円78銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値固めの展開か。

   前週のドル円相場は、ドルが軟調な展開だった。ドルは一時1ドル=105円近くまでドル安円高の動きとなった。米国の雇用環境の改善が市場の期待ほど進んでいないことで、米国の経済回復への期待感が後退したことや、これに伴い米国の長期金利が低下したことで、リスク回避のドル売り・円買いが優勢となった。

   今週のドル円相場は、ドルの下値固めの展開となりそうだ。直近、ドルは米国の長期金利との連動を強めている。米国の雇用環境の改善が進まないことや米国の経済回復の遅れにより、市場ではFRBが追加金融緩和を検討するとの見方が強まっている。また米国の長期金利が低下傾向にあり、ドルの上値が重くなっている。

   このため、27日からの米カンザスシティ地区連銀主催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の金融政策に関する講演に大きな注目が集まっている。

   経済指標は、国内では26日に6月の景気動向指数確報値、27日に8月の月例経済報告、28日に東京都区部消費者物価指数などが予定されている。

   海外では、25日に7月の米国新築住宅販売、8月の米国CB消費者信頼感指数、27日に4~6月期の米国GDP(国内総生産)改定値、28日に7月の米国個人所得と個人支出などが予定されている。

   なお、27~28日に米カンザスシティ地区連銀主催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」がオンライン開催される予定で、注目したい。

(鷲尾香一)