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「コロナの夏」に考えた インターンシップは気にするな?「参加することに意義がある」程度のことだ(鈴木修二)

   コロナ禍によって生活様式が一変したように、2020年の大学3年生(22年春卒)の就職活動も、私(来春卒)の就活とはだいぶ様変わりしたようである。現在は22年春卒向けのサマーインターンシップがひと段落したようだが、対面による採用活動はほとんどなく、オンラインインターンシップが主流のようだ。

   今回は、私が後輩から見聞きした今年の就職活動におけるサマーインターンの実態について探ってた。

  • 就活市場は「勝者総取り」の様相になる
    就活市場は「勝者総取り」の様相になる
  • 就活市場は「勝者総取り」の様相になる

これは異常値だ! サマーインターンシップの倍率

   従来の就職活動におけるサマーインターンシップの位置づけは、時間的に余裕のある優秀層の学生のみが参加する局地的な現象に過ぎなかった。もっとも、私が就活していた来春卒の学生は、就活の早期化に伴いサマーインターンシップが急速に浸透した年である。

   しかしながら、それでも一般的にサマーインターンシップは危機意識の高い、限られた学生のみが参加を目指すものであっただろう。ところが、今夏は状況が打って変わって文字どおり、ありとあらゆる学生がサマーインターンシップに流入するようになった。

   原因として、まず何よりも明確なのが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う採用の減少による学生の不安増大である。しかし、これによって全体的な母数が増えたところで、従来の優秀層はインターンシップへの参加を脅かされることはない。

   ただ、彼らにとって障壁となるのは、同じ上位大学に属する体育会の学生や、留学先からの早期帰国を経た海外経験豊富な学生たちである。こういった「体育会」「海外留学」という属性を有する学生は、企業にとってもわざわざそれ専用の採用枠を用意しているほど。

   これらの学生が大会の中止や留学先閉鎖を受けて、その溢れるモチベーションをサマーインターンシップにこぞって向ける。

   大学の後輩に聞いたところ、とあるメガバンクのサマーインターンシップでは前年比で3倍も多くの応募が殺到したという。以上のように、優秀な学生層の早期流入過多によって就活市場は、ますます勝者総取りの様相を呈している。

焦りは禁物、夏~秋は前哨戦だ

   ただ、それがゆえにサマーインターンシップに落ちたとしても、不安がる必要はまったくない。むしろ、就活生一人ひとりにとってのサマーインターンシップの役割は(1)優遇獲得(2)エントリーシート(ES)&面接経験の蓄積―― に集約されると考えるが、(1)の優遇獲得はあくまでも付随的なものに過ぎず、(2)が今後のきたる本選考においては最重要である。

   加えて(1)の優遇を獲得したいわゆる優秀層は総取りした内々定のほとんどを本選考前には志望度の高い少数のみを残し辞退をしていくはずだ。

   なので、ほとんどの学生にとって現時点でやるべきは超大手企業だけでなく、ありとあらゆる企業のインターンシップ前哨戦選考経験を積むことだ。そして来年6月に最高の状態で志望企業選考に臨めるようにしたい。

   夏から秋はまだまだ前哨戦だ。目先の結果に一喜一憂せず、最後の果実をつかみとるべく行動していこう。(鈴木修二)