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会社の「妖精さん」になっちゃうかも? あなた次第の雇用延長の心得【ひろ子ママの教訓 その21】

   きょうは今年(2020年)、58歳を迎えるOさんです。さっそくお話を聞いてみたいと思います。

「私の会社には役職定年はありませんが、60歳の定年まであと約2年なんですよね。周りに起業した先輩もいますが、特にやりたいこともないですし、このまま雇用延長しようかなと思っています。自宅にいてもやることないですからね。
でも、すでに雇用延長している方の中には『妖精さん』ですかね? 『この人会社で何をしているのかな?』と思う人もいますね。雇用延長って、モチベーションが下がってしまうという話も聞きますが、どうなのかな? まだ決めかねています。」
  • 雇用延長。どうしようかな……(写真はイメージ)
    雇用延長。どうしようかな……(写真はイメージ)
  • 雇用延長。どうしようかな……(写真はイメージ)

「妖精さん予備軍」にならないためにやること

   会社の「妖精さん」とは、朝はきっちり出社するけれど、いつの間にか席からいなくなってしまうシニア社員のことを指した言葉です。Oさん、もしかしたら、雇用延長したらモチベーションが下がって、ご自分が「妖精さん」になってしまうと、心配されているんですか。なにか、心当たりがおありになると......。

「イヤ、そういうわけじゃ。。。ただ、わが社にも『妖精さん』がいて、あの人はどうして会社に来ているんだろうとか。自分で自分がイヤにならないのかな、とか。つい思っちゃったりします」

   でも、もしOさんが今、出社なり在宅勤務なりで、仕事の手持ち無沙汰を感じていたら妖精さん予備軍かもしれませんよ。仕事のモチベーションが下がってしまう理由の一つに、目の前に仕事がない状態「やりがいを感じないこと」が挙げられます。

   これから定年の年齢が引き上げられる中で、やりがいを感じる仕事を会社が与えるべきだ、これも重要なことだと思います。ただ、会社の制度が整うのを待っている間に、Oさんの年齢は定年に近づいて行きます。そこで、やりがいを感じるために自分ができることに目を向けてみましょう。

   目の前に仕事がないこと、これは同僚から煙たがれていることも原因の一つです。

   シニア社員が煙たがれる理由として

・態度が高圧的
・昔話が多い
・人の話を聞かない、自分の話ばっかり

   高圧的な態度をされると、仕事をお願いしにくくなってしまいます。かつての部下が上司になって際、自分が上司であるような態度をとってしまうと扱いにくい人としてレッテルを貼られます。そして、ますます声をかけられなくなっていくのです。

   在宅勤務だと周りの動きが見えにくくなるため、会議などからも外されやすくなるかもしれません。

頼られる、お願いされる存在になる

   そこで、まずは頼られる、お願いされる人を目指してみましょう。

   第一線で活躍していた、その栄光、捨てられないプライドがあるとしても、役割が変わったと思ってみましょう。かつての部下をサポートする役割に変わっていくのだと、気持ちを切り替えましょう。

   困っていたら、サポートする。今から続けていくことで頼れる、声をかけやすい人、相談するならOさんだ。そんなポジションを獲得していきましょう。まずは自分から与えることを意識して動くことですね。

ガッツポーズ

   では、定年退職や雇用延長のときに考えることには、どんなことがあるのでしょう。ポイントは、二つです。

◆ 定年後の生活費の計算はしておくべき
   雇用延長で困ることの一つに、報酬があります。これは、今は受け入れるしかありません。ただ、雇用延長を選択する際には、60歳以降の生活費について前もって計算しておきましょう。直前になって困らないように、退職金、生活費、支出と収入を計算します。お金の不安は心とカラダに影響を及ぼしかねません。これは、転職を検討している場合も同じこと。
   58歳で早期退職制度を利用して転職をされた方を知っていますが、事前にお金計算をしておいたことで、転職期間に対しても心の余裕ができたため、転職を成功されました。やはり、事前の準備は大切ですね。

◆ 退職・雇用延長・起業・転職、どれを選んでも正解です
   先日、雇用延長している方とお話ししましたが、報酬は下がりながらも充実された毎日を送っていらっしゃる様子で、すごく清々しい印象でした。現役時代から一歩下がり、サポートする側にまわられたことで築かれた信頼関係がうかがえました。
   最後は、自身で決めること。他に選択肢がなくて雇用延長を選んだというのではなく、自分が選んだ道、生き方という気持ちで自分の人生を楽しみましょう。退職、雇用延長、起業、転職のどれを選んでも正しかったと思えるように、選択を正解にするのはOさん自身です。(ひろ子ママ)