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いくら自宅でやるからといって「オンライン内定式」に母親が出るのってアリ? 4人に1人が「参加したい」

   10月は来年(2021年)春に就職する学生にとって「内定式」が行われるシーズンだ。ところが、今はコロナ禍の真っ最中。「オンライン」で内定式を行う会社が増えている。

   「オンライン内定式」となれば、学生は自宅から参加することになる。隣の部屋では、親がワクワクしながら、わが子の門出に想いをはせている場合もあるに違いない。

「ちょっと子どもの横に並んで、内定式に参加させてもらえないだろうか...」

と願う親もいるだろう。というわけで、主婦に特化した人材 サービス、ビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」が、働く女性に「オンライン内定式に親も参加できるとしたら、あなたはどう思う?」と聞いたところ、4人に1人が「参加したい」と思っていることがわかった。

  • オンライン内定式で新しい仲間とつながる(写真はイメージ)
    オンライン内定式で新しい仲間とつながる(写真はイメージ)
  • オンライン内定式で新しい仲間とつながる(写真はイメージ)

「オンライン内定式」をやる会社は全体の3割

   オンライン内定式は現在、どのくらいの会社が行っているのだろうか――。若年層向け就職支援事業を展開する「ジェイック」が2020年9月4日に発表した「2021年卒内定式の実施予定に関する緊急調査」(145社が回答)によると、「オンラインの開催が決定」が27%、「対面とオンラインの混合が決定」が6%、「対面が決定」が15%、「開催しないことを決定」が3%、「(開催するかどうかも含めて)未確定」が半数近い49%となった。

   「開催する」ことを決めている会社の中では、オンライン内定式が一番多いわけだ。ちなみに、オンライン内定式を盛り上げる企画では、次のような内容が多かったという。

「少人数にグループ分けしてオンライン懇親会を予定」
「Movieを活用したコンテンツを用意して、映像表現を通じて感動をうむ瞬間を作っていけるように企画中」
「懇親会では同じものを食べてもらえるようにデリバリーを手配する」
「事前に内定証書と会社代表からの直筆のメッセージを郵送し、当日は限りなく対面と同じ水準で行う」

などだ。

内定式に親が出るのが異常だが、リアルで参加するよりはいいかも

(図表)子どものオンライン内定式に参加したいか(しゅふJOB総研作成)
(図表)子どものオンライン内定式に参加したいか(しゅふJOB総研作成)

   さて、「しゅふJOB総研」の調査では、「オンライン内定式に親も参加できるとしたら参加したい」と回答した人が24.0%。「参加したいと思わない」が48.3%、 「わからない」が27.7%だった。さすがに「親の参加はないでしょう」という人が半数近くだったわけだが、「参加したい」という人も全体の4分の1いたわけだ。

   「参加したい」という人には、こんな意見があった。

「オンライン内定式は、今まで見聞がなく、どのようなものか知りたい。また子どもの就職先の雰囲気、指針、役員の話なども把握したい」(40代)
「今まで足を運ばなかった人や場所にオンラインで繋がれるのは望ましいことだと思います。こどもがどんな人たちと一緒に働くのか知りたい」(40代)

   一方、「参加しようとは思わない」という人には、こんな意見が多かった。

「いくらオンラインだからって、内定式に親が参加するって発想はおかしいですよ」(40代)
「現状況ではオンライン内定式には賛成だが、親は関係ない」(50代)

   そして、最後にこんな「折衷案」の意見を紹介したい。

「そもそも内定式に親が出るのが異常だと思っているので、参加しないを選択したが、参加したい親がオンラインで参加するのはむしろリアルで参加されるよりはよいと思います」(40代)

   今回の結果について、調査を行った「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長はこう分析している。

   「半数近くの人がオンライン内定式の参加を『思わない』と答えたものの、約4分1の人が『思う』と回答しました。学生から社会人へと切り替わるタイミングを親離れの時期と見る人が多い一方で、内定式を通して子どもの就職先のことを知りたいと思う人もいるようです。オンラインの便利さが生み出す新たな選択肢は、これまでの価値観や慣習に変化のきっかけを提供し、企業と社員、親と子など様々な関係性に影響を与えていくことになるようです」

   なお調査は、2020年9月16日~23日まで、ビースタイル スマートキャリアおよび求人サイトしゅふJOBパートに登録している働く主婦層766人に聞いた。

(福田和郎)