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買って、休んだナブテスコの「売り」のタイミングを探る【格言で買う!株式投資】(石井治彦)

   相場格言に、「売るべし、買うべし、休むべし」がある。日本証券業協会「相場格言集」によると、意味するところは、「株式投資に売りと買いのどちらしかないと思うのは誤りで、休むことも大切な要素である。」と書かれている。

   新型コロナウイルスの感染拡大で、株式相場が乱高下を繰り返すなか、「売り」のタイミングがなかなかつかめないでいる。ナブテスコがそれだ。

ナンピン買いに成功!

   ナブテスコは、航空機のアクチュエーターのほか、鉄道車両用機器では新幹線や在来線などのブレーキ装置。さらには産業用ロボットの関節などに使用される精密減速機や「NABCO」マークでおなじみの建物用自動ドアで高いブランド力をもつ制御機器メーカーだ。

   同社には、今日の経済発展に重要な役割である「自動化」に必要な産業用ロボット向け精密減速機の世界シェアで約6割、鉄道車両用ブレーキでは国内シェア約5割、そのほかにも自動ドアなど、高いシェアとダントツの技術を保有している魅力がある。

   2018年1月ごろに、ナブテスコ株の購入を検討。この時はまだアベノミクスも勢いがあったのか、検討する先から株価が上昇し、気がつけば高値になっていて、悔しい思いをした。

   ところが、18年2月に米国の金利上昇に伴い、株式の割高感が意識されて米国株が急落(2.5%安)。これをきっかけとした世界同時株安を受けて、東京株式市場も日経平均株価が2月5日に592円安(終値で2万2682円08銭)の大幅安となった。

   ナブテスコ株も、前営業日の5130円から630円安の4500円となり買いを入れ、翌6日に商いが成立した。その後、ナンピン買い(保有する銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増して平均購入単価を下げること)を入れて、6月18日に3295円で100株、8月15日に2792円で100株、10月24日に2510円で100株を取得。2018年中に400株を取得し、平均取得単価を3302円71銭まで下げた。

参考リンク:「揺れる翼にハッとした「ナブテスコ」 ううぅ...... 歯ぎしりする悔しさ!
(J-CASTニュース 会社ウオッチ 2017年9月14日付)

【追跡】チャンス到来!『逃がした大魚』ナブテスコ株に再アタック
(J-CASTニュース 会社ウオッチ 2018年3月4日付)

   格言どおり、「買って」「休んだ」。すると、2020年9月に入ってナブテスコ株は年初来高値を更新し、その流れは10月になっても継続している。10月8日現在で株価は4070円となり、含み益は30万6916円となっている。

   振り返れば、このナンピン買いが「大正解」だったようだ。

「4200~4300円」以上で売りたい

   中国は新型コロナウイルス感染症による、その後の景気対策によって再び景気拡大の様相を呈している。しかし、欧米ではなお感染の第2波、第3派の懸念から、景気回復は見通せない状況にある。証券会社のアナリストレポートは、ナブテスコについて、「本格的な需要回復は来期以降と予想している」と、分析している。 とはいえ、2018年10月に最後の100株を取得してから2年。ナブテスコ株は、今年3月の安値で底打ちしているのではないか。そう考えれば、時間はかかると思うが、じっくり、これからの上昇を待ってみたい。

   「買うべし」「休むべし」の次は「売るべし」だが、4200円~4300円以上での売りを考えている。さて、その時期が到来するとなると、じっくり休んだかいがあったかも。(石井治彦)

2020年10月8日現在 保有株式400株 平均取得単価3302円71銭
【ナブテスコ (6268)】
年初来高値 2020/10/8 4110円
年初来安値 2020/3/17 2007円
直近 終値 2020/10/8 4070円