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【株と為替 今週のねらい目】コロナ禍、感染第3波で株価上値重く(11月16日~20日)

   東京株式市場の日経平均株価は、2020年11月2日から12日にかけての8連騰で、2万543円75銭まで上昇した。米大統領選でバイデン候補が勝利宣言したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発で朗報がもたらされたことで米国株が好感。日経平均株価もこれの流れを受けた。

   しかし、コロナ禍の感染再拡大が欧米だけでなく日本国内でも顕著となってきており、経済に与える影響を警戒する動きが強まっている。そのため、リスク選好的なドル買いが広がる可能性は低いとみられる。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米ニューヨーク株式市場の急騰が世界に波及か!
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東京株式市場 企業業績の上方修正が相場下支え

日経平均株価予想レンジ:2万4500円~2万5700円

2020年11月13日(金)終値 2万5385円87銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。

   前週の日経平均株価は、12日まで8連騰となり、29年ぶりに2万5000円台を回復した。米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利宣言を行ったこと、新型コロナウイルスのワクチン開発の臨床試験で好結果が出たことで、米国株式市場が上昇したことを受け、日経平均株価も上昇した。

   今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。2万5000円台の値固めをできるかが焦点となりそうだ。米大統領選という大きなイベントを通過し、新型コロナウイルスのワクチン開発の臨床試験で好結果という好材料を消化したことで、株式相場は手掛かり材料難になっている。

   日経平均株価は2週連続で大幅高となったことで、利益確定売りが出やすくなっており、上値は重そうだ。加えて、新型コロナウイルス感染拡大の第3波への懸念も大きい。ただ、企業決算は予想以上に好調で、大手企業の業績予想の上方修正が相次いだことが相場の下支え要因になっている。

東京外国為替市場 ドル買い材料に乏しく......

ドル・円予想レンジ:1ドル=103円00銭~106円00銭

   2020年11月13日(金)終値 1ドル=104円62銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。

   前週のドル円相場は、ドルが強含みの展開だった。米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利宣言を行ったこと、新型コロナウイルスのワクチン開発の臨床試験で好結果が出たことでリスク選好のドル買いが進み、1ドル=103円台から一時は1ドル=105年台にドルが上昇した。しかし、その後は失速。結局、1ドル=104円台に軟化した。

   今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米大統領選、新型コロナウイルスのワクチン開発というドル買い材料を消化したことで、買い材料が乏しい。一方で、新型コロナウイルス感染拡大の第3波への懸念が台頭しており、リスク回避のドル売りが出やすい状況となっている。

   ただ、ECB(欧州中央銀行)が追加緩和に踏み切る公算が強まっており、ドル買い・ユーロ売りの動きが出やすく、これがドルの下支えとなる可能性もある。

   経済指標は、国内では16日に7~9月期GDP(国内総生産)速報値、18日に10月の貿易統計、20日に10月の全国消費者物価指数などが予定されている。

   海外では、16日に中国の10月の工業生産と小売売上高、米国の11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に米国の10月の小売売上高と鉱工業生産、米国の10月の設備稼働率、18日に米国の10月住宅着工件数、19日に米国の10月中古住宅販売件数などが予定されている。

   なお、20日にはAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議、21日はG20サミット(20か国・地域首脳会議)がオンラインで開催される予定。

(鷲尾香一)