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やっぱり劇薬?「GoToイート」 打ち切りで飲食業が悲鳴!【馬医金満のマネー通信】

   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   コロナ禍で、飲食店の経営が厳しい状況に陥っています。東京商工リサーチは2020年11月11日に、2020年1~10月の「飲食業の倒産動向調査」の結果を発表しました。それによると、飲食業の倒産(負債1000万円以上)が、今年1~10月累計で730件(前年同期比9.2%増)に達しました。このペースで推移すると、これまで通年(1~12月)で最多だった2011年の800件を上回り、年間で最多件数を更新する見込みだそうです。

  • 「Go To イート キャンペーン」終了で大ピンチ!?
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ラーメン店 開業しやすく、競争激しく......

   今年1~10月の期間中、飲食業が特につらかったのが「Go To イート キャンペーン」の支援がなかった6月でした。資金繰りが厳しくなり、6月の倒産件数は98件、7月は93件と、月間100件に迫る勢いで増加しているというデータもあります。

   また業種別でみると、最多が日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼き肉店などの「専門料理店」で177件。前年同期と比べて6.6%増えました。次いで、「食堂、レストラン」の169件(同11.9%減)、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」の150件(同31.5%増)となっています。

   なかでも、ラーメン店などは開業しやすい一方で、店舗数も飽和状態といっていいくらい、競争が激しくなっているため、景気が悪くなったときの倒産数もかなり膨らむことが予想できます。

「GoToイート」に急ブレーキ

   一方、気になるのが「GoToイートキャンペーン」です。農林水産省は11月13日、Go To イート」のうち、予約サイトを通じたポイント付与が11日時点で5000万人以上の予約があり、ポイント付与額に換算すると400億円以上になると発表。近いうちに予算上限の616億円に達するため、早ければ今週末にもポイント付きの新たな予約ができなくなる可能性があるといいます。ただし、予約サイトによって終了時期は異なりますが......。

   さらに「感染第3波」の影響で、政府は16日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、菅義偉首相が「Go To イート」に人数制限を設ける考えを示しました。

   いずれにしても、「GoToイート」の事業に急ブレーキがかかっているということです。このキャンペーンで、特に中小の飲食店にお金が回っていたと思うので、なくなったら倒産件数はますます増えていくのかなと心配しています。

   ネットにも、

「実際の倒産はこんな数字では済まない。あくまで氷山の一角だ」
「ラーメンは麺がのびるため、テイクアウトには圧倒的に向いていない。ご飯ものや弁当を始めて工夫している店もあったが、体力のない個人店にはつらい状況だ」
「レストランを経営しています。当面は......。でも、先行き厳しいのは覚悟しています」

   こんな声が漏れています。

   店内で食事すると、「密」になるのは避けられません。手を洗浄して、熱を測って、換気をよくして......。飲食店も対策を打っていないわけではありませんが、なんとももどかしい状況です。

   ではまた!(馬医金満)