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ワクチン接種開始もコロナ感染第3波で株価は後退り(12月14日~18日)【株と為替 今週のねらい目】

   新型コロナウイルスのワクチン接種が2020年12月8日、英国ではじまった。近く米国でも開始される見通し。その一方で、感染拡大に伴う規制強化や追加経済対策をめぐる協議の先行き不透明感から、米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は反落。その流れを受けて、東京株式市場の日経平均株価も下落に転じた。

   そうしたなか、12月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行の金融緩和政策の長期化が議論される見通し。国内でも、17~18日に日本銀行の金融政策決定会合が開かれる。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 日米の金融政策決定会合に注目!(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
    日米の金融政策決定会合に注目!(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
  • 日米の金融政策決定会合に注目!(写真は、米ニューヨーク証券取引所)

東京株式市場 レンジ内で神経質な展開に

日経平均株価予想レンジ:2万6300円~2万7100円

2020年12月11日(金)終値 2万6652円52銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、レンジ内で神経質な展開か。

   前週の日経平均株価は、小幅ながら6週間ぶりに反落した。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念材料となったことに加え、日経平均株価は2万7000円近づくと利益確定売りが強まり、上値の重い展開だった。ただ、下げ局面では押し目買いも強く、下値も底堅い動きとなった。

   今週の日経平均株価は、レンジ内で神経質な展開となりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、GoToトラベルキャンペーンの見直しも検討されるなど影響が拡大、利益確定売りの増加と相まって、上値は重そうだ。

   一方では、欧米での新型コロナウイルスのワクチン接種の開始が相場の下支え要因となっている。15~16日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が、14日には日本銀行の全国企業短期経済観測調査(短観、12月発表)、17~18日には日銀の金融政策決定会合があり、大きなイベントが相次ぐため、これらの結果を受けた神経質な展開となりそうだ。特に、FOMCでの米金融政策の変更に注目が集まる。

東京外国為替市場 米追加金融緩和なら、ドル一段安も

ドル・円予想レンジ:1ドル=103円00銭~104円50銭

2020年12月11日(金)終値 104円01銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続き上値の重い展開か。

   前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となった。米国での新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞に対する懸念が、ワクチン接種の開始に対する期待感を上回った格好。加えて、米国の追加経済対策実施の遅れも懸念されている。米長期金利の低下を受け、ドルは一時1ドル=103円台後半までドル安・円高となったが、その後は1ドル=104円付近に値を戻した。

   今週のドル円相場は、引き続きドルの上値が重い展開となりそうだ。新型コロナウイルスのワクチン接種開始への期待感はあるものの、それ以上に感染拡大の影響が懸念されている。加えて、米国の追加経済対策の年内実施の可能性が低下していることも、ドルの上値を重くしている。15~16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加金融緩和があれば、ドル売りが優勢となり一段のドル安の可能性には注意が必要だ。

   経済指標は、国内では14日に12月の日銀短観、16日に11月の貿易統計、17日に日銀金融政策決定会合(18日まで)、18日に日銀の黒田東彦総裁会見、11月の全国消費者物価指数などが予定されている。

   海外では、15日にFOMC(16日まで)、米国の11月の鉱工業生産と設備稼働率、中国の11月の鉱工業生産と小売売上高、16日にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長会見、米国の11月小売売上高、17日に米国の11月住宅着工件数、18日に米国7~9月期経常収支などが予定されている。

(鷲尾香一)