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トンネルの先に光が見え始めた米国株市場 2021年も主役はGAFAM

   米テスラやZoom(ズーム)などの株式の上昇によって、日本人の個人投資家にも人気が急騰している米国株。そんな米国株の先行きを、マネックス証券チーフ外国株コンサルタントの岡元平八郎氏は、強気の予想を展開する。

   なかでも、ベンチャー企業向けのNASDAQ(ナスダック)市場の急伸は目を見張るものがある。

  • 2021年、米国株はまだ上がる!?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
    2021年、米国株はまだ上がる!?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
  • 2021年、米国株はまだ上がる!?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)

GAFAMの買い増し機会をさぐる

   新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた米国の株式市場だが、その一方でリモートワークに伴う電子化の波が押し寄せており、情報技術関連企業が多いナスダック市場は大きく上昇した。

   時価総額100兆円を超えるアマゾンは安値から2倍程度に上昇。テレワークのド本命といわれ、世界中のビジネスシーンで利用されたコミュニティソフトを提供するズームは年初から一時8倍を超える上昇となった。

   米国の主な株式指数の騰落率は下表のとおり。ナスダックの騰落率は、じつに42.3%も上昇した。

コロナ禍にもかかわらず、2020年の米国株は上昇した。
コロナ禍にもかかわらず、2020年の米国株は上昇した。

【2021年の米国株の見通し】
日本とは比較にならないほどのコロナ禍の影響が大きい米国だが、ワクチンが広く普及するとの見方を織り込み、大きな成長を見込んでいる。企業の業績は、前年比22%の増益を予想。ここから算出されるS&P500の目標価格は4100ポイントだそうだ。

   なかでも、景気回復の恩恵を受けるバリュー株がグロース株(成長株)をアウトパフォーム。大型銘柄よりも小型銘柄に妙味があるとしている。

   GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)については、長期的な成長を予想。調整局面があれば、長期的な視点で買い増しを行う機会になるとみられる。

   過去1年でS&P500とGAFAMの推移を比較した場合、常にGAFAMの5銘柄が好成績。株式指数を買うのであれば、そちらの5銘柄の購入を検討しても良さそうだ。

◆ S&P500とGAFAMの推移

GAFAMの株価は右肩上がり
GAFAMの株価は右肩上がり
※2019年の参考パフォーマンス
S&P500 =29%
GAFAM =50%

破壊的イノベーション企業が米国株をリードする

   賑わいを見せているIPO銘柄は2021年に、さらに活況になるという。というのも、今すぐに上場するよりも、2021年にしたほうが良い価格が付くとして上場を延期した企業が多いのだとか。マネックス証券の岡元氏は加えて、完全黒字化となりS&P500に組み入れられたテスラに言及。これから普及が進むであろう電気自動車(EV)ばかりでなく、自動運転にも強みを持つ同社が、グーグルを凌ぎ、世界で圧倒的な自動運転の走行データを持ち、近くそのデータをサブスクリプションとして提供することが考えられるというのだ。

   そうなれば、安定した収益モデルが確立され、株価は今よりも安定する可能性がありそうだ。

   米国のアナリストは、テスラを自動車会社として評価していることから、誰も適切な価格を予想できていないようですが、そういった「テスラ=自動車会社」の状況が変わってくるのが2021年になりそう。

   岡本氏によれば、テスラのように、米国には破壊的なイノベーションを持った企業が、今後、長期的に米国株市場をリードしていくとのことで、ズームやテスラのように1年で何倍にもなる銘柄が、続々と出てきそうだ。(児山将)