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米株式市場の波乱要因に「ロビンフッダー」 株価下落ならドル買い進行(2月1日~5日)【株と為替 今週のねらい目】

   今週(2021年2月1日週)は、米国の1月の雇用統計などの経済指標の発表が目白押し。経済指標が低調だった場合、米国の景気回復に不透明感が広がる可能性がある。米国株は調整売りが強まることで、安全逃避的なドル買いが再び進むかもしれない。

   米国株は、短期の投機筋「ロビンフッダー」の存在が相場の波乱要因とされる。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米国株は調整局面か?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
    米国株は調整局面か?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
  • 米国株は調整局面か?(写真は、米ニューヨーク証券取引所)

東京株式市場 決算発表の本格化で個別株物色の流れ強まる

日経平均株価予想レンジ:2万7000円~2万8400円

   2021年1月29日(金)終値 2万7663円39銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。

   前週の日経平均株価は、5週ぶり下落となった。IMF(国際通貨基金)が2021年の日本の成長見通しを引き上げたことで上昇する局面も見られたが、米国株の大幅下落を受けて、日経平均株価も下値を模索する動きとなった。

   米国株の下げでは、「ロビンフッダー」と呼ばれる短期の投機筋が相場の波乱要因になっているとの指摘が出ている。

   今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。過熱ぎみだった株式相場の上昇が冷やされ、相場上昇に対する警戒感が出始めている。新型コロナウイルス対策で世界の政府による財政出動と、中央銀行による緊急の金融緩和が過剰流動性相場を演出してきたが、ここにきて中国が金融引き締めに転換するのではないかなど、警戒感が出てきている。

   加えて、米国株式市場の波乱も相場のかく乱要因になっている。国内では決算発表のシーズンに突入しており、個別株物色の流れが強まりそうだ。

東京外国為替市場 株式市場の一段下げで再びドル買い!

ドル・円予想レンジ:1ドル=103円50銭~165円00銭

   2021年1月29日(金)終値 104円68銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが堅調に推移すると見られる。

   前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国株や日本株の下落を受けて、リスク回避のドル買い・円売りが優勢となった。1月26、27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、金融政策の変更はなく、金融緩和政策の長期化が示されたが反応は薄く、株式市場の下落が材料視された。

   今週のドル円相場は、引き続きドルが堅調に推移すると見られる。相場のカギは株式市場の動向になりそうだ。株式市場が一段の下げとなれば、再びドル買いの勢いが強まる可能性がある。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響も、引き続き注目される。週末には1月の米雇用統計の発表があり、米国の経済統計が市場予想を下回るようだと、外為相場の材料になる可能性があり、注意が必要だ。

   経済指標は、国内では、2月1日に1月の新車販売台数、5日に12月の家計調査と景気動向指数などが予定されている。

   海外では、1日に中国の1月の財新製造業PMI、米国の1月ISM製造業景気指数、3日に米国の1月のADP雇用統計とISM非製造業指数、5日に米国の1月の雇用統計と12月の貿易収支などが予定されている。

(鷲尾香一)