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テレワーク、出勤者7割減「達成」の企業は3割 「会社で仕事をしたほうが楽しい」との声も

   政府が緊急事態宣言の発出に伴い掲げた「出勤者数の7割削減」の目標を達成している企業は、3割ほどにとどまっていることがわかった。

   企業向けにペーパーレス化のクラウドソリューションを提供しているペーパーロジック株式会社(東京都品川区)が、「テレワークにまつわる実施調査」を2021年2月17日に発表した。

   調査では、「会社で仕事をしたほうが楽しい」など、ニューノーマルに馴染めないことを示す声も寄せられた。

  • テレワークの実施で出勤者が7割減った企業は3割にとどまった
    テレワークの実施で出勤者が7割減った企業は3割にとどまった
  • テレワークの実施で出勤者が7割減った企業は3割にとどまった

18.7%が「出社人数はほとんど減少していない」

   調査によると、「緊急事態宣言発令中の現在、あなたの会社での出社人数は宣言前と比べて、どの程度減少しているか」という質問に、「9~10割程度」との回答が15.9%、「7~8割程度」が15%と、政府目標の「7割削減」を実現した企業は合わせて30.9%だった。

   回答のうち、最も高かったのは「出社人数はほとんど減少していない」で18.7%。次いで「1~2割程度」の16.8%だった。

   削減割合についての質問で、「ほとんど減少していない」と1~6割程度と答えた人たち(合計59.8%)に、勤務先の出社状況が政府目標に及ばないことについて、どのように感じているかを自由回答で求めたところ、

「どうしても出社しないといけない仕事は仕方ない」
「出勤しないと仕事にならない」
「テレワークが出来ない事が多い」

など、仕事の性質上から出社人数の削減に限界がある旨の内容が目立った。

   同じように、「ほとんど減少していない」と、1割から6割程度でしか「減少していない」と答えた人たちに、政府の目標達成が可能かを聞くと、「はい」が54.7%、「いいえ」が32.8%、「わからない/答えられない」が12.5%という結果に。「いいえ」と答えた人たちに、その理由を聞くと「テレワーク業務と連携したワークフローが構築されていない」が42.9%でトップだった。

テレワーク8割が今後も推進望む

テレワーク「進んでほしくない」人は少なくない
テレワーク「進んでほしくない」人は少なくない

   また、回答者全員に「勤務先でテレワークが今後さらに進んで欲しいと思うか」と聞いたところ、「強く思う」(34.5%)、「思う」(45.8%)を合わせた80.3%が推進を望んでいることわかった=左グラフ参照

   その理由(自由回答)を聞いたところ、

「満員電車に乗りたくない」
「通勤時間がないことにメリットを感じる」

など通勤しなくて済むことを挙げる内容が多かった。

   また「勤務先でテレワークが今後さらに進んで欲しいと思うか」という問いに、「あまり思わない」(17.8%)と「まったく思わない」(1.9%)と回答した人が述べた理由(自由回答)では、

「業績低下の懸念がある」
「オフィスに行かないとできない業務が多い」
「コミュニケーションがとりにくい」

など、業務遂行するうえでの障害を懸念する声が多く、なかには「会社で仕事をしたほうが楽しい」という意見もあった。

   なお調査は、2021年1月20、21日の両日、テレワークを実施している会社員を対象にインターネットで実施。107人から有効回答を得た。

   2回目の緊急事態宣言下(対象となる11都府県)のテレワーク実施状況をめぐっては、日本経済団体連合会が2021年1月半ばに調査を実施。テレワークが困難な製造現場などの従業員を除く、出勤者数の削減割合は65%で、7割以上削減した企業の割合は37%だった。505社が回答した。