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株価の上値重く 原因の米長期金利の上昇は一服したが......(3月8日~12日)【株と為替 今週のねらい目】

   東京株式市場の日経平均株価は3万円を割ると、それを境に足踏み。株価下落の原因となった米国の長期金利の上昇に伴うドル買い・円売りは一服している。

   FRB(米連邦準備制度理事会)は景気回復について慎重な見方を変えていないものの、長期金利の上昇を容認する姿勢を維持している。引き続き、米長期金利の動向には注意が必要だ。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 株価3万円を前に再び足踏み
    株価3万円を前に再び足踏み
  • 株価3万円を前に再び足踏み

東京株式市場 再度の3万円超えに「壁」

日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9300円

2021年3月5日(金)終値 2万8864円32銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。

   前週の日経平均株価は、米国の長期金利の動向に左右される展開だった。日経平均株価は一時2万8000円台半ばまで急落した。その後は戻り歩調となったが、3万円を目前にすると上値が重くなり、3万円台を回復することはなかった。

   外国為替市場でドル円相場が、1ドル=108円台のドル高・円安に振れたことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。4日のインタビューで、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長が「現在の金融政策スタンスは適切」と述べたものの、長期金利の上昇をけん制する発言がなかったことで、市場の失望感を誘った。

   16~17日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。それまでは要人発言が出ないため、様子見気分が強まる可能性が強い。ただ、ドル円相場が1ドル=108円台とドル高・円安傾向にあり、その動向次第では下値を模索する動きになる可能性もある。

東京外国為替市場 ドル買いはひと休み

ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~109円50銭

2021年3月5日(金)終値 108円34銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが堅調な動きになりそうだ。

   前週のドル円相場は、米国の長期金利の上昇を材料にドル買い・円売りが優勢となり、ドルは1ドル=108円台半ばまで上昇した。

   今週のドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。ドル高の原動力となった米国の長期金利の上昇は一服しているものの、FRBのパウエル議長が米国の長期金利の上昇に対して、強いけん制を行わなかったことや、米国の経済指標で緩やかな景気回復を示すものが出ていることで、リスク選好のドル買い・円売りが入りやすい状況になっている。このため、米国の経済指標の結果には注意が必要だろう。

   経済指標は、国内では8日に1月の国際収支と景気動向指数、9日に1月の家計調査、10~12月期GDP(国民総生産)改定値、12日に1~3月期法人企業景気予測調査、メジャーSQなどが予定されている。

   海外では、10日に中国の2月の生産者物価指数と消費者物価指数、米国の2月の消費者物価指数と財政収支、12日に米国の卸売物価指数などが予定されている。

(鷲尾香一)