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リモートの普及は私たちの営業スタイルを大きく変化させる【尾藤克之のオススメ】

   リモートの拡大により、私たちの営業スタイルは大きく変わろうとしています。

   従来の「お客様に訪問する」というスタイルから、場所を問わずに営業ができるリモート営業に変わろうとしているからです。今後の働き方の主流になるとも言われています。

「リモート営業の極意 外資系トップセールスが教える『会わなくてもバンバン売る』技術」(財津優著)WAVE出版
  • リモート営業の時代がやってきた!
    リモート営業の時代がやってきた!
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リモートでも対面と同等以上の効果がある

   ウィズコロナ時代に突入し、営業マンのスタイルはリモート営業にシフトしつつあります。新型コロナウイルスの感染拡大が起因となった緊急事態宣言の発出の際には、外出にかなりの制限がかかりました。このようななか、リモートが拡大することは自明の理だったとも言えます。

   著者の財津優さんは、

「客先への営業活動ができなくて困った営業マンは多いと思います。そこで脚光を浴びたのが『リモート営業』というわけですが、営業マンにすんなりと受け人れられたとは言い切れないでしょう。どのようなことであっても、新しいことをスタートするにあたっては、常に一定数の反対層が存在します。特に長い間、営業職で活躍されていたベテランの方たちは、これまでのやり方を変えることに抵抗感を覚えているようです」

と指摘します。

「ここで『リモート営業』反対派の代表的な意見を挙げてみましょう。(1)顔を突き合わせないと営業とはいえない(2)お客さまに失礼だ(3)Web会議システムの操作を覚えるのが面倒だ(4)テレフォンアポインターと同じじゃないか。このような感じで、新しいことを受け入れられない人は世の中には非常に多く、テレアポと同じだと思っている方も多いのです」

   テレアポとリモート営業の違いについて、財津さんは次のように解説します。

「テレアボとは、電話でアポイントメントを取ることが使命です。アポイントメントが取れたら、その先の業務は営業マンに引き継ぎます。リモート営業では、アポイントメントの獲得からクロージングまで、すべてのプロセスをリモートで完結させます。企業によっては、マーケティングとフィールドセールスのあいだにリモート営業が入るケースも見受けられます」

営業効率が上がるリモート営業

   さらに、財津さんは

「大型案件はフィールドセールスが担当し、小型案件はリモート営業が補うという形に分けている企業もあります。しかし、こうしたリモート営業のやり方が主流だったのは、コロナ禍以前のことです。今ではすべてのプロセスをリモート営業に切り替えた企業が多くなってきました。あなたはまず、すべての営業プロセスをリモートで行なうことを目指しましょう」

と、背中を押します。

   Hub Spot Japan株式会社が実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2021」の結果を見てみましょう。

   この結果からは、テレワークが急拡大している状況と課題も散見されます。サマリーからは、営業担当者に「働く時間のうちムダだと感じる時間の割合」を質問したところ、回答者全体の加重平均で「働く時間のうち20.2%」という結果になりました。

   営業担当者が実際に行う営業に関する業務の中で「ムダ」と思うものを選択式(複数回答)で聞いたところ、1位が「社内会議(50.3%)」、2位が「社内報告業務(39.3%)」と社内の情報共有に関するものが上位となりました。

   さらに、「顧客管理」の方法は3社に1社(35.5%)が「明確ではない・わからない」という「やみくも営業」の状態にあることがわかりました。

   リモート営業が、自社と顧客双方にメリットを提供するか断定はできませんが、今後、リモート化が進んでくことは事実です。営業のあり方を議論するためにも情報を入手しておきたいものです。(尾藤克之)