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子どもの「なりたい大人」1位は「会社員」 テレワーク姿の両親は頼もしい!?

   コロナ禍で、男子小学生が選んだ人気の職業の第1位は、なんと「会社員」だった――。2位のYouTuber/動画投稿者やサッカー選手を抑えてのこと。「会社員」は女子小学生の第4位にもランクインしている。

   第一生命保険株式会社が、全国の小学生(3~6年生)、中学生、高校生を対象に、「大人になったらなりたいもの」を聞いた。3月17日の発表。

   意外な結果に、ざわつく大人たち。新型コロナウイウルスの感染拡大が子どもたちの職業観を、どのような変化をもたらしたのか......。

  • 子どもたちが描く「会社員」のイメージに通勤電車はないのかも……
    子どもたちが描く「会社員」のイメージに通勤電車はないのかも……
  • 子どもたちが描く「会社員」のイメージに通勤電車はないのかも……

「会社員」6カテゴリーのうち、5つを制す!

   調査は、小学生から高校生まで、それぞれを男女別で集計した。今回、男子小学生で1位になった「会社員」は、中学生の男子・女子、また高校生の男子・女子と、6つのカテゴリーのうち5つを占めた。女子小学生でも、4位にランクされている=下表参照(中・高校生は2ページ)

   「会社員」を選んだ男子小学生(N=581)は全体の8.8%、女子小学生(N=553)で5.8%、男子中学生(N=471)18.3%、女子中学生(N=449)13.6%、男子高校生(N=487)22.2%、高校生女子(N=459)20%となり、学年が上がるほど「会社員になりたい」という子どもの割合は高くなった。

  • ■小学生の「大人になったらなりたいもの」
  • 【小学生・男子】
  • 1位:会社員(8.8%)
  • 2位:YouTuber/動画投稿者(8.4%)
  • 3位:サッカー選手(7.6%)
  • 4位:ゲーム制作(7.2%)
  • 5位:野球選手(6.4%)
  • 6位:鉄道の運転士(4.6%)
  • 7位:警察官(4.5%)
  • 8位:公務員(4.1%)
  • 9位:料理人/シェフ(3.4%)
  • 10位:ITエンジニア/プログラマー(2.9%)
  • 10位:教師/教員(2.9%)

       

  • 【小学生・女子】
  • 1位:パティシエ(14.1%)
  • 2位:教師/教員(7.1%)
  • 3位:幼稚園の先生/保育士(6.0%)
  • 4位:会社員(5.8%)
  • 5位:漫画家(4.5%)
  • 6位:料理人/シェフ(4.3%)
  • 6位:看護師(4.3%)
  • 8位:芸能人/アイドル(3.8%)
  • 9位:公務員(3.4%)
  • 9位:医師(3.4%)

   第一生命経済研究所ライフデザイン研究部の主席研究員、的場康子さんは、子どもたちのあいだで「会社員」が人気になった背景について、「コロナ禍のリモートワークの導入で在宅勤務が広がり、自宅で仕事をする父親や母親の姿を目の当たりにしたことで『会社員』という職業を身近に感じた子どもが多かったのではないか」と指摘。「AI(人工知能)やロボットなど技術革新が進み、子どもたちが大人になるころには、今は想像できないような会社が創られ、新しい職業も生まれる可能性があります。そのような社会の変化を敏感に感じて、子どもたちなりに新しい『会社員像』を思い描いているのかもしれません」と分析している。

YouTuber、パティシエ、公務員も人気

   男子小学生の2位は「YouTuber/動画投稿者」と時代を反映。3位以下は「サッカー選手」、「ゲーム制作」、「野球選手」、「鉄道の運転士」と続く。「男児のあこがれの職業」がランク上位に並んだ。

   女子小学生のトップは「パティシエ」。続いて「教師/教員」「幼稚園の先生/保育士」。コロナ禍のステイホーム期間に、「家族とお菓子作りを楽しんだ子どもたちも多かったのではないか」と推察できる。

   男子中学生の2位以下は、「ITエンジニア/プログラマー」や「公務員」、「YouTuber/動画投稿者」、「ゲーム制作」、「鉄道の運転士」が続く。女子中学生では、2位に「公務員」。以下「看護師」、「パティシエ」、「教師/教員」、「幼稚園の先生/保育士」。女子小学生で6位だった「看護師」が3位にランクインし、コロナ禍でエッセンシャルワーカーの重要性が広く認識された影響とみられる。

   男子高校生の2位以下は、「ITエンジニア/プログラマー」や「公務員」、「ゲーム制作」、「教師/教員」の順。女子高校生では2が「公務員」。次いで「看護師」、「教師/教員」、「幼稚園の先生/保育士」となった。

   選んだ職業になりたい理由は、全学年・男女ともに「好きだから」が1位。また「誰かの役に立ちたいから」が、いずれの属性でも3位以内に選ばれている。

  • ■中学生の「大人になったらなりたいもの」
  • 【中学生・男子】
  • 1位:会社員(18.3%)
  • 2位:ITエンジニア/プログラマー(6.8%)
  • 3位:公務員(5.7%)
  • 3位:YouTuber/動画投稿者(5.7%)
  • 5位:ゲーム制作(4.9%)
  • 6位:鉄道の運転士(4.5%)
  • 7位:サッカー選手(4.2%)
  • 7位:医師(4.2%)
  • 9位:教師/教員(3.6%)
  • 10位:野球選手(2.3%)
  • 10位:料理人/シェフ(2.3%)
  • 10位:eスポーツ選手(2.3%)

       

  • 【中学生・女子】
  • 1位:会社員(13.6%)
  • 2位:公務員(7.8%)
  • 3位:看護師(6.9%)
  • 4位:パティシエ(5.6%)
  • 5位:教師/教員(5.1%)
  • 6位:幼稚園の先生/保育士(3.8%)
  • 7位:料理人/シェフ(3.3%)
  • 7位:医師(3.3%)
  • 7位:アナウンサー(3.3%)
  • 10位:ヘア・メークアップアーティスト(2.9%)
  • ■高校生の「大人になったらなりたいもの」
  • 【高校生・男子】
  • 1位:会社員(22.2%)
  • 2位:ITエンジニア/プログラマー(11.5%)
  • 3位:公務員(10.5%)
  • 4位:ゲーム制作(5.7%)
  • 5位:教師/教員(4.3%)
  • 6位:サッカー選手(3.7%)
  • 7位:YouTuber/動画投稿者(2.9%)
  • 8位:鉄道の運転士(2.3%)
  • 8位:野球選手(2.3%)
  • 10位:医師(4.2%)

       

  • 【高校生・女子】
  • 1位:会社員(20.0%)
  • 2位:公務員(9.4%)
  • 3位:看護師(7.4%)
  • 4位:教師/教員(5.2%)
  • 5位:幼稚園の先生/保育士(4.6%)
  • 6位:パティシエ(4.4%)
  • 7位:薬剤師(2.6%)
  • 8位:医師(2.4%)
  • 8位::ヘア・メークアップアーティスト(2.4%)
  • 10位:トリマー/ペットショップ店員(2.0%)

   第一生命経済研究所の的場康子さんは、

   「男女とも自分の生活に身近なものを、『好きだから』、将来の職業に挙げていると思われます。彼らの『好き』という気持ちと興味関心を広げて楽しむ心を尊重し、その進路を見守ることが、これからの新しい社会を創造することにつながるのではないでしょうか」という。

   また女子にみられる、教師や保育士、看護師など、資格を取得して働く職業が上位にあることについて、的場さんは「結婚して働き続けることを将来の姿として思い描いている女子が多いことがわかります」とみている。

   なお調査は、1989年から毎年行われており、2021年版の今回が32回目。2020年12月に実施。小学生(3~6年生)から高校生までの合計3000人から回答を得た。