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コロナ禍1年、50%超の人が収束後も「新生活様式」を望む

   「コロナ禍が収束しても、現在の生活を維持したい」と過半数の人が考えていることが、博報堂生活研究所の「新型コロナウイルスに関する生活者調査」でわかった。2021年4月30日に発表した。

   新型コロナウイルスの感染拡大から1年。コロナ禍でさまざまな自粛を余儀なくされる生活が続く中で、多くの人が新たな気づきを得ていたようだ。

  • コロナ禍1年、人々の意識に変化が……
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「じぶんリセット」当たり前の価値を再確認

   調査によると、「(新型コロナウイルスへの感染懸念がなくなった前提で)現在の生活スタイルを維持したいか」と聞いたところ、「そう思う」との回答が56.3%と、半数を超えた。

   内訳をみると、「(維持したい)そう思う」と答えた人が11.9%、「ややそう思う」が44.5%、「そう思わない」32.6%、「そう思わない」は11.1%だった。

   「維持したいと思う」人の理由(自由回答の集計)を聞くと、「時間の無駄削減や自己管理できるから」とメリットを挙げる声が多く、「コロナに限らず感染が不安で対策が必要だから」を上回った。

   なかでも、20代と30代では「時間の無駄削減や自己管理ができるから」(20代=40.7%、30代=41.0%)のほか、「快適/健康的なリズムで生活できるから」(20代=18.5%、30代=13.3%)など生活の快適さを挙げる人が多かった。

   60代では「コロナに限らず感染が不安で対策が必要だから」が31.4%と高くなった。

   新型コロナウイルスをめぐっては、2020年5月4日の感染症対策専門家会議の提言を受け、厚生労働省が拡大防止を目的とした行動指針「新しい生活様式」を公表している。

   調査では、コロナ禍での生活になってから1年で新たに気づいたことについて17項目を提示して、「あてはまる」かどうかを選んでもらった。その結果、「自分も社会全体も衛生意識が高まり、風邪や病気にかかりにくくなった」が66.1%で1位だった。

   2位は「家族と過ごすことが楽しくなった」の57.9%、3位は「人と対面で会うときは、その時間を大切にするようになった」と「自分にとって大切なものを見極める機会になった」の2項目が57.1%で、同率で並んだ。5位は56.6%で「自由な時間を、自分の成長のために使いたいと思うようになった」となった。

   提示した17項目のうち10項目が50%を超えた。

   他の項目では、「人付き合いのストレスが減った」(54.2%)や「家で過ごすことが楽しくなった」(52.6%)、「生活費は、もっと節約できることを実感した」(50.7%)などがあり、博報堂生活研究所は、「生活の在り方を考え直す気づきは多岐にわたっている」と指摘。「これまで『当たり前』だと考えていた物事の価値を見直したり、自分にとっての優先順位を考え直したりする、いわば『じぶんリセット』の機会になっている」と分析した。

   なお調査は、2021年4月1日~5日に、首都圏、名古屋圏、阪神圏の20~69歳の男女を対象にインターネットで実施。それぞれ500人ずつ、計1500人から有効回答を得た。調査は昨年4月から、毎月行なっている。