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話題の「つみたてNISA」で毎月3万円 累計投資額90万円はいくらになった?

   「つみたてNISA」がコロナ禍にあって利用者を着実に増えやしている。

   金融庁が2021年2月に発表した 「NISA・ ジュニア NISA 口座の利用状況調査」によると、20年12月末時点でつみたてNISA の口座開設数は300万口座となっている。3か月前の20年の9月末時点では274万口座であったことを考えると3か月で26万口座も増えたことになる。

  • 「つみたてNISA」でコツコツ
    「つみたてNISA」でコツコツ
  • 「つみたてNISA」でコツコツ

どんな銘柄を買うのが良いのか?

   つみたてNISAは、なぜ投資の入り口となり得るのか――。それは長期的に投資信託を買い続けるだけで、それなりに資産が増える可能性が高いからだ。これまで投資をしたことがない人は投資したお金が減らないか? に目がいきがちだが、長く続けると投資したお金が減る確率も低くなることが、金融庁が公開しているデータでわかる。

金融庁「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキンググループ」事務局説明資料より
金融庁「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキンググループ」事務局説明資料より

   このデータは1985年?2020年の各年に毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行った場合の年率を整理したもの。保有期間5年だと年率がマイナスになっていることがある。5年の投資期間では始めたタイミングによっては損をすることがあったのだ。ところが保有期間20年を見るとどうだろうか? 1985年?2020年のどの20年を切り取っても年利は2%を超えている。つまり、損していないのだ。

   このような結果になる理由は、長期的に株式は右肩上がりの値動きになるからだ。また運用途中で暴落が来ても、毎月の積み立てだと下がったときも買付けるので、結果的に安値で買える。そのため、その後の回復相場で含み益となるからだ。このような結果になるので、国内外の株式・債券を買っておくのが分散投資になって良さそうだ。

期待値が高い株式100%のものに投資する。

右肩上がりの株式市場!?
右肩上がりの株式市場!?

   あっきんとひろこが運営している投資ブログ「akilog」では様々な金融商品を実際に買ってみてどうだったか?を公開している。もちろんつみたてNISAの生データを持っている。これを見ると興味深い傾向が浮き彫りになる。

   あなたは去年起こったコロナショックというとんでもない暴落相場を知っているだろうか?ショック相場は誰も予想できないから一気に下がる。コロナショックでは株式も債券も仮想通貨も全て暴落した。

   ちなみに、ブログで公開している口座では5銘柄を毎月6000円ずつ、合計3万円つみたてNISAで投資している。

・ひふみプラス
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全世界株式〉)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全米株式〉)
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
・eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

   ひろこのオススメは日本株の中でも中小型株を中心に投資するアクティブファンドのひふみプラスと米国株に丸ごと投資できる楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全米株式〉)だ。

   あっきんのオススメは、後者の楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全米株式〉)だ。

   共通しているのはどちらも株式100%であることだ。資産を増やすことを目的に投資するのだから、増える期待値が高いものに資金を投じる。一括投資ではないので下がっても買うのが毎月積立だから下がっても上がりやすい株式に投資するのが良いという考えからだ。

公開! つみたてNISAの運用実績

   では、実際につみたてNISAで購入している銘柄はどれだけ値上がり・値下がりしただろうか?ブログでは毎月の口座状況を定点観測しているのでコロナショック前と後、現在の3つのケースを紹介する。

   以下はコロナショック前の2020年2月7日の口座状況(投資額45万円、含み益5万4000円)↓

コロナショック前2020年2月7日の口座状況
コロナショック前2020年2月7日の口座状況

   一番利益が出ているのは、真ん中の楽天・全米株式インデックス・ファンドで、債券などに分散されている下から2番目のeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が7565円のプラスではあるが含み益は最も少ない。

   そして、コロナショックが起きて相場全体が凹んだ2020年4月3日の口座状況(投資額51万円、含み損7.6万円)↓

コロナショック後2020年4月3日の口座状況
コロナショック後2020年4月3日の口座状況

   わずか2か月で評価額が50万円から43万円まで減った。どの銘柄も緑色でマイナスになっているのがわかる。楽天・全米株式インデックス・ファンドは1万6758円のマイナス。やはりショック相場での下落率は大きい。債券を含むeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)はマイナスが1万3518円と少し少ない。

   この結果だけを見ると、債券も分散して持っておくと良さそうな気もする......。しかし下げたものは戻るのが相場だ。下げたところでも買う積立投資の強みは、ここから力を発揮する。

   すっかりコロナショックの傷も癒え、株高になった2021年5月11日時点の口座状況(投資額90万円、含み益28万円)はこうなっている↓

コロナショック後2021年5月11日の口座状況
コロナショック後2021年5月11日の口座状況

   楽天・全米株式インデックス・ファンドは7万3580円のプラス。債券を含むeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は3万1222円のプラス。2倍以上の含み益の差がある。まだ投資してから2年半ほどの口座だ。10年、20年続けると、この差はもっと大きくなるだろう。

   つみたてNISAのメリットは売却した時の利益にかかる税金がゼロである点だ。これを最大限に活かすためには、より利益が出やすい(値上がりしやすい)銘柄の買付けをしていくのがいい。そんな考えから、あっきんとひろこは長期で積立することが前提のつみたてNISAでは株式100%の銘柄をオススメしている。

   答え合わせは20年後みたいな話だが、コツコツ運用を続けながら状況を見守りたい。

※毎月の運用状況はブログにて掲載「FPひろこが選んだつみたてNISAおすすめ銘柄。商品をどう選ぶ?