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大企業だからといって「自分がやりたいこと」ができるわけじゃないのは50代だって同じ【ひろ子ママの教訓 その56】

   きょうは大企業にお勤めの50代管理職のIさんです。

「新卒採用や中途採用で、採用面接を担当する機会がありますが、最近よく聞く志望理由の一つに『大企業なら自分がやりたいことが実現できる』があります。正直、大企業に入るだけで、すぐにやりたい仕事に就けるっていうのは難しいと思います。大企業は人数も多いですしね。希望の職種につけなかったからやる気が起きないってのも、論外だと思います。説教じみた内容になってしまいましたね。
と言いつつ、私自身も『もしかしたら、やりたいことは別の会社にあるのかな?』なんて考えることはありますよ」
  • 他社へ転職したからといって自分がやりたい仕事に就けるわけではない
    他社へ転職したからといって自分がやりたい仕事に就けるわけではない
  • 他社へ転職したからといって自分がやりたい仕事に就けるわけではない

「新卒の頃、何を考えていたか忘れてしまいました」

「やりがいのある仕事に就きたい」
「自分の興味ある分野の仕事をしたい」

   大企業に入ったすべての人が叶えられることではないと思います。総合職であっても、必ずしも希望した部署や職種に必ず就けるわけではありませんよね。

   Iさんは目の前にある仕事に精一杯頑張ってこられたと思いますが、新卒の時に思い描いていた会社員人生とは、相違はありますか?

「新卒の頃、何を考えていたか忘れてしまいました。世の中に役に立つ仕事をしたいかな。何も考えずに目の前の仕事に突っ走ってきた気がします」(Iさん)

   それなら、一度立ち止まって「何がやりたかったのかな?」と考えてみるいい機会かもしれませんね。

   「大企業に入ったら、やりがいのある仕事ができそう」。そんな気持ちで入ってくる人も多いですよね。

   もちろん、就職活動する側の人が、企業を選んで入社する立場であるとは思いますが、まずは企業に「この人が欲しい」と思ってもらうことが大事です。

「この事業のこんな仕事にこの人は合いそうだな」
「この人のあの能力はこの事業に活かせそう」

と思ってもらえるように、会社のことをしっかり調べて、自身をアピールすることが必要。つまり、自分が選ぶことよりも「選んでもらう」ことが大事なのです。

市場における自分の価値を知ってみる

   これは、就活に限った話ではないですよね。新規事業に関わりたいと思ったら、そのメンバーに抜擢されるようにアピールや実績が必要になってきます。

   そのため、やはり常日頃から実績づくりが必要ですし、いざ、チャンスが目の前に現れたように準備をしておかなくてはいけませんよね。「いつか海外で仕事したいな」と思っていても、英語が堪能でなければ、手をあげても選ばれる可能性は少ないでしょう。それと同じです。

お悩み中

   Iさんもですが、一つの会社で長く勤めていると、自分の市場での価値がわからなくなります。「社会で自分の価値って、どれくらいなのかな」と思ったら、転職エージェントなどのサービスを使って、「他の会社ではどれくらいの年収になるのか」「どんなことを他社では求められるのか」など知ってみるのもいいでしょう。

   私は新卒の時、インセンティブがある営業会社で働いていました。転職する時に、自分の価値の低さ(年収の下がり具合)にショックを受けました。でも、逆に狭い世界の中で生きてたんだなっと、外の世界をみるきっかけになりました。

   市場における自分の価値を知って、足りないことを知ることって大事ですよね。職務経歴書なども試しに書いてみると、自分の経歴を見返す機会にもなりますよ。思い返すのには時間もかかりますが、休みの日に通常の仕事はしない、一人合宿のような環境をつくって、やってみるといいですよ。

   今の50代は、この先10年後に完全退職していることって少ないと思います。Iさんも自分にとっての「やりがい」「大事にしたい」ことを考えてみてはいかがでしょう。そうすることで「もしかしたら、やりたいことは別の会社にあるのかな?」っていう疑問が少しは解消されるはずですよ。(ひろ子ママ)