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コロナで受動喫煙増えた 外出自粛、在宅勤務の増加が原因

   新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や在宅勤務の影響で、喫煙者の家族がいる人の3割以上が、たばこを吸う同居人からの受動喫煙が増えたと感じていることがわかった。国立がん研究センターが、世界禁煙デー(5月31日)に合わせて調査した。2021年6月1日の発表。

   この調査は、新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート。喫煙者を含めて多くの人に喫煙が、コロナ感染に悪い影響があると認識されているようだ。

  • 喫煙者30.4%が閉鎖に賛成…(写真はイメージ)
    喫煙者30.4%が閉鎖に賛成…(写真はイメージ)
  • 喫煙者30.4%が閉鎖に賛成…(写真はイメージ)

「職場は禁煙だが自宅は制約なく...」

   調査では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務で、同居人の喫煙による受動喫煙が増えているかを聞いた。非喫煙者818人中の68.5%(喫煙する同居人はいない=約560人)を引いた258人のうち、受動喫煙が「増えている」と答えた人は34%だった。

   この結果について、国立がん研究センターは、

「新型コロナウイルスの感染拡大に伴うステイホームや在宅勤務などによって同居人の喫煙による受動喫煙が増えている人が相当程度いることをうかがわせる」

と指摘した。

   喫煙者本人にとって外出自粛や在宅勤務の影響で、喫煙本数や喫煙量が変化したかを聞くと、18.0%が「増えている」と回答。「減っている」は11.4%、「変わらない」が69.6%だった。「(ほぼ)やめることができた」という回答も1.0%あった。

   「増えている」と答えた喫煙者の「最大の原因」に、「感染リスク増大あるいは日常生活や社会環境の変化に伴うストレスの増加のため」をあげた人が49.4%でほぼ半数と最も多く、次いで「職場は禁煙となっているが、自宅は制約がないため」(33.9%)、「職場では周囲の目が気になるが、自宅では周囲の目が気にならないため」(10.0%)と続いた。

喫煙者4割「喫煙所は感染拡大しやすい」と認識

   世界保健機関(WHO)は2020年、喫煙者は新型コロナウイルスによる重篤な疾患と死亡を発症するリスクが高いことを示す科学的概要を発表。調査で、新型コロナウイルスに感染した際に、喫煙者は重症化しやすいと思うかを聞いたところ、非喫煙者では58.7%が「重症化しやすいと思う」と答えたのに対し、喫煙者では36.5%と20ポイント以上も低くなった。

   コロナ禍が長引くなか、利用者がマスクを外したり、狭い空間で密になりやすい喫煙所をめぐって議論されることも少なくなく、国立がん研究センターによると、喫煙室内で感染した事例も報告されている。

   「喫煙所が新型コロナウイルスの感染が拡大しやすい場所と思うか」を聞いたところ、全体では59.4%が「感染しやすい場所だと思う」と回答。「感染しやすい場所だと思わない」と答得た人は、わずか5.9%だった。

   喫煙者、非喫煙者別でみると、喫煙者では39.4%が「感染が拡大しやすい場所だと思う」と答えた一方、非喫煙者は63.4%で、24ポイント高い結果となった。

   喫煙者でも約4割が「感染が拡大しやすい場所」と感じている喫煙所。コロナ対策の一環として喫煙所や喫煙室を閉鎖あるいは使用停止にすることについて聞くと、喫煙者では30.4%が「賛成」と回答。「どちらともいえない」が32.5%、「反対」が31.2%と、ほぼ3つに分かれる結果になった。非喫煙者では、「賛成」が63.9%と高い割合となり、「どちらともいえない」は21.1%、反対は3.9%だった。

   なお調査は、2021年3月9日~16日に20歳以上の男女を対象に実施。喫煙者と非喫煙者1000人ずつ、計2000人から有効回答を得た。