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コロナ禍のワクチン接種進む 経済回復の期待も株価は一進一退(6月7日~11日)【株と為替 今週のねらい目】

   東京株式市場で日経平均株価は、米国の長期金利の低下や、それを受けた株高の動きを反映しそうで、一進一退の様相。3万円を前に足踏みが続きそうだ。一方、ドル円相場は、米国経済のコロナ化からの脱却が進めば、インフレ進行の可能性が期待できるので、ドル買い材料になりやすい。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • ようやく日本でもワクチン接種が広がってきたが......(写真はイメージ)
    ようやく日本でもワクチン接種が広がってきたが......(写真はイメージ)
  • ようやく日本でもワクチン接種が広がってきたが......(写真はイメージ)

東京株式市場 米国の株価や長期金利に左右されそう

日経平均株価予想レンジ:2万8500円~2万9600円

2021年6月4日(金)終値 2万8941円52銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質な展開か。

   前週の日経平均株価は、小反落した。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる欧米を中心に経済回復への期待感は強いものの、国内では日経平均株価を押し上げていく材料に欠け、上値の重い展開となった。

   今週の日経平均株価は、神経質な展開となりそうだ。新型コロナウイルスのワクチン接種の進展により、欧米での経済回復に対する期待感は強い。国内でもワクチン接種が徐々にではあるが、進み始めている。

   しかし、国内では経済回復に対する期待感は少なく、株価を押し上げる状況にはない。このため、日経平均株価の動向は米国株や米長期金利に左右されることになろう。ただ、米国の経済指標はまだら模様であり、その結果に神経質な展開となりそうだ。

   個別銘柄では、市場では8日連続で上場来高値を更新し、1万円を目前としているトヨタ自動車の動向が話題にのぼっている。

東京外国為替市場 ドルの上値重い展開

ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~111円00銭

2021年6月4日(金)終値 109円49銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。

   前週のドル円相場は、伸び悩んだ。米国の経済指標の回復を背景に、ドル買い・円売りが活発化し、一時1ドル=110円台前半まで上昇したが、米国の5月雇用統計が市場予想を下回ったことで、ドル売り・円買いが活発となり、ドルは1ドル=109円台半ばまで値を下げた。

   今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の経済回復に対する期待感と米長期金利の上昇を背景に、ドルは底堅い動きとなっているものの、米国当局による金融緩和政策の姿勢に大きな変化はなく、米長期金利の上昇も限られたものにとどまっている。

   米国の経済指標もまだら模様で、ドルを大きく買い上がっていくほどの材料はない。また、1ドル=110円台では実需のドル売りの見られていることから、ドルの上値は重くなっている。

   経済指標は、国内では7日に4月の景気動向指数、8日に4月の毎月勤労統計調査、1~3月期GDP(国内総生産)、11日に4~6月期法人企業景気予測調査などが予定されている。

   海外では、7日に中国の5月の貿易収支、8日に米国の4月の貿易収支、9日に中国の5月の生産者物価指数、10日に米国の5月の消費者物価指数などが予定されている。

   なお、11日から13日までG7(先進7か国)サミットが開催される。

(鷲尾香一)