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デイトレから投資スタイルを転身 まずは「第一稀元素化学工業」を選んだ(慶応義塾大学 も~り~)【企業分析バトル】

   はじめまして、今回から「企業分析バトル」に参加する慶応義塾大学の、も~り~と申します。まだまだ未熟なところもたくさんありますが、温かく見守っていただけると幸いです。

   まず、自分が選んだ銘柄は「第一稀元素化学工業」(4082)です。

  • 第一稀元素化学工業はレアメタルのジルコニウム化合物などを扱う(写真はイメージ)
    第一稀元素化学工業はレアメタルのジルコニウム化合物などを扱う(写真はイメージ)
  • 第一稀元素化学工業はレアメタルのジルコニウム化合物などを扱う(写真はイメージ)

ふだんは、あまり企業分析をやっていません

   個人的なプロフィールから。投資経験は4年ほど。投資スタンスは短期(基本デイトレード)がメインで、同時にインデックスの積み立て投資を行っています。

   ここで少し、デイトレードを行う理由を......。大きく2つ。1つ目は近年、海外機関投資家をはじめAIを用いたトレード手法の台頭により、予想を大きく超えるボラティリティが多く(場中問わず)、そこで大きな損失を被らないためです。

   2つ目の理由は、資金の最適活用を目的としたものです。寄り付きで大きくギャップダウン場合や注目度が高い銘柄にエントリーする際に、資金を大きく振り分け、利益の最大化を目指します(もちろん株数のコントロールといったリスク管理は徹底しています)。

   とはいえ、今回の「企業分析バトル」では、短期というより中長期の投資スタンスということなので、ふだんの投資スタイルとは異なり、やや難しく感じる部分もあります。特にファンダメンタル分析は、どんなに好業績でも株価が比例して上昇するとは限らないため、さほどやりません。

   ですが、今回縁があって参加することになったので、ふだんとは違った分析にもチャレンジしていこうと思います。

   まず、「企業分析バトル」のルールや概要・この企画の狙いを整理します。

◆企業分析バトル カブ大学対抗戦のルール・概要

◆企業分析バトル カブ大学対抗戦のルール
・月額200万円を投資金額の上限とするバーチャル投資です。
・投資対象は新興市場を含む、国内の上場企業の現物取引です。
・運用期限は最長で6か月。銘柄選定の最終月は10月になります。
・順位は11月末時点で、投資した銘柄(企業)の売買や配当で得た収益の騰落率で決めます。

   ポイントとしては、月上限200万円の現物。一応バトルなので、その順位付けは、売買・配当で得た収益の騰落率で決まります。

   ふだんデイトレードでやっている自分としてはやや慣れないですが、陽線読みやトレンドの継続期間をしっかり見極めれば大丈夫かなと思います。

   また、この企画の狙いは、次のように示されています。

「株価はその企業の、その時点の評価を表しています。将来性があると思う投資家が多ければ株式に買いが集まり、業績が冷え込めば売られます。大学生のみなさんの目で、気になる企業を分析、評価してください。
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、そんな企業の評価点である株価が、みなさんが就職先を選んだり、実際に株式を投資したりするときの参考になり、一助となることを望んでいます」

   ポイントとして、大学生ならではの視点を盛り込んだ内容が好ましいように思われます。すぐには思い浮かびませんでしたが、自分は今この瞬間も含めて、大学時代に学んだこと、経験したことなどを盛り込んでいこうと思います。

   こうしたルールと狙い、自分のトレードスタイルなどを考え、最初に選んだ銘柄が「第一稀元素化学工業」(4082)です。

「ジルコニウム化合物」の世界トップメーカー

   第一稀元素化学工業は、主にジルコニウム化合物などの無機化合物の製造・販売・研究開発を行っている企業です。ジルコニウムとはレアメタルの一種で、イオン電導性や耐熱性も高く、化合物になると結晶構造により多種多様な特性を持つ元素であり、その変異可能性の高さから現代社会では非常に重宝されています。

   第一稀元素化学工業はジルコニウム化合物の世界トップメーカー(シェア約40%)であり、経済産業省認定の「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」にも選ばれています。

   下図は、第一稀元素化学工業が販売する製品を示し、特に触媒は売り上げの6割を占めています。具体的に触媒とは、自動車排ガス浄化触媒であり、環境汚染対策として採用されています。

   ただ、注目すべきは、電子材料の「二次電池材料」とファインセラミックスの「燃料電池用個体電解質」の部分です。主にこれらは、電池の発電効率化をサポートするもので、EV(電気自動車)といった次世代製品の部品としての使用が見込まれています。世界的にも脱炭素やEVといったトレンドが続いていくと想定されるので、今後これらの事業部門が業績に大きなインパクトを与えるようになると予測されます。

   また同社の決算説明資料から、来期(2022年)の業績予想は、自動車触媒が北米を中心に需要回復し好調、電子材料用途では市場形成期にある二次電池用途が好転し増収を見込め、ファインセラミックス用途では燃料電池材料が増加することが見込まれています。この結果、同社は、営業利益は前期比の1.5倍を計画しています。

得意のチャート分析によると......

   次に具体的なチャート分析です。ふだん、自分はこちらをメインにしてトレードしています。

◆ 第一稀元素化学工業の株価の推移(クォンツ・リサーチ調べ)

   この銘柄の良い点として、

・上場来高値
・信用残
・出来高
・トレンド

の4つがあります。

   まず、上場来高値圏であるということです。上場来高値というのは、その一番高い値段で買った人を除いて、株主全員利益がでている状態を意味します。ということは、不用意な弱気玉(狼狽売り)が発生しづらく、買い圧力が続きやすくなり、素直に株価が上昇しやすいです。

   次に信用残については、買い残21万円・信用倍率3倍ということですが、直近の常時出来高と比べれば、上昇を妨げるものではありません。

   出来高については、3月4月に比べて、直近の出来高が増えている。つまり、この銘柄に資金が入ってきている証拠なので、今後株価が上振れる要因となり得ます。

   最後にトレンドですが、脱炭素・EV関連株として取り上げられることも多いので、これは買い残を増やす要因にもなりますが、一方で出来高を増やすことにもつながり、さらなる資金量入にもつながります。

   以上のことから、6月17日の終値1903円で、第一稀元素化学工業を100株、購入したいと思います。

第一稀元素化学工業(4082)
年初来高値(2021年6月17日)    1932円
年初来安値(2021年1月 4日)      835円
株式取得時の価格(2021年6月17日)  1903円
取得株数                100株

慶応義塾大学 も~り~
慶應義塾大学商学部 4年。投資スタンスは、基本的にデイトレード。持ち越しは絶対にしない。市場の予期せぬ変化により、大きな損失を被る恐れがあるため。ファンダメンタルは基本的に見ない。機関投資家などのスペシャリストに勝てる見込みがゼロに等しく、優位性がないため。なので、基本的にテクニカル。資金の流れで銘柄選定しています。
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