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終わってみたら「メダルが大漁」 日本選手団の活躍とあの感動のスピーチを英語で!【英語で話す東京五輪 その2】(井津川倫子)

   17日間にわたり熱戦が繰り広げられた東京オリンピックが閉会しました。新型コロナウイルスの影響で1年延期され、さらに無観客開催という「異例」続きの大会でしたが、蓋を開けてみたら史上最多の33競技が実施され、205の国と地域から1万1000人余りが参加した超ビッグイベントとなりました。

   カール・ルイスやマイケル・フェルプスのような「レジェンド」は誕生しませんでしたが、それでも数々の話題を残した今大会。国内外のメディアを賑わした「あの瞬間」を英語で話してみましょう。

   日本選手団の「メダルラッシュ」、海外メディアはどう報じたのでしょうか?

  • 東京オリンピックには205の国と地域から1万1000人余が参加した(写真はイメージ)
    東京オリンピックには205の国と地域から1万1000人余が参加した(写真はイメージ)
  • 東京オリンピックには205の国と地域から1万1000人余が参加した(写真はイメージ)

競泳・大橋選手は金メダルを「たぐり寄せた」?

   若い選手を中心に、日本チームの活躍が目立った東京五輪。日本のメダル数は、金メダルが27個、銀メダルが14個、銅メダルが17個の合わせて58個となりました。金メダルの獲得数は、1966年の東京五輪、2004年アテネ五輪の過去最多16個を大幅に更新。総メダル数も16年リオデジャネイロ五輪の41個を大きく上回る好記録となりました。

Japan has its best Olympic medal haul: 27 gold, 58 overall
(日本は27個の金メダル、58個の総メダルで、過去最高のオリンピックメダル獲得となった:AP通信)

Japan ends Tokyo 2020 with record medal haul
(日本は記録的なメダル獲得数で東京五輪の幕を閉じた:ロイター通信)

   日本の歴史的な好記録を伝える記事では、「medal rush」(メダルラッシュ)よりも「medal haul」が目立っていました。「haul」「たぐり寄せる」「ひと網の」という意味で「get a fine haul」(大漁だ)という表現でも使われるようです。何となく、「大漁だったぜ!」と沸き立つムードが伝わってきます。

   競泳女子200メートルと400メートル個人メドレーで、大橋悠依(おおはし・ゆい)選手が日本競泳女子初となる2冠を達成した時も、「medal haul」が使われていました。

Ohashi completes double Individual medley Gold-Medal haul with victory in 200-Meter Final (大橋選手が200メートル個人メドレーに勝利して、2つの個人メドレー金メダル獲得を成し遂げた)

   身近な話題を通じて新しい語彙が増えていくのは楽しい経験です。今大会の日本選手団の活躍と共に、「medal haul」という英語表現を心に刻んでおきましょう。

「なぜバトンパスができないのか?」と話題になった国は?

   大会の後半は、人気の陸上競技に注目が集まりました。なかでもメダル獲得が期待された陸上男子400メートルリレーの決勝をハラハラしながら見守った人は多かったのではないでしょうか。

   残念ながら、第1走者の多田修平選手から第2走者の山県亮太選手にバトンが渡らず、途中棄権に終わってしまいました。

The Japanese team failed to make their first baton pass and did not finish
(日本チームは最初のバトンパスに失敗し、完走できなかった:ジャパンタイムズ紙)

   じつは海外メディアは「日本のバトンミス」をほとんど報じていません。むしろ、バトンパスが乱れて決勝進出を果たせなかった米国チームがニュースになっていました。

Why Can't the U.S. Relay Team Figure Out How to Pass a Baton?
(なぜ、米国のリレーチームはバトンパスのやりかたを見つけることができないのか?:米メディア)

   陸上競技で圧倒的な強さを誇ってきた米国ですが、今大会は不振ぶりが話題になっていましたが、400メートルリレーでは予選敗退の「大波乱」。さらに、陸上混合4×400メートルリレーでも世界チャンピオンで金メダルの大本命だった米国がバトンパスのミスで失格となったことから、「なぜ米国チームはバトンパスができないのか?」と大ブーイングでした。今大会、「バトンパスと言えば米国」となったようです。

   大会の最終日には、男子マラソンが開催されて日本の大迫傑(おおさこ・すぐる)選手が6位入賞を果たしました。

Suguru Osako finished sixth in the men's marathon
(大迫傑選手が男子マラソンで6位となった)

   今大会でマラソン競技からの引退を表明していた大迫選手。ゴール後のインタビューで次世代の選手たちにエールを贈る姿は、大きな感動を呼びました。

I think the next generation will be in the medal battle if they do their best. Now it's the younger group's turn
(ベストを尽くしていれば、次の世代はメダル争いに参加できると思う。次は若い世代が活躍する番だ!)

   世界を驚愕させる大記録や、大会を象徴する大スターは産まれなかったかもしれませんが、酷暑の中でベストを尽くした選手たちの姿にたくさんのことを学んだ大会でした。(井津川倫子)