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なぜ、あなたからお客さまが離れてしまうのか?【尾藤克之のオススメ】

   1927年に発足した「Million Dollar Round Table (MDRT)」は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織で、その入会については非常に厳しい条件があります。「年収2000万円以上」などの基準を満たした営業マンしか入会を許されず、世界トップ6%という狭き門と言われています。

   今回紹介する一冊は、その狭き門に30代後半の支社長時代から、延べ数百名もの部下を送り込んでいる著者の一冊です。そんな著者が日頃から何より大事にしているものの一つが「習慣」です。それはなぜなのか――。

   人は習慣で作られ、習慣が仕事の業績を上げる説は本当なのでしょうか。

「世界TOP6%の超絶売れる習慣」(早川勝著)秀和システム
  • 自分がされてうれしいことを相手にしてあげたらホントに喜ばれる?
    自分がされてうれしいことを相手にしてあげたらホントに喜ばれる?
  • 自分がされてうれしいことを相手にしてあげたらホントに喜ばれる?

サービス過剰はお客が離れる

   「自分がされてうれしいことは、相手もされてうれしい」というのは本当でしょうか?

   自分がされてうれしいことを相手にしてあげたら喜ばれることもあります。嫌なこともそうです。自分が嫌なことを相手にもしたら、たいていは嫌がられます。

「なぜ、あなたからお客さまが離れてしまうのか? 世の中には、この感覚が、どうにもズレている人がいます。これはもう、その人の性質というか、習慣化された特有の気質でもあるので、かなり厄介です。しかもその行為には、まったくもって悪気がないピュアな好意に基づいているため、それを拒否する相手の労力は想像以上。大きなストレスといえます」
「自分がされてうれしいことを、わざわざ人にしてあげようというのだから、善人でなければそこまではしません。そもそも、自分だけがいい思いをしていれば済む話です。だからこそ、親切にされた相手は困ります。それはもう大いに困るのです。相手の引きつった苦笑いに、その人は一生気づかないのです」

   著者の早川勝さんは、そう話します。

   これはプレゼントに置き換えるとよくわかります。親しい間柄の人であれば、あなたが本当に欲しかったプレゼントを贈ってくれる可能性が高いでしょう。しかし、本当に欲しかった、心からもらってうれしかったプレゼントが贈られることは稀ではないでしょうか。

   早川さんは、こう言います。

「ここで『自分の当たり前は、当たり前でないかも知れない』と考えてほしいのです。自分中心の過剰なサービス精神は、互いに『地獄』です。これがズレている人は、かなり致命的でしょう」

では、なにが必要なのか

   このようなスパイラルから抜け出すには、「真心と想像力を働かせる習慣を身につける」ことが大切だと、早川さんは言います。

「『相手の気持ちになる』ことが大切だとよく言われますが、超能力者でもない限り、そんなに簡単なものではありません。もし、それが簡単なことであるなら、世の中の争いごとや、人間関係の争いなど起きらないでしょう。だから常日頃より、サービス過剰になっていないかどうか、その意識を働かせる習慣をつけることが大切なのです」
「想像力が貧困である、といってしまえばそれまでですが、やはり想像力を働かせないことには、人生の問題は解決しません。その想像力を働かせる習慣こそが、私たちを成功や幸福に導いてくれる唯一の道のです。もう一度、自分と相手はまったくの別人格であることを理解しなければなりません」

   このことに気づくことさえできれば、あなたの周りに人が集まりはじめると、早川さんは言います。職場での評価も上がり世界が変わるに違いないと。本書では、著者の経験や実績に基づいた習慣をふんだんに盛り込まれています。どの仕事においても活かせる技術、それが習慣なのです。(尾藤克之)