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取引に自信! 同志社大 じっくり攻める早大は米ドル、明大は加ドル、一橋大はNZドルで越週(第19節)【FX大学対抗戦 Bグループ】

   学生トレーダーが気にしている米国の「テーパリング」(量的緩和の縮小)は、2021年11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で決定する可能性が濃厚とされる。中国の不動産大手、恒大集団の債務問題と相まって目が離せない。

   早稲田大学のNAKAMURAさんは米ドルを注文、保有して、そのまま越週。明治大学の佐藤諒さんは、米ドル円からカナダドル円の取引ンチェンジ。こちらも保有して越週した。「私にとって、心臓に悪い1週間となりました」と漏らす、一橋大学のボンゴレさんはニュージーランドドルを買いポジションで、さらにメキシコペソも保有。いずれも、じっくり攻めるようだ。

   同志社大学のFOXさんが好調だ。「今までは熱くなってやり続けて、負けまくるということが多かったのですが、今週はそこで一度立ち止まり、修正することができました」と、スキャルピングが板についてきた。確かな手応えを感じているもよう。慶応義塾大学の2Gさんは、「守りに入ってしまい、なかなかトレードできなかった」と、様子見したことを猛省する。

引き続き米国のテーパリングに注目(早稲田大学 NAKAMURAさん)

   FX大学対抗戦をご覧のみなさま、こんにちは。早稲田大学3年のNAKAMURAです。

   前回(9月20日?24日)は弔事でお休みをいただいたので、まずはその週から振り返ります。取引は、米ドルの注文のみ行いましたが、現在に至るまでいまだ決済していません。

   9月22日には一大ビッグイベント、FOMC(米連邦公開市場委員会)、24日(金)にはFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言がありました。テーパリング(量的緩和の縮小)は、次回の11月のFOMCで決定する可能性が濃厚で、2022年の利上げ予想は18人中9人となりました。またパウエル議長は、中国の不動産大手、恒大集団の債務問題は中国固有の問題であり、物価見通しについては穏やかな上振れと評価しました。

   経済進展が続けば、テーパリングが早急に必要になる可能性もあり、2022年中頃のテーパリング終了が適切とみられています。資産購入のタイミングは利上げのタイミングに関するシグナルではないとされました。ここ2週間、米国債金利が上昇、株安の見られる日が続く中で、今回のFOMC後には発表直後に株価は若干上昇し、長期金利は若干低下しました。

   そして、米国政府の借金が規制の上限に達し、10月中に政府資金が底をつく恐れが出てきました。株価が不安定になり、国際金利は上昇する傾向にあります。規制の一時停止も可能ですが、前回の措置は7月に期限が到来しており、再度の措置を講ずるか議論となっています。

   米インフレについては一時的とみられていましたが、期待インフレも含め長期化しており、2022年は3%強(PCE総合)との見方が強いです。FRBの早期利上げがあれば、株価に逆風となります。雇用においては、人手不足の深刻化が進み、賃上げ加速、賃金インフレに繋がっています。また、材料不足も深刻であり、サプライチェーンの混乱は年明けまで続くとみられています。

   次週は、10月8日(金)に9月の雇用統計が発表されます。FRBのテーパリング議論を大きく左右する可能性もあり、注目していきたいです。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
経済回復のインフレに加え、原料不足の悪いインフレが世界を直撃しています。ただ、エネルギー不足であるところが大きく、コロナ同様に金融緩和でコントロールできる部分ではないため、今のところテーパリング(量的緩和の縮小)時期を変える材料ではなさそうです。
さて、バイデン米大統領は「国を救う手助けをするつもりがないなら、道を開けろ」と、債務上限問題で歩み寄らない野党・共和党に対し、演説で発言しましたが、膨大な財政出動を行い、債務上限問題を加速させた張本人ではないかと個人的にはクスッとしてしまう場面でした。
デッドラインは10月18日とみられていますが、共和党は12月まで一時的に上限を拡大する案を出しており、恐らくこれは合意される見通しのようです。

保有する通貨         米ドル
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月1日現在   98万9895円

早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学法学部3年。株式投資クラブforwardに所属。経験不足で至らない点も多々あるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。初心者なりに試行錯誤してみますので、FXに触れたことのない方や、ぼくのようにほぼ初心者の方には親近感を持って読んでいただけると思います。よろしくお願いします!

守りに入ってしまった(慶応義塾大学 2Gさん)

   FX大学対抗戦19週目。今週(9月27日週)は結果的に取引しなかった。流れは何となくつかめていたのだが、守りに入ってしまい、なかなかトレードできなかった。個人的に読みやすい状況であったために、参入しなかったことは猛省する必要がある。

   今週もふだんと同様に相場の流れと今後の動きを整理したい。

◆ 今週の流れ

   27日からの週は、ドル高が進行した。米金融当局が次回11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でのテーパリング(量的緩和の縮小)開始、2023年から22年に利上げ開始時期を前倒しとの見方を示しており、日本銀行、ECB(欧州中央銀行),イングランド銀行(英中央銀行)などと比較して出口に向かう動きが際立っていることが背景。米長期金利が急上昇している。

   インフレの進展は一時的との見方については、市場はより長期化するのではないかと懐疑的な見方もでてきていた。ドル円は一時112円台乗せ、ユーロドルは1.15ドル台へと下落するなどドル買いが強まった。ドル指数は昨年9月以来のドル高水準となった。

   その一方で、インフレ警戒、長期金利上昇や米債務上限問題などを受けて株式市場には調整圧力がみられた。円相場は円高方向に押される展開となっている。クロス円が全般に下落し、ドル円も週末にかけては売り戻された。

◆ 今後の動き

   10月8日に、9月の米雇用統計が発表される。前回8月分は非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想の前月比73.3万人増に対して、23.5万人増に留まる衝撃的な弱さとなった。

   7月分の数字が速報時点での94.3万人増から105.3万人増に上方修正されていたことを差し引いても、かなり弱いという印象を受ける。失業率は事前予想どおり5.4%から5.2%へ低下したものの、全体としてかなり厳しい数字で、米雇用市場の鈍化懸念が広がる形となった。

   コロナ禍は、デルタ株による感染者の拡大が7月後半ぐらいから加速した米国では、1日当たりの新規感染者数(7日間平均)が6月時の1.1万人程度から、前回8月の雇用統計基準日前後で13万人前後まで大きく上昇。9月後半になって、さすがに下がってきたが、9月の基準日前後では14万人台と、かなり厳しい状況が続いていた。

   ただ、ニュースなどを見る限りレストランなどの再開が続いている様子が確認され、前回全体を押し下げた飲食部門などの雇用増が期待されている。今回9月分の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比52.5万人増と前回から増加幅の持ち直しが大きく見込まれ、失業率は5.0%への低下が期待されている。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
8月の米雇用統計での非農業部門雇用者数は衝撃的でした。通常の経済成長期では20万人前後の数字となりますので、コロナ禍開けの急拡大期で同じ数字が出たことは市場の肝を冷やすこととなりました。今回、同様の数字となり前回値の上方修正も行われないようであれば、ドルは大きく売られる可能性があります。先行指標のISMの数字を見ると、非常に良好なため、現時点では事前予想に近しい数値が出そうです。

前週からの損益  プラス・マイナスゼロ
10月1日現在   118万3600円

慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学商学部2年。FXは高校生の頃に少し触ったが、損失が膨らみ休止。今回のFX大学対抗戦を機に学び直し、利益を出せるように励んでいきたい。

米インフレは一時的か、そうでないのか?(明治大学 佐藤諒さん)

   9月28日、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言で「インフレは一時的」の「一時的」が長期化している問題を突っ込まれ口を濁しました。これによりインフレは一時的ではなかったのではないかという懸念から、米国債利回りは上昇し、ドル円も一段と上に行きました(米国インフレ → 米国債券利回り上昇 → ドル円上昇)。

   週末はパウエル議長が「一時的」を何度も発言したためか、少し戻して終えています。今までインフレが一時的だと信じていた市場にとっては大きなインパクトになりそうです。

   また、債券利回りと同じく、ドル円もテーパリング(量的緩和の縮小)を始める前後に、もう一度高値を目指す可能性があると思っています(テーパリング → 緩和縮小 → 債券利回り上昇 → ドル円上昇)。

   最後に、トレードする際には出尽くしや織り込み済みといったことがあるので、十分に注意していきたいと思います。

   やはり債券は難しいです。間違いがありましたら、ご指摘お願い致します。

   今週は米ドル円をやめて、CAD/JPY(カナダドル円)を取引しました。ロング(買い)ポジションで保有中。

   先週から各種通貨ペアは急上昇していますが、GBP/JPY(ポンド円)やEUR/JPY(ユーロ円)は大きく反発して下落しています。しかし、CAD/JPYは高値を維持しており、日足ベース=下グラフ参照=でWボトムのようにも見えるため、ロングでエントリーしました。一時的に大きく値下がりしましたが最終的には戻ってきたので来週に期待したいと思います。

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CAD/JPY(カナダドル円)の日足チャート

   来週は、米国の雇用統計があるためポジションを減らすかもしれません。

   今週の取引は、1万円の含み損。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
カナダ円のチョイスは、個人的にも買いで取引した通貨ペアのため良いですね! とコメントしたいです(笑)。日足のチャート形状の良さに買い意欲が沸きます。
さて、インフレは一時的どころか長期化し、商品の価格の急騰により少なくとも年明けまで続くことが予想されています。2022年の米国のインフレ率は3%程度の見込みのようですが、これも怪しくなってきました。コロナ禍が終えると、世の中は厳しいインフレに見舞われ、しかし給料はさほど上がらない厳しい状況に直面しつつあるようです。これが景気悪化になるのか、もしくはコロナ渦で進んだリモートワークが経済スピードの加速を後押しとなるのか、今までの経済のダッシュボードでは測れない状況のようです。目先は商品価格に注目でしょう。

保有する通貨  CAD/JPY(カナダドル円)
前週からの損益     マイナス1万円
10月1日現在       107万円

明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学商学部2年。投資歴2年。よくトレードするのはUSD/JPY(米ドル円)。東京在住です。

心臓に悪い1週間(一橋大学 ボンゴレさん)

   今週(9月27日週)は1ニュージーランド(NZ)ドル=77円の買いポジションを持っている私にとって、心臓に悪い1週間となりました。NZ中央銀行が政策金利を発表する10月6日まで比較的長めに持つ予定だったため、万が一の際に備えて損切りラインは75.5円に設定してあります。もし、このラインに触れると前週NZドルで得た7万5000円の利益を失う計算でした。

   76円を切ることはなかったものの、対米ドルと日本円でNZドル安でした。先日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派に転じたとマーケットに見られ、米ドル買いが進んだことがこの背景にあると思っています。

   前週の記事でご指摘いただいたとおり、NZ中銀が政策金利を引き上げることは市場に織り込み済みであると考えると78.5円まで上がるか不安なので、10月6日の発表後の動き次第では78円に指値を変更することも考えています。

   メキシコペソは前週に引き続き1メキシコペソ=5.4円と5.35円での買いの指値注文を5万通貨ずつしており、週の後半で無事に約定されました。それぞれ5.5円、5.45円で売りの指値注文をしている状態です。

   こちらも米ドル高によってクロス円ではメキシコペソ安が起きたのだと考えています。9月30日にメキシコ中央銀行が政策金利を4.75%に引き上げることを発表したため、対円で一時的な上昇傾向にあると思っているので、来週の月、火曜日で様子を見つつ適宜売りの指値は変更する予定です。

   今週の結果はメキシコペソで得たスワップポイント1400円分です(NZドルは使用しているデモトレードサイトの期限切れにより計上できませんでした)。

   前週から、1400円プラスになりました。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ニュージーランド中央銀行は予想どおりの0.25%の利上げを発表しました。9月末までは、政策金利を0.5ポイント引き上げるとの観測があったなか、ホークスビー総裁補佐が政策金利を据え置きまたは0.25ポイントの利上げにとどめる傾向があると発言したことで、ほぼ100%織り込まれていました。
声明では、低インフレを維持し、最大で持続可能な雇用を支援するために、金融刺激の水準を引き下げることが適切だとしながらも、ヘッドラインインフレが短期的に4%を超えると予想していることが明らかにされました。ここでもテーマはインフレです。
さて、最大都市オークランドでロックダウンの延長を発表されましたが、為替相場への反応は限定的でした。解除され、経済活動が活性化するとサン過去持ち合いを上抜けてくるかもしれません。

保有する通貨   NZドル、メキシコペソ
前週からの損益       プラス1400円
10月1日現在   135万4060円

一橋大学 ボンゴレ
一橋大学 ボンゴレ
一橋大学商学部2年。ふだんはファンダメンタルズ分析を通じた株式投資を勉強しており、FXは今回が初めてです。FX大学対抗戦を通じて実力をつけたいと思っています。
神奈川県出身。

成長の証「一度立ち止まることができた」(同志社大学 FOXさん)

◆ 今週(9月27日週)の取引

   もう完全にスキャルピングになったので、あまりファンダメンタルズは見ないようにしているため、今週は取引結果だけ報告したいと思います。

   今週は、木曜(9月30日)、金曜(10月1日)が月の終わりと月初めでした。そのため、米ドルはいつもと動き方が違う印象でした。言語化するのはなかなか難しいですが、簡単に言うと、ボラティリティがある、かつレンジ(一定の値幅)になる動きが多い印象で、そのため、月火水(9月27日~29日)で伸びる動きが多かったので、取りやすいのに対して、木金は抜けないことが多く、月火水と同じようなやり方では通用しませんでした。

   今までは自分の狙いたいところが通用しない時に、熱くなってやり続けて、負けまくるということが多かったのですが、今週はそこで一度立ち止まり、修正することができました。自分でも、そこはすごく成長だなと感じました。

   そして、かつ取りたいところがなんとなくですが定まってきたので、スキャルピングでの取引を続けていきたいし、さらにもっと取りたいところを増やしていけるようにしたいです。

9月27日(月) プラス10pips
28日(火) プラス18pips
29日(水) プラス11pips
30日(木)マイナス17pips
10月1日(金) プラス 1pips 今週の合計   プラス23pips

   総資産は、112万20円。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
週を追うごとに着実にプラスにする成長力は素晴らしいですね。感情のコントロールと、相場のボラティリティから注文を調整する力があるのでしょう。
過去に何千人という投資家と話してきましたが、スキャルピングはブレが大きいため、トレードスパンの中では難しいカテゴリーだと感じています。にもかかわらず、多くのFXトレーダーが行っているのは、ファンダメンタルズが面倒、テクニカル分析も面倒だから必要がなさそうなスキャルピングに辿り着くのではないかと個人的に感じています。しかし、そのような面倒くさがる人は結局何をやっても成功せずに相場から撤退するという場面を10年間見てきています。
そんな人が多いなか、スキャルピングで重要な点を押さえ、ポジポジ病にもならずメリハリのある取引が行えているFOXさんは、ご自身に合ったトレードスタイルなのでしょう。あと1か月程度でどこまで伸ばせるのか、期待しております!

前週からの損益 プラス2万3000円
10月1日現在 112万20円

同志社大学 FOX
同志社大学 FOX
同志社大学経済学部3年。好きな言葉は「人の行く裏に道あり花の山」。ワンピースと宇宙兄弟好きです。投資経験はほぼなく、初心者。20歳になって少し経って取引口座を開き、FXを初めて3か月目くらい。資金をゼロにしないようにしたい。
福岡県出身。
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/