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勉強好きが陥りやすい「自滅の刃」! そうならないように...「落ちる勉強法」と「受かる勉強法」の違い解説【尾藤克之のオススメ】

   資格試験予備校の代表として20万人の教え子を指導し、自らも資格試験の合格率90%を超える「伝説」の予備校講師が、掟破りの試験合格勉強法を伝授します。著者は「満点を狙う人は落ちます」と断言しています。どういうこと? これが「制限時間内で余裕を持って受かる技術」とのこと。短期間で一発合格するためには、合格するための技術を知り、考え方を変えていく必要がありそうです。

「はぶく勉強法 20万人が証明 インプットを8割削って一発合格」(並木秀陸 著)秀和システム
  • 合格するための技術とは(写真はイメージ)
    合格するための技術とは(写真はイメージ)
  • 合格するための技術とは(写真はイメージ)

その勉強が合格に役立つかどうか意識する

   並木さんは、「この人は、きっと合格するだろう」と期待してしまうタイプがいると言います。それは、勉強が大好きな人のことです。ところが、このようなタイプは、じつは合格までに時間がかかるか、残念な結果になりやすいそうです。なぜでしょうか。

「勉強好きなAさんとは、どういう人でしょうか。講義前にしっかりと予習し、あらかじめ疑問に思うことをまとめ、講義中は居眠りもせず、真剣な眼差しで聞く。講義が終われば、すぐさま疑問に思うことを質問する......。しかし、勉強が好きな人は、それだけでは終わりません。講師を困らせるためにマニアックなことまで、粘り強く質問し続けるのです」(並木さん)
「もし『そこまではわからない』と講師が答えようものなら、鬼の首でも取ったように嬉しそうにし、それでもあきらめずに自分で調べ、理解しようとするのです。ちなみに、本当にわからないという講師もいるのかもしれませんが、あえて答えないだけ、という場合も少なくありません。講師から見て『試験対策上、その知識は必要ない』からなのです」(同)

   ここで整理してみましょう。勉強にハマっている人は、自分はとてもレベルの高い、あるいは充実した勉強をしているという満足感から、勉強することが面白いと感じる、ということ。こうなると、試験に合格するための勉強から、合格に必要な力をつけるための勉強ではなくなり、合格から遠のいてしまうわけです。

「勉強嫌いな人には次のような特徴があります。『長時間の勉強はしない』『わからないことがあっても、まず一通り終わらせる』『自分がやっている勉強が、試験合格に役立つものかどうかを意識する』。このルールを決めてから勉強をはじめるだけで、ムダな作業を増やさない、つまりムダな勉強をはぶくことができるようになるのです」(並木さん)

五感で覚えると忘れない

   並木さんはインパクトのある記憶に変えたり、知識のイメージを映像化したり、リズムのいい語呂で覚えたりすることも、記憶力を高める方法の一つになる、と言います。

   人さし指でなぞりながら読み、字を目で追い、声に出し、その声を聞く。すると、複数の感覚を使うことができます。五感が同時に働くことで脳への刺激が強くなり、記憶が定着し、忘れにくくなります。目につく所に貼りつけるのもいいでしょう。ある程度、眺められる場所の方が効果的です。ぼんやり眺めているうちに、写真画像のようにインプットされるからです。

   記憶にインプットするためには、感情を伴うことが重要です。うれしいことや怒りを持った出来事、衝撃的なインパクトのあることは忘れたくても忘れられないものです。人の脳は感情が動くと覚えてしまうのです。そして、体験したことは記憶しやすいということでもあるのです。だから、参考書や問題集を解くときであっても、感情を動かすことが効果的といえます。

   本書では、一途に勉強と向き合うAさんと、ムダをはぶきまくるBさんを登場させ、なぜAさんは落ちてしまい、どのようにしてBさんは受かったのかを、具体例を盛り込みながら分かりやすく解説していきます。これは受験勉強に限らず、仕事の場面でも応用できそうです。この機会に試してみたいものです。

(尾藤克之)