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止まらぬ円安 「1米ドル=130円」は節目でしかない!?(4月25日~29日)【株と為替 今週のねらい目】

   円安が止まらない。米ドル円相場は、米国の利上げ幅の拡大懸念に伴い、日米の金利差の広がりが見込まれ、ドル買い・円売りへの警戒感が強まっている。

   注目される2022年4月27~28日の日本銀行の金融政策決定会合だが、金融緩和策は維持される見通し。一方、米国では5月3~4日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅の拡大が決定されるとの見方が強い。ますます、日米の金利差が広がるかもしれない。

   日米で本格化している決算発表にも注目。国内ではファナックやキーエンスなどが登場。米国ではアルファベットやマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾンの「GAFAM」の発表が控えている。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 日米の決算発表にも注目したい!
    日米の決算発表にも注目したい!
  • 日米の決算発表にも注目したい!

東京株式市場 相場のメインテーマは米利上げ幅の拡大

日経平均株価予想レンジ:2万6300円~2万7500円

2022年4月22日(金) 終値 2万7105円26銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、下値を試す展開か。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、小幅ながら続伸した。ただ、週末22日は一時600円以上の下げとなり、終値でも447円の大幅続落と引け味の悪いものとなった。

   今週の日経平均株価は神経質ななか、下値を試す展開となりそうだ。相場のメインテーマは米国の金融引き締め強化(利上げ幅の拡大)となっている。主体性がなく、米国市場のミラーマーケット(鏡相場)と呼ばれる東京市場は、日本に直接関係のないテーマでも、米国市場が下落すれば、その動きに反する動きをすることはほとんどない。

   米国の利上げは日米金利差による円安進行につながるが、一方で円安メリットもある。それでも米国市場が下落すれば、東京市場も下げる。米国市場では金融引き締めに神経質な展開が続いており、下落リスクが高い。これに連れ、東京市場も一度は下値を試す動きとなりそう。週末29日からゴールデンウイークに突入するため、連休前にポジションを閉じる動きも考えられ、下振れリスクは高そうだ。

   27~28日に日本銀行の金融政策決定会合が開催される。金融政策は据え置かれると見られるが、急激に進行する円安に対して、どのような議論がなされるかは注目だ。

東京外国為替市場 米ドル、上値を試す展開続く

ドル・円予想レンジ:1ドル=127円00銭~1347円00銭

2022年4月15日(金)終値 128円56銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが上値を試す展開か。

   前週のドル円相場は、日米の金利差拡大を背景にドルが上昇した。ドルは一時、1ドル=129円半ばまで上昇し、2002年4月以来のドル高となった。

   今週のドル円相場は、引き続きドルが上値を試す展開となりそうだ。27~28日に日本銀行の金融政策決定会合が開催されるが、金融政策は維持される見通し。一方で、米国では5月3~4日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ幅の拡大が決定されるとの見方は強く、一段の日米の金利差拡大を背景にドル高基調が続きそうだ。

   1ドル=130円は節目でしかなく、簡単に突破される可能性が高い。米国の金融政策関連のニュースには注意が必要だ。

   経済指標は、国内では26日に3月の完全失業率と有効求人倍率、27日に日銀金融政策決定会合(28日まで)、28日に3月の鉱工業生産、日銀の黒田東彦総裁の会見などの発表が予定されている。

   海外では、26日に米国の3月の耐久財受注と4月の消費者信頼感指数、3月の新築住宅販売、28日に米国1~3月期GDP(国内総生産)速報値、29日に中国財新4月製造業PMI、米国の3月の個人消費支出と個人所得などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)