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ネガティブな感情への対処法...その時、考えていたことを確認しよう【尾藤克之のオススメ】

   「引き寄せの法則」というフレーズを聞いたことはありませんか。その時、必ずといっていいほど登場するのが「エイブラハム」。エイブラハムとは何者なのでしょうか。じつは、エイブラハムは特定の人物ではありません。「無数の叡智の集合体」と考えられています。今回紹介するのは、ベストセラー作家の本田健さんが翻訳した、「引き寄せの法則」について初めての人にもわかりやすく解説した一冊です。

「新訳 引き寄せの法則 エイブラハムとの対話」(エスター・ヒックス 著, ジェリー・ヒックス 著, 本田健 翻訳)SBクリエイティブ
  • 多くの人に気づきを与える一冊
    多くの人に気づきを与える一冊
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「わたしは何を望んでいるんだろう」

   あなたは、健康に気をつけて生き生きとした毎日を過ごしていたとします。ある日、友人と食事をしているときに、友人が「自分の病気のこと」を話し出しました。きっと、あなたは話を聞いているうちに、居心地が悪く落ち着かない気分になっているはずです。

   あなたは、会話が病気の方向に行かないように、なんとか話題を変えようとするでしょう。ところが、友人は病気の話に夢中になっていますから、話題を変えてもまた病気の話をもち出します。くりかえすうちに、会話がネガティブに振れていきます。

   このような時、「ネガティブな感情が湧くのは、望んでいないことを友人が話しているから」ではないと、本田健さんは訳しています。

「望みに反する思い込みをもっているときも、ネガティブな感情がそれを教えてくれます。友人との会話によって『病気になったらどうしよう』と心の奥で感じていた不安が、ただ単に引き出されたにすぎないのです。友人と別れて病気の話を聞かなくなっても、この不安が消えるわけではありません」(本田健さん)

   また、「ネガティブな感情が湧いてきたら、いったん立ち止まって、感情が湧いたときに何を考えていたかを確認するといい」と書かれています。どういうことでしょうか。

「ネガティブな感情は、本当の望みに反することを考えていたことを知らせてくれます。『このネガティブな感情が湧いたとき、何を考えていたんだろう』とか、『わたしは何を望んでいるんだろう』と自分に問いかけてみましょう。そのとき、『引き寄せたい望みと正反対のこと』に意識を向けていたことに気づくと思います」(本田健さん)

ポイントはどこに意識を向けるか

   「『引き寄せたい望みと正反対のこと』に意識を向けている」――このことについて、ほかのケースでも考えてみましょう。インフルエンザの季節になって、あなたは以前、インフルエンザにかかって調子が悪くなったことを思い出したとします。仕事にも行けなかったし、いろいろやりたいことができなくなりました。「今年は健康でいたい」と強く思いました。

   ところが、インフルエンザになったという記憶と、またインフルエンザにかかるかもしれないという「不安」のほうが、ときとして「健康でいたい」という「願望」よりも強くなっていることに気づきませんか? 以下のようなケースにもあてはまるでしょう。左が「願望」で、右が「不安」です。

・健康でいたい。 願望←→不安 病気に罹りたくない。
・お金持ちになりたい。 願望←→不安 お金がない生活をしたくない。
・お友達がたくさん欲しい。 願望←→不安 一人でいたくない。
・新車が欲しい。 願望←→不安 今の車は気に入らない。

   多くの場合、「願望」ではなく、「不安」に焦点が当たりやすくなります。そして、ネガティブに焦点を合わせれば、ネガティブが引き寄せられます。いま、望まない経験をしているなら、望まない何かに意識が向けられていないかチェックしたほうがいいのです。これがよく言われている「引き寄せの法則」を簡単に説明したものです。

あなたの地図を確認しよう

   「引き寄せの法則」は、これまでに多くの人の人生に示唆をあたえています。筆者である私が知る限り、そのプロセスをここまで明快にした本は見当たりません。

   また、本書を読むと、「引き寄せの法則」というものを、聞いたことはあるもののよく理解していなかったことに気がつきます。「もう少し頑張れるかな」「わたしもしかしたら成功できるかも」と背中を押されている気持ちになると思います。

   いまから、何かをやってみたい人、いま悩んでいる人、多くの人に気づきを与える一冊です。ゴールデンウィーク中に、あなたの地図を確認しましょう。ネガティブ思考から、ポジティブ思考へ、橋を架けましょう。そこには、新しい発見があるかもしれません。

(尾藤克之)