J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

大谷翔平99号ショータイム「グランドスラム」に唖然! ライバルたちも大騒ぎな「異常事態!」(井津川倫子)

   米大リーグ・エンゼルス大谷翔平選手の勢いが止まりません!

   先日は本拠地レイズ戦に「3番・DH」で先発出場して、5号ソロ、6号満塁弾と2打席連続本塁打を放つ大活躍。この2発で大リーグ通算の本塁打数が99本となり、松井秀喜選手(175本)、イチロー選手(117本)に続く、日本人3人目の100号達成まであと一歩に迫りました(2022年5月12日現在)。

   しかも、満塁本塁打は自身のキャリアで「初めて」だったそうですが、「two-way」(二刀流)の活躍ぶりに、ライバルたちは「異常だ!」と大騒ぎしています。

  • 100号到達も時間の問題でしょう!(写真はイメージ)
    100号到達も時間の問題でしょう!(写真はイメージ)
  • 100号到達も時間の問題でしょう!(写真はイメージ)

「大谷翔平選手のおかげで忘れられないシーズンになる」

   先日のレイズ戦で満塁本塁打を放ってチームの勝利に貢献した大谷選手。満塁本塁打はプロ野球日本ハム時代を通じて初めてで、1試合2本のホームランを打ったのは通算8回目だったそうです。この大谷選手の「快挙」を、地元メディアも興奮気味に伝えていました。

Shohei Ohtani hits first grand slam as a professional
(大谷翔平選手が、プロ選手として自身初となる満塁本塁打を放った:米CNNテレビ)
grand slam:満塁ホームラン

   今回のニュース、個人的に一番驚いたのは、「grand slam」(満塁本塁打)という英語でした。「grand slam」(グランドスラム)は、テニスの4大大会制覇のことだと思っていましたが、「満塁本塁打」も「グランドスラム」なのですね。「すべての大会に勝つ」とか「すべての塁を制する」という意味のようですが、大谷選手のおかげでボキャブラリーが1つ増えました!

   地元CNNテレビは、「グランドスラム」だけでなく、大谷選手が大リーグ史上初めて「1番・開幕投手」として開幕戦に出場したことにも触れながら、次のように絶賛しています。

From one magnificent feat to another, Shohei Ohtani is having a season to remember.
(偉大な功績から次の功績へ。大谷翔平選手のおかげで忘れられないシーズンになる)
feat:功績

   今シーズンは始まったばかりですが、早くも「歴史に残るシーズンになるだろう」と予測。たしかに、次々と記録を塗り替えそうな勢いの大谷選手ですが、「make history」(歴史を作る)の表現もすっかり定着してしまったようです。

ライバルたちは「オオタニは『普通』じゃない!」の大合唱!

   大谷選手の活躍を日米のファンが熱く見守るなか、じつは大谷選手の異次元の強さをアピールしているのは、監督やベテラン選手といった「プロ」の人たち。「称賛」を通り超えて「驚嘆」の声が広がっています。

Rivals have nothing but praise for Ohtani
(ライバルたちも大谷選手を称賛するしかない:大リーグ専門メディア)
nothing but:~するしかない

   たとえば、エンゼルスのジョー・マドン監督は、大谷選手が「unusual」(普通じゃない)ことを次のように訴えています。

I just hope that people understand how unusual it is what you're seeing, and please never take it for granted.
(今、あなたたちが目撃していることがどれだけ「異常」なことかをわかってほしい。決して、当たり前だと思わないでくれ)
unusual:異常、普通じゃない
take~for granted:~を当たり前だと思う

   かつては大谷選手に辛口だったとされるレッド・ソックスのベテラン左腕リッチ・ヒル選手は、「大谷選手は大リーグで最高の選手」だと評価を一転。大谷選手の活躍を「it's something we haven't seen in 100 years and we may never see it again for another 100 years」(我々が過去100年間で見たことのないことで、今後100年間見ることもないだろう)と表現しています。

   監督とベテラン選手の二人のコメントからは、プロの目から見た大谷選手の「異次元さ」と、「いかにスペシャルなことかをわかってほしい」と訴える強いメッセージが伝わってきます。私たちには計り知れないポテンシャルが、プロ魂を掻き立てているようです。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「take ~ for granted」(~を当たり前だと思う)を取り上げます。試験に出る熟語として暗記した方も多いと思いますが、これを機にリアルな使い方も覚えておきましょう。

Don't take peace for granted
(平和を当たり前のことだと思ってはいけない)

He takes good health for granted
(彼は健康を当たり前だと思っている)

Don't take good performance for granted
(好調な業績を当たり前だと思わないように)

   記録もさることながら、百戦錬磨の強者たちが口をそろえて「unusual」(異常だ)と感嘆する大谷選手。100年に一人どころか、200年に一人の逸材をリアルタイムで目撃できる幸運をかみしめながら、今後のプレーに注目したいと思います。

(井津川倫子)