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円、再び下落気配 1米ドル=137円乗せの可能性も(6月27日~7月1日)【株と為替 今週のねらい目】

   米ドル円相場は、米国の金融政策の行方に左右される展開が続いている。日米の金利差が広がる背景を考えれば、ドルが下げ基調に転換することはない。米国の金融引き締め観測が強まれば、円安ドル高は再び動き出す。1ドル=137円乗せを試す可能性もあるかもしれず、注意が必要だ。

   なお2022年6月29日は、3月期決算の企業の定時株主総会の集中日に当たる。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 今年も3月期決算企業の定時株主総会の集中日が近づいてきた(写真はイメージ)
    今年も3月期決算企業の定時株主総会の集中日が近づいてきた(写真はイメージ)
  • 今年も3月期決算企業の定時株主総会の集中日が近づいてきた(写真はイメージ)

東京株式市場 米国の経済指標の発表に要注意

日経平均株価予想レンジ:2万6000円~2万7000円

2022年6月24日(金) 終値 2万6491円97銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、反発した。米国の過度なインフレ懸念が後退し、米国の長期金利が低下したことで、米国株が反発したことを好感した。

   今週の日経平均株価は、もみ合いとなりそうだ。前週末の米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が大幅上昇したことで、週明けの日経平均株価は上昇が見込まれる。ただ、前週の日経平均株価が2万6500円から上の水準では非常に上値が重かったこともあり、大きく上昇するには材料不足だろう。

   カギを握るのは米国株の動向。米国の金融引き締めが景気後退につながるとの懸念と、米経済指標でインフレ後退を示すものが出ていることで、一段の金融引き締め観測が後退していることで米国株が回復しているが、米国の金融引き締め方針が否定されたわけではない。今週は米経済指標の発表も多く、注意が必要だ。

東京外国為替市場 強まる!? 米国の金融引き締め観測

ドル・円予想レンジ:1ドル=134円50銭~137円50銭

2022年6月24日(金)終値 135円17銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルがしっかりの動きか。

   前週のドル円相場は、ドルが底堅い動きだった。米国の一段の利上げに前向きな要人発言を背景に、ドルは一時1ドル=136円後半まで上昇したが、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言で、金融引き締めによる景気後退に否定的な見方を示したことでドル売り・円買いが優勢となり、ドルは1ドル=134円台後半に下落したあと、1ドル=135円前半でもみ合いとなった。

   今週のドル円相場は、ドルがしっかりの動きとなりそうだ。ドル円相場は米国の金融政策の行方に対する思惑で大きく振られる展開が続いており、今週も同様の動きが続くだろう。

   ただ、日米の金利差拡大という背景を考えれば、ドルが下げ基調に転換することはない。基本的にドルはじっかりの地合いで推移するだろう。今週は米経済指標の発表も多く、米国の金融引き締め観測が強まるような結果が出れば、ドルは再び上値を試す動きとなり、1ドル=137円乗せを試す可能性もあるので、注意したい。

   経済指標は、国内では27日に日本銀行の金融政策決定会合の主な意見 (6月16~17日開催分)、4月の景気動向指数(改定値)、29日に6月の消費動向調査、30日に5月の鉱工業生産と住宅着工統計、7月1日に5月の完全失業率と有効求人倍率などの発表が予定されている。

   海外では、27日に米国の5月の耐久財受注、28日に米国の6月の消費者信頼感指数、29日に米国の1~3月期GDP(国内総生産)確報値、30日に中国の6月の製造業PMIと6月非製造業PMI、米国の5月の個人所得・個人支出、7月1日に米国の6月のISM製造業景気指数などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)