J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

強まる米国景気の後退懸念 円安ドル高の動きに一服感?(8月1日~5日)【株と為替 今週のねらい目】

   米国の景気悪化懸念が強まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年7月26〜27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、0.75%の利上げを決めた。それにより、先行きの利上げ観測がやや後退。強いドル買い材料がなくなってきている。

   ただ、日米の金利差が縮まっているわけではなく、米ドルが必要以上に大きく売られる可能性は低いとみられる。

   株式市場では、企業の決算が本格化している。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米国景気に後退感 ドル買い材料がなくなってきている
    米国景気に後退感 ドル買い材料がなくなってきている
  • 米国景気に後退感 ドル買い材料がなくなってきている

東京株式市場 企業決算が本格化 個別銘柄に物色の動き

日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万8500円

2022年7月29日(金) 終値 2万7801円64銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、4週間ぶりに反落した。何度か2万8000円を抜けたものの、定着することは出来なかった。FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げが実施されたことでアク抜けしたものの、米国の景気後退懸念が強まったこと重しとなり、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が今後の利上げに慎重な姿勢を示したことで、日米金利差の拡大に歯止めがかかるとの見方が強まり、為替相場が1ドル=132円台まで、急速な円高が進んだことも嫌気された。

   今週の日経平均株価は、もみ合いとなりそうだ。企業決算が本格化していることで、個別銘柄の物色が中心の動きになるだろう。米国の経済指標の悪化が目立ち、景気悪化懸念が強まっている。これとともに、再利上げの可能性が後退し、日米の金利差拡大に歯止めがかかるとの見方から円高が進行しており、相場の重しとなりそうだ。

   8月入りしたことで、夏季休暇に入る参加者も多く、様子見気分の強い取引となりそうだが、5日発表予定の米国の7月の雇用統計は今後の米金融政策を占ううえでも重要。注目したい。

東京外国為替市場 7月の米雇用統計に要注意

ドル・円予想レンジ:1ドル=132円00銭~135円50銭

2022年7月29日(金)終値 133円19銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが弱含みもみ合いか。

   前週のドル円相場は、ドルが下落した。一時1ドル=137円台半ばまでドルが上昇する局面もあったが、FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げが実施されたことでアク抜け、加えてFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が今後の利上げに慎重な姿勢を示したことで、先行きの利上げ観測が後退し、1ドル=132円台半ばまで急速にドル安・円高が進んだ。

   今週のドル円相場は、ドルが弱含みもみ合いとなりそうだ。米国景気の悪化懸念が台頭し、先行きの利上げ観測が後退していることで、強いドル買い材料がなくなっている。ただ、現実に日米に金利差があり、ドルが必要以上に大きく売られる可能性は低い。むしろ、米国の経済指標で景気減速を否定するようなものが出れば、再びドル買い意欲が強まる可能性もある。その点でも、米国の7月の雇用統計には注意が必要だ。

   経済指標は、国内では8月1日に7月の新車販売台数、5日に6月の毎月勤労統計調査と景気動向調査などの発表が予定されている。

   海外では、8月1日に中国の7月の財新PMI(購買担当者景気指数)、米国の7月のISM製造業景気指数、3日に米国の7月のISM非製造業景気指数、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合、4日に英国金融政策委員会、米国の6月の貿易収支、5日に米国の7月の雇用統計などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)