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再び加速する円安、ついに140円を突破 日経平均株価は週明けから大荒れか?(9月5日~9日)【株と為替 今週のねらい目】

   この夏、一服していた円安が再び加速している。2022年9月1日の米ドル円相場は1ドル=140円台まで急落。1998年8月以来、24年ぶりの円安ドル高水準を更新した。最近の1週間で3円以上。1月からは、すでに25円以上も下落していることになる。

   円安加速の背景にあるのは、日米の金利差。FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ回避のため、積極的な利上げを展開。一方、日本は相変わらずの金融引き締め策を継続する。その「差」が縮まるどころか、長期化する警戒感から円売りドル買いが加速しているわけだ。

   株価はどうか――。インフレ抑制のための利上げを継続する米国では長期金利が上昇。それを受けて、米国株は大きく下落。日経平均株価もその煽りを食らっている。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 米ドル円相場は、ついに140円台に突入した(写真はイメージ)
    米ドル円相場は、ついに140円台に突入した(写真はイメージ)
  • 米ドル円相場は、ついに140円台に突入した(写真はイメージ)

東京株式市場 2万7000円割れをうかがう可能性も......

日経平均株価予想レンジ:2万7000円~2万8000円

2022年9月2日(金) 終値 2万7650円84銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、調整局面が継続か。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、大幅に続落した。米ジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、インフレ抑制のために利上げを継続する方針である姿勢を示したことで、米国の景気悪化に対する利下げ期待が完全に払しょくされ、長期金利が上昇。米国株が大幅に下落したことを受け、日経平均株価も調整が続いた。

   今週の日経平均株価は、その調整局面が継続しそうだ。前週末の米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が300ドル以上の下げとなったことで、週明けの日経平均株価は大きく下げる展開になりそうだ。

   今後もインフレ抑制のための利上げを続けるとしたFRBの姿勢が確認されたことで、米長期金利の上昇を背景に米国株の下落が続いており、日経平均株価も引き続き調整局面が続くことになりそうだ。日経平均株価は2万7500円を割り込めば、2万7000円割れをうかがう展開になる可能性がある。

東京外国為替市場 パウエル議長の発言に注目!

ドル・円予想レンジ:1ドル=139円00銭~142円00銭

2022年9月2日(金)終値 140円20銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドル上昇の地合いが続く。

   前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米ジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、インフレ抑制のために利上げを継続する方針である姿勢を示したことで長期金利が上昇したことに加えて、前週末の米国の8月の雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことで、ドルは一時1ドル=140円後半まで、24年ぶりの1ドル=140円台に上昇した。

   今週のドル円相場は、ドルの上昇地合いが続きそうだ。FRBによるインフレ抑制のための利上げが長期化するとの見方が強まっており、日米の金利差拡大を支援材料としたドル買いが継続するだろう。

   20~21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、再び0.75%の利上げが実施される可能性もあり、しばらくはドルが上値を試す展開が続きそうだ。8日にはパウエルFRB議長が経済イベントに出席し発言する予定で、内容が注目される。

   経済指標は、国内では6日に7月の家計調査、7日に7月の景気動向指数、8日に4~6月期GDP(国内総生産)改定値、8月の景気ウォッチャー調査、9日にメジャーSQ(特別清算指数)などの発表が予定されている。

   海外では、6日に米国の8月のISM非製造業景況指数、7日に中国の8月の貿易収支、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米国の7月の貿易収支、9日に中国の8月の消費者物価指数などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)