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5人に1人「マッチングアプリ」で結婚...出会いのきっかけ「職場」「友人」「学校」抜きトップに! 「お互いの目的明確」「危険は承知」「細心の注意を」

   マッチングアプリが「恋活」や「婚活」のツールとして当たり前になってきた。

   なんと、今年(2022年)結婚した人の出会いのきっかけは、5人に1人以上が「マッチングアプリ」だったことが、明治安田生命が2022年11月22日の「いい夫婦の日」を前に行った「いい夫婦調査」で、わかった。

   しかも、今年に限ってのことだが、出会いの定番トップスリーだった「職場の同僚」「友人・知人の紹介」「学校の仲間」を抜き、初めて首位になった。新しいカップルの出会いの時代がきたようだ。

  • マッチングアプリでステキな相手と出会いたい(写真はイメージ)
    マッチングアプリでステキな相手と出会いたい(写真はイメージ)
  • マッチングアプリでステキな相手と出会いたい(写真はイメージ)

新型コロナで「リアル」出会いが減り、新たな「婚活王者」に

   明治安田生命は毎年、「いい夫婦の日」を前に、「夫婦円満の秘訣」「互いに贈るプレゼント」「理想の有名人カップル」「新婚旅行費用」といったアンケート調査を行っており、「夫婦の出会いのきっかけ」も重要な調査項目の1つだ。

   調査対象は20~79歳の既婚男女1620人で、「出会いのきっかけ」を聞くと、「職場の同僚・先輩・後輩」が最も多く(29.3%)、次いで「知人・友人の紹介」(24.3%)、「学校の同級生・先輩・後輩」(14.1%)と続いた。「マッチングアプリ」は全体では3.6%にとどまった【図表1参照】。

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(図表1)夫婦の出会いのきっかけは何ですか?(明治安田生命の作成)

   ところが、結婚した年別にみると、「マッチングアプリ」が急速に増えていることがわかる。2009年以前に結婚した人では「マッチングアプリ」で出会ったと回答した人は「ゼロ」だったが、2015年~2019年では6.6%、2020年代以降では18.8%に増加した【図表2参照】。

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(図表2)「マッチングアプリ」で出会った人、結婚した年別比較(明治安田生命の作成)

   そして、2022年単年でみると、5人に1人以上の22.6%が「マッチングアプリで出会った」と答えており、明治安田生命の広報によると、初めて「首位」に踊り出たという【再び図表2参照】。

   同社では、こう分析している。

「スマートフォンの普及により、『マッチングアプリ』が身近なものとして感じられるようになったことに加え、新型コロナウイルス感染拡大を受けたテレワークの推進や外出自粛など、『リアル』での出会いが減少していたなか、新たな出会いのカタチとして定着しつつあり、今後も一般的になっていくのかもしれません」

   調査は10月12日~18日、20~79歳の既婚男女を対象にインタネットを通じて行われ、1620人から有効回答を得た。

「リスクは常にありますが、それはどの出会いの手段でも避けては通れないので」

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マッチングアプリで結婚するカップルが増えているという(写真はイメージ)

   今回の調査について、ヤフーニュースのコメント欄では様々な意見が寄せられている。たとえば、実際に「マッチングアプリ」の出会いを通じて結婚したという人から、こんな体験談が――。

「私もアプリで結婚しました! 実生活では出会いがなかったわけではなく、婚活パーティーや婚活系のイベントを網羅して、思いつくものすべてやりながら。(中略)結果的にはメチャクチャ疲れた頃に、年上ばかり見て視野に入れていなかった4つ下の人と初めて会うようになってトントン結婚まで。
皆さまが言っているように、変な人もいます。でも、それは自分である程度見分けられる自信があったので、良い人に会うチャンスをなくす理由にはならなかったです。年下って色々許せるし、体力的には元気で頼れるし、メッチャいい!と思いました。幸せです!」
「マッチングアプリを利用して入籍まで至りました。紹介、合コン、街コンも経験した上でマッチングアプリが自分に合う人と出会いやすかった印象です。リスクは常にありますが、それはどの出会いの手段でも避けては通れないので、会うのは昼にするなど気をつけていました。職場の人や友人もマッチングアプリを使っている人が多く、実際に会って、いい意味で普通の人も多かった。ネットでの出会いに偏見を持つ世代の見る目が変わればいいなと思っています」
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恋人探しの定番になったマッチングアプリ(写真はイメージ)
「私も、コロナ禍前に婚活アプリで知り合った人(現夫)と結婚しました。社内恋愛、合コン、街コン、結婚紹介所、婚活パーティーなど色々経験して、最終的にアプリにたどり着きました。周りの意見に振り回されずに自分でゆっくり考えられたのがよかったです。
互いの目的が明確なので、決着もつけやすく効率も良かったです。人の多いところで昼間に会う、相手の車には乗らない、スタバのようなカフェにして奢ってもらわない、を特に気をつけていました。ただ、互いの両親には『共通の友人からの紹介で』と説明してしまいました。昭和前半生まれの親世代に、婚活アプリがどう映るのか分からなかったので...」

「下心、遊び、なんか怪しい、勧誘など...メッセージや対面でのコミュニケーションが大切」

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デートにこぎつけワインで乾杯(写真はイメージ)

   みんなそれぞれ「危険」を承知のうえで、最新の注意を払いながらマッチングアプリを利用しているようだ。

「昭和生まれですが、アプリ婚をしました。コロナ前からアプリをし始め、休止期間もありながら、やっと今の夫と出会いました。結局は自分の見極めなのかな...とも思っています。この人は下心あり、遊び、なんか怪しい、勧誘、などメッセージや対面でのコミュニケーションが結局は大切。
どこで出会おうと、自分と気が合うか、相手の素性は知れたか、など、互いに理解し合う意味では一緒だと思っています。個人的には、友人の紹介だと友人に気を遣ってしまう性格なので、出会いのない職場にいる分、アプリは便利でした。よくも悪くもすぐ縁を切れるので、向き不向きはあると思います」
「男女とも有料のサービスが、本気度の高い人が集まっており、おすすめです。男女どちらかが無料のサービスは、やはり無料側の本気度が低いので、おすすめできません」
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お金の話が出てきて怪しいなあ(写真はイメージ)
「確かに私はアプリでヤバイやつに会いましたが、職場ですごく良い人でも家ではDV男とかもあり得るというか、女性の敵となる男性って男性の前ではいい顔しかしないのですよ。たぶん、私がアプリで出会ったヤバイ人も、半分以上は職場では普通だと思います。
たとえば、上司のお墨付きがある男性と結婚して、女性にだけ態度が悪くなったりすると、周りに相談しても信じてもらえなかったりするし、逆に自分が悪く言われたりする。アプリはそういうしがらみがないのがいいと思います」

「職場恋愛はやめとけ」と言う人、けっこういる時代に!?

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職場恋愛ってどうなの?(写真はイメージ)

   ところでなぜ、かつては「出会いの場ナンバーワン」だった「職場」が減っているのだろうか。こんな考察があった。

「仕事で知り合った人を食事や飲みに誘うことのハードルがかなり高くなった。同性であっても仕事のパワーバランスがある以上、無下に断れないことを前提に誘わなくてはいけないので、かなり気を遣う。異性はなおさらで、少しでも仕事の力関係があるなかで、プライベートに踏み込めるのは、よほど自分に自信がないと踏み切れない。
その点、マッチングアプリは前提が恋愛の出会いで、しかもいつでも一方的に関係を断つことができるという意味でも、軽い出会いから結婚を目指す人まで使いやすいツールなのだと思う」
「大企業で別の部門の人とかならまだあり得るのですが、いま小さい会社なので、気になる人がいても、別れた場合のことが面倒だし、何もできないです」
「確かに昔に比べたら職場の女性を誘うのは難しくなっているかも。『職場恋愛はやめとけ』と言う人、たくさんいるし。自分もそう思っている。職場が乱れるから」
「◯◯ハラスメント...。確かに、職場や取引先でお誘いしようものなら、お相手がこちらに気がない限り、訴えられる時代ですね。飲み会も減っているし、飲まない人が増えたことも要因のひとつではないですかね」
「私の周りでもアプリで出会って結婚する人、結婚した人がいます。始めたきっかけは、社会人になって出会いがなくて...と言っていました。(中略)私たちの世代は、マッチングアプリをすることに抵抗はないのですが、上の人の世代には出会い系のイメージが強いのか、会社の上司たちもいいイメージを持っていません。マッチングアプリの出会いも、偏見なく公に言えるようになればいいなあと思います」

結婚は奇跡、「誤解で始まり、理解で終わる」ことも...

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男女の縁、絆とは?(写真はイメージ)

   一方で、年配の世代の間では、「マッチングアプリ」について賛否と興味が入り乱れているようだ。

「アラ50ですが。祖母の時代はお見合い結婚が当たり前。母親の世代はお見合いや許嫁(いいなづけ。幼少の時から双方の親が婚約を結んでおくこと)に反発する人が多数になり、社内での出会いや学生時代からになり、親に反対されたけど結婚したと言っていました。合コン、ナンパ、ねるとんパーティーの出会いが主だった私たちの世代に対して、母親はナンパ!合コン!と眉をひそめていましたけど。それが時代の流れだと思っています。
だから、マッチングアプリの出会いが今の若い人たちには当たり前だと感じます。今までにはなかった新しい出会いの形が生まれることを、拒否ばかりではなく、新しい時代なのだなあ、と受け入れたいです」
「偏見ではありませんが、本当にきちんとしたサイトでないと、親御さんは心配しますよね。私の時代は、せいぜい結婚相談所に会費を払って登録したり、知り合いの方々からのお見合い話に付き合ったりという方法でした。
結局『ご縁があって』という言い方が適切なのかと思いますが、母の知人の紹介で30人目に出会った主人と結婚しました。今、私が結婚したい年齢なら、きっと信頼できるマッチングアプリを探して試すことでしょうね」

   最後に、こんな意見を紹介したい。

「アプリだろうと、昔ながらのお見合いだろうと、人からの紹介だろうと、きっかけなんて何だっていいのですよ。この世に生を享(う)けたことが奇跡であると言った人がいますが、結婚なんかはさらにその上をいく奇跡ではないかと思います。結婚はあくまでスタートライン、大事なのは愛情と忍耐と相互理解。そしてよく言われるような、『誤解で始まって、理解で終わる』などといったことがないよう、日頃からコミュニケーションを取り合うことが、なによりも大事ではないかと思います」
「本当にそうですね。結婚相手との出会いや子宝に恵まれるって、奇跡だと思います。2人寄り添って歩いて?」

   なお、近年は「ロマンス投資詐欺」の被害も聞くところなので、その点には細心のご注意を。(福田和郎)