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いま話題の「アルモンデ」はご存じですか? 光熱費高騰&食品値上げラッシュで広まる「節約料理」

   電気代の高騰や食品の値上げラッシュが家計を直撃する中、工夫して安く料理を作るための「節約レシピ」がSNS(ネット交流サービス)やインターネット上にあふれ、活用が広がっている。

   冷蔵庫の中などにあるものだけで料理をするという意味の「アルモンデ」が流行語のようになり、悲壮感の中ではなく、楽しんでごちそうを作ろうという動きにもなっている。

  • 創意工夫を凝らし、楽しんでごちそうを(写真はイメージ)
    創意工夫を凝らし、楽しんでごちそうを(写真はイメージ)
  • 創意工夫を凝らし、楽しんでごちそうを(写真はイメージ)

人気は、電気やガスを使わないレシピ&安くて栄養のある料理

   レシピ検索サービスを手掛けるクックパッド(横浜市)によると、節約レシピの検索数が増えているらしい。特に、電力各社の電気料金値上げを受けて、2022年末からは「節電」でレシピを検索する人が急増している。同社は「料理する時でも『節電』への意識の高まりがうかがえる」としている。

   「節電」と検索した際、クックパッドで紹介されるレシピは2023年1月末時点で約240品。電気やガスを使わないよう、包丁で切って材料をあえるだけの料理がお薦めだという。節電効果だけでなく、5分で作れる時短調理でもある「ツナと水菜のゴママヨサラダ」などが注目を集めている。

   食品が軒並み値上げされる中、安いながら効率的に栄養を摂取できる料理も人気だ。

   肉の代用として豆腐を使うレシピなどが多数紹介されており、比較的安価な鶏の胸肉と豆腐を材料にしたボリュームたっぷりのチキンボールなどもよく見られている。

「アルモンデ」の投稿、前年比4倍以上...料理写真のSNSアプリで

   そんな中で、熱い視線を集めているのが「アルモンデ」だ。まるで外国語のような言い回しだが、日本語を外国語風に表記しているもので、音の通り「家にあるもの」の意味だ。

   新たに食材を買い足さなくても、「家にストックしてある食材だけを使って料理をしよう」という発想から生まれた。特売をしている野菜や肉を多めに買っておき、適切に冷蔵や冷凍をして、必要な時に賢く使おうという行動にもつながっている。

   料理写真のSNSアプリ「スナップディッシュ」を運営するヴァズ(東京都武蔵野市)によれば、「アルモンデ」という言葉を使った投稿は約10年前から徐々に増えてきたが、2022年には前年比で4倍以上に急増したという。

   同社が22年12月に登録ユーザー約250人に実施した調査によれば、食品の値上げをきっかけとして、「アルモンデ」を実施したという人は9割超にのぼった。

   「アルモンデ」を週1回以上実施している人は、約7割だったという。「大根の皮できんぴらを作ったり、ブロッコリーの茎を炒め物に使ったりする」など、できるだけ食材の無駄を出さないという人もいた。

   節約のため、冷凍食品をうまく取り入れようという動きも強まっている。

   食材のほか、油の値段が上がっており、「揚げ物などは自分で作るより、冷凍食品を使った方が、割安感がある」(小売り関係者)ためだ。スーパーなどでは「価格が安定している冷凍野菜の人気も高い」(同)という。(ジャーナリスト 済田経夫)