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スマホ「満足度」ランキング意外な結果! シェアトップ3の「docomo」「au」「SoftBank」ワースト3に...切磋琢磨する「格安スマホ」見習っては?!

   携帯電話料金の値下げ競争がひと段落した今、いったいどこのスマホサービスの「満足度」が高いだろうか。

   モバイル専門の市場調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2023年3月7~9日、携帯電話大手4社のユーザーを対象に行なった「2023年2月MNOのシェア・満足度調査」と、格安スマホのユーザーを対象に行なった「2023年2月MVNOのシェア・満足度調査」を発表した。

   これをみると、格安スマホでは「満足度」の差はほとんどないのに、大手のサービスでは、シェアがダントツ1位の「docomo」が、「総合満足度」では下から2番目になるなどバラツキが目立つ。いったい、携帯大手はどうなっているのか。

  • スマホはどこのサービスがいい?(写真はイメージ)
    スマホはどこのサービスがいい?(写真はイメージ)
  • スマホはどこのサービスがいい?(写真はイメージ)

大手のシェア...「docomo」がダントツ、次いで「au」「SoftBank」

   MMD研究所の調査は、スマホを所有している18歳~69歳の男女4万を対象に行われた。

   大手4社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)の調査対象となったサービスは、次の計9つだ。主力プランである「docomo」(NTTドコモ)、「au」(KDDI)、「SoftBank」(ソフトバンク)、「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ」(楽天モバイル)と、サブプランの「ahamo」(NTTドコモ)、「povo」(KDDI)、「UQ mobile」(KDDI)、「LINEMO」(ソフトバンク)、「Y!mobile」(ソフトバンク)。

総合満足度が高いサービスは?(写真はイメージ)
総合満足度が高いサービスは?(写真はイメージ)

   まず、メインで利用しているサービスの利用率(シェア)を聞くと、圧倒的1位は「docomo」(29.1%)。次いで、「au」(17.2%)、「SoftBank」(11.0%)、「Y!mobile」(9.5%)、「Rakuten UN-LIMIT」(7.4%)、「UQ mobile」(7.1%)、「ahamo」(5.3%)、「povo」(2.4%)、「LINEMO」(1.3%)という順番になった【図表1】。

(図表1)メインとサブ利用の大手9サービス(MMD研究所の作成)
(図表1)メインとサブ利用の大手9サービス(MMD研究所の作成)

シェアではトップ3が「総合満足度」でワースト3に...

   次に、利用しているサービスの「総合満足度」を聞いた。「満足度」を、「料金部門」(安さ、プランの分かりやすさ、お得さ)、「サービス部門」(提供端末やオプションプランなどの豊富さ)、「通信品質部門」(データ通信速度、つながりやすさ)、「顧客サポート部門」(情報の豊富さ、サポート対応の良さ)の4部門で聞き、合計ポイント(1000満点)で「総合満足度」をランキングする仕組みだ。

   すると、意外な結果が出た。

   シェア(利用率)では6位の「UQ mobile」(740点)でトップとなった。次いで、同点2位が2つ並び、シェア7位の「ahamo」と、シェア最下位の「LINEMO」(734点)だった。

   そして、4位に「povo」(731点、シェア8位)、5位に「Y!mobile」(723点、シェア4位)、6位に「Rakuten UN-LIMIT」(700点、シェア5位)、7位に「au」(640点、シェア2位)、8位に「docomo」(639点、シェア1位)、そして最下位に「SoftBank」(625点、シェア3位)という結果になった【図表2】。

(図表2)大手9サービスの総合満足度(MMD研究所の作成)
(図表2)大手9サービスの総合満足度(MMD研究所の作成)

   シェア(利用率)ではトップ3を独占した「docomo」「au」「SoftBank」が、「総合満足度」ではそろってワースト3に顔を並べるという皮肉な結果となった。これはいったいどういうことか。

   MMD研究所による今回の調査では、「総合満足度」の結果しか公表していないが、2022年9月に発表した同様の調査では、「料金」「サービス」「通信品質」「顧客サポート」の各部門の評価点も公開した。その時は、「docomo」「au」「SoftBank」は特に「料金」での評価がそろって低く、結果的に今回同様、「総合満足度」でワースト3に並んだのだった。

格安スマホ、顧客満足度を高めようと切磋琢磨

   さて、「安さ」と「手軽さ」がウリの格安スマホでは、調査対象の中心となったのは、「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」「mineo(マイネオ)」「IIJmio(アイアイジェイミオ)」「イオンモバイル」「BIGLOBEモバイル」の6つサービだ。

   ユーザーにメインで使っているサービスを聞くと、「OCN モバイル ONE」(18.4%)が最も多く、次いで「楽天モバイル」(16.5%)、「mineo」(13.3%)、「IIJmio」(11.5%)、「イオンモバイル」(7.6%)、「BIGLOBEモバイル」(5.5%)の順となった【図表3】。

(図表3)メイン利用の格安スマホサービス(MMD研究所の作成)
(図表3)メイン利用の格安スマホサービス(MMD研究所の作成)

   そして、「総合満足度」を聞くと、「イオンモバイル」(754点)がトップで、次いで「mineo」(747点)、「IIJmio」(746点)、「OCN モバイル ONE」(743点)、「楽天モバイル」(714点)、「BIGLOBEモバイル」(708点)という結果になった【図表4】。

(図表4)格安スマホサービスの総合満足度(MMD研究所の作成)
(図表4)格安スマホサービスの総合満足度(MMD研究所の作成)

   こちらもシェアどおりの順番とはいかなかったが、トップから最下位までの差はわずか46点しかない。大手サービスが115点もの差があることに比べると、少数精鋭で顧客満足度を高めようと、互いに切磋琢磨している状態と言えるだろう。

   調査は、大手9サービスと格安スマホともに2023年2月3日~2月6日、スマホを利用している18歳~69歳の男女4万人にインターネットで予備調査のアンケートを行ない、そのうち該当サービスの利用者に集中的に本調査を行った。(福田和郎)