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ひょっとすると、人間がAIに仕事を奪われた方がマシな場合もあるかも?!【vol.23】(川上敬太郎)

   職場にいて仕事していると、「ちょっといいですか」と突然話しかけられることがあります。その時に何気ない会話を交わすコミュニケーション機会が、仕事上のよい潤滑油になったりします。

   しかし、企画を考えようとアイデアを整理していたり、ミスが許されない数字の集計に必死に取り組んでいたりする時など、「ちょっといいですか」が困る時もあったりします。

   その点、在宅勤務していると、突然誰かに話しかけられるなんてことはありません。

   自分のペースが崩されないので、思う存分、仕事に集中できます。

   でも、仕事でうれしいことがあったり、逆に残念なことがあったりと、何か心を揺さぶられるような出来事があった時に共有できる相手が目の前にいないのは寂しいものです。

   つくづく人間は、ワガママなものだと思います。

  • もしも超優れたAIが登場したら、「経営判断」さえも任せられる?(写真はイメージ)
    もしも超優れたAIが登場したら、「経営判断」さえも任せられる?(写真はイメージ)
  • もしも超優れたAIが登場したら、「経営判断」さえも任せられる?(写真はイメージ)

話題のAIに「兼業主夫ってこれから増えると思う?」と聞いてみた...その答えは?

   そんな孤独に耐えることに加え、自分が考えている内容について客観的な意見を聞きたい時に、「これどう思う?」と声をかけられないのに困ることもあります。だからといって、わざわざ電話するのも申し訳なく...。そんな時は、さらに孤独を感じたりもします。

   ところが、そんな在宅さみしん坊にとって、画期的なツールが現れました。チャットGPT。このいま話題のAIが、「これどう思う?」に見事に答えてくれるのです!

   たとえば、「兼業主夫ってこれから増えると思う?」と尋ねてみると、兼業主夫とはナンゾヤという解説から始まり、こんなふうな結論を返してくれました。

『近年では、テレワークなどの働き方の多様化や、企業が育児や介護などの家庭の事情に理解を示す取り組みを進めていることから、男性が家庭や子育てを担当することがより身近なものとなっていると言えます。そのため、今後は兼業主夫が増える可能性があると思われます』

   とても立派な回答ではないですか! さらに、「でも、たくさん課題があるから兼業主夫が増えるのは、実際は難しいんじゃない?」と突っ込んでみると、

『確かに、兼業主夫には課題や障壁が存在することがあります』

   と前置きしつつ、「男性が家庭や子育てに積極的に関わることが求められる時代になっている」ことや「男女共同参画社会を実現するため」などの理由を挙げ、最後には

『課題や障壁はあるものの、兼業主夫が増える可能性があると考えられます』

   と、これまた見事な見解を述べてくれ、そこそこ議論もできてしまいます。こりゃすごい。

エライ人が欲に目がくらんで不正行為を指示してしまうなら、その仕事はAIに替わってもらえば?

   しかし、そうやってAIの凄さを肌で感じてしまうと、こんなふうにAIは人間の仕事を代替して、「人は仕事を奪われていってしまうのかな...」と不安な気持ちがよぎったりもしてしまいます。

   AIのことを頼もしいと思いつつも、一方でそんなAIを怖れ憂いてしまう。やはり、つくづく人間はワガママなものだと思います。

   そんなことを独り言ちながら夕飯の支度をしつつ、テレビ画面に目をやると、飽きもせず企業の不正行為のニュースが次々と報じられているではありませんか。横領だ、談合だ、不正受給だと、エライ人たちの残念な指示のオンパレードです。

   これらの不正行為の背景をひも解いていくと、人間の欲が目をくらませてしまっているのだなと感じずにはいられません。

   そうだ! エライ人が欲に目がくらんで不正行為を指示してしまうというのならば、そんなエライ人の仕事こそAIに替わってもらえばいいじゃないですか。これは名案かも?!

   そう思って意見をチャットGPTにぶつけてみたら、

『人間のように倫理や感情を持っていないため、経営判断や倫理判断などの人間的な判断はできません』

   と答えが返ってきました。どうですか。なんか、無欲な感じがいいじゃないですか。惚れ直してしまいそうです。さらに、

『企業の経営にはさまざまな要素があり、人間とAIが連携して最適な結果を得ることができると考えられます』

   不正行為を指示するエライ人たちなんかより、こんなふうに自分を客観視できるAIのほうが余程真っ当ではないですか。

   ただ...たしかにAIを開発したのは人間ではありますが、AIが優秀になればなるほど、人間自身も精進を求められているのかな、と。暗に、AIから教えられているように感じてしまうのは、気のせいでしょうか?(川上敬太郎)